「本論」のレベルをカンタンにアップできる!
譲歩構文を身に着け論理性を高めよう!
「小論文ってどう書けばいいの?」にお答えするシリーズ!
「小論文って、どう書けばいいの…?」
そんな悩みにお答えするシリーズの第5弾、
今回もお届けしていきます!
前回まで見てきたのは
【序論-本論-結論】の流れのうち
「本論」をどう書くかについてです。
今回は本論に入れると役立つ
小論文の「具材」をテーマにお届けしていきます!
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/06/write-1024x683.jpg)
小論文はチーズバーガーをイメージすれば書ける!
前回は小論文の【本論】において
「チーズバーガーの型」を意識することをお話してきました。
チーズバーガーのチーズに当たる部分が
「理由・根拠」であり、
肉に当たる部分が
「具体例・エピソード」であることを
お伝えしてきました。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/10/1-1024x683.jpg)
このような書き方を
PREP(プレップ)法と呼んでいます。
アメリカの学校で教えられている!ハンバーガー・エッセイ
実はこの「チーズバーガーの型」ですが
なにも私が勝手に使っている説明ではなく、
アメリカの学校教育・大学での論文教育でも
活用されている正当な方法なのです。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/09/school-683x1024.jpg)
アメリカでは
「ハンバーガー・エッセイ」という名称で
説明されています。
(ここで言う「エッセイ」は
「随筆」を意味するエッセイではなく、
論文や小論文が該当します)
このハンバーガー・エッセイでも、
私の記事で書いてきたように
最初の「序論」で全体の結論や主張を述べるということ、
最後の「結論」でも全体の結論や主張を述べるという点が
共通しています。
パンとパンが中身を挟んでいるように、
結論と結論が中身を挟んでいる点で
「ハンバーガー・エッセイ」というわけです。
前回はチーズと肉という
2つの具材でハンバーガー・エッセイを書いてきました。
ハンバーガーの具材は色々。小論文の具材も色々!
ところで、
ハンバーガーの具材って、
当たり前ですが、チーズと肉以外にも
たくさんありますね。
あなたは何か思いつくもの、
ありますでしょうか?
たとえばピクルスやレタス、
トマトやオニオンなど
多様な具材が思いつきますね。
これらの具材を適切にハンバーガーに挟むと
味わいも豊かになりますね。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/10/cheese_burger-683x1024.jpg)
これは小論文(ハンバーガー・エッセイ)も同じです。
今日は小論文(ハンバーガー・エッセイ)に入れると
味が豊かになる(=より良い小論文になる)要素を
お伝えしていきます!
小論文の具材1)譲歩構文(じょうほこうぶん)
譲歩構文
「確かに〜〜(かもしれない)。しかし〜〜」
「もちろん〜〜(かもしれない)。しかし〜〜」
これは賛成-反対などを自分で決めて
論述をするタイプの小論文に有効な手法です。
自分は賛成するか、反対するかを
「序論」部分で述べたあと
こちらの譲歩構文を使うのが
定番パターンです。
具体的な使い方です。
「確かに〜〜〜」という部分で
自分の意見と反対の人がいいそうなことをまず書きます。
その後「しかし〜〜」以下でその意見への
反論を書きます。
例題 臓器移植に関して
実際の事例で考えてみましょう。
例として
「臓器移植がしやすいよう
制度を改革していく必要があるかどうか」
を考えてみます。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/03/hospital2-1024x678.jpg)
あなたが反対側(=「改革していく必要はない」)で
小論文を書いている場合、
次のような流れになるでしょう。
〈序論〉
臓器移植がしやすいよう
制度を改革していく必要があるという意見がある。
私はこの意見に反対だ。〈本論〉
確かに臓器移植をしやすくすることで
救われる命も多く出てくるであろう。しかしながら、臓器移植をする場合
免疫抑制剤を活用することで他の疾病が発症しやすくなる
可能性がある。また、臓器移植を行いたいあまり
安易に脳死診断が行われるようになる可能性も存在する。
だからこそ改革をすべきではないと言える。〈結論〉
以上により臓器移植をしやすいよう制度改革することに対し
私は反対である。(注 あくまで回答例であり、模範解答ではありませんので
ご了承ください)
まずは「確かに〜〜」の部分で
賛成側のいいそうな主張が述べられています。
その後、「しかし〜〜」で
賛成側のいいそうな主張の批判を行います。
すると理論がわかりやすくなるのですね。
「確かに〜〜。しかし〜〜」のセットをうまく使うと、
自分の意見と正反対の人にも
伝わりやすい小論文を書くことが出来ます。
自分の意見だけではなく
他の人がいいそうな意見をまとめてあると
小論文の印象がグッと良くなるのです。
譲歩構文は英文でも頻出!
なお、この譲歩構文、
英語の論文にもよく出てきますよね。
こういった形でよく出てきます↓
“Someone say that~~. But~~”
(ある人はこう言うかもしれない。しかし〜〜)
これも、自分と意見が異なる人のいいそうなことを
あらかじめ書いておき
再批判することで小論文の説得力を上げる効果があるのです。
今回のポイント
「本論」のレベルをカンタンにアップできる!
譲歩構文を身に着け論理性を高めよう!
使い慣れて譲歩構文をマスターしよう!
譲歩構文。
なんだか難しそうに感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、
「自分と意見が違う人がいいそうなことを
『確かに〜〜』で書き、
『しかし〜〜』で批判する」
という流れを一度身につけてしまえば
一生役立ちます。
大学院入学後の論文やレポートなどにも
応用範囲が広いので
ぜひこの機会に身に着けてみてください。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/10/write2-1024x682.jpg)
ちなみに、この譲歩構文、
樋口裕一先生の教材が元ネタです。
樋口先生の『小論文これだけ!』シリーズなど、
いずれも小論文学習に役立つものばかりです。
☆看護大学院入試にもこちらは役立ちます↓
樋口先生は私の大学の「先輩」にも当たる方ですし(面識はありませんが…)、
私が受験生のころ、
樋口先生の小論文教材で勉強していたので
大変お世話になっている方でもあります。
受験生の頃は
自分が小論文の書き方をお伝えする側になるとは
思ってもみませんでした。
人生って面白いものだな、と思います。
次回も「本論」に入れるべきハンバーガーの具材を
紹介していきますね!
ではまた!
☆「ハンバーガー・エッセイ」の部分などは
以下の資料を参考にしています。
小熊英二, 2022, 『基礎からわかる 論文の書き方』講談社現代新書。
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