インタビュー調査を安易に考えると後悔する!なんとなく選ばず、まずは研究手法の学習を。

今回のポイント

カンタンなようで奥が深いのがインタビュー。
研究で使う際は手法を厳密に!

インタビュー記事作成はやっぱり大変…!


私はいま北大大学院の
社会人教育プログラムを受けています。

その授業の一環で
インタビュー記事作成を
行っています。

インタビュー記事の作成。

開業当初 ブログ用の記事で
作成することもありましたし、

ありがたいことに私も何度か
インタビュー記事を作成いただいた経験があります。

(ご依頼いただき、ありがとうございます!)

インタビューするときは楽しい。でも…。

インタビューの最大の特徴は
「インタビューするときは楽しいけれど、 
 そのあとが地獄」
というところ。

インタビューっていうなれば
相手と話す「だけ」なので楽しいです。

でも、そのあとが本当に大変なことが多いのです。

なぜかと言うと
インタビュー後記事作成をするためには
「録音した音声を聞きながら
 原稿にまとめる」
ことが必要になるからです。

通常、インタビュー時には
「文字起こし原稿」を作成します。

これは話している内容を
基本的にそのまま言葉に書き出した内容です。

(言いよどんだり、繰り返しになったところも
 そのまま書き出します)

この文字起こし原稿だけでは
とてもじゃありませんがくどすぎて
記事になりません。

インタビュー記事にするには
「文字起こし原稿」から
言い間違えやクドいところを削り
ふつうに読んで違和感のない形にしたり、

思い切って前後の流れを変えたり
大胆に内容をカットしたりすることが必要になります。

いうならば
インタビュー後、

「文字起こし原稿」を一度作り、
それを修正・加工してインタビュー記事に

仕上げていくわけです。

この「文字起こし」、
いまでは音声入力ソフトやら
専門の業者やらがやってくれることもありますが、
基本的には人力です。

再生ボタンを押して聞いた内容を
キーボードに入力し、
聞き取れない時は数秒内容を戻して
何度も確認しつつ入力をしていくことになります。

これだけでも
当初1時間のインタビューでしたら
文字起こしに数時間、
編集に1時間、
相手の確認後さらに編集に1時間…と
めちゃくちゃ時間がかかるのですね。

本業でインタビュー記事作成をしている方の
労力、本当に頭が下がります。

ちなみに、会話分析はその数倍「しんどい」

ちなみにですが、
私は大学院生の時「会話分析」という研究手法を
行ったことがあります。

この会話分析って、
いまのインタビュー記事作成の
その数倍「面倒」です。

会話分析の場合、
相手が言いよどんだ際の
「沈黙していた時間」を計測したり、
言葉の強調点やイントネーションなど
会話中の微妙な反応もそのまま入力したりします。

会話分析の手法で話していた内容の再現原稿(スクリプト、と言います)を作ると
たった5分の会話でも1〜2時間かかることも
しばしばあります。

☆会話分析について、
 詳しくはこちらをご覧ください。   


  

このように
インタビューって
インタビューする「だけ」なら比較的楽しいのですが、
文字起こしをし、原稿にまとめる段になると
とたんに大変です。

そういうときは
以前会話分析をやっていたときのことを
思い起こすようにしています。

そうすると
「ああ、そんなに正確に
 文字起こしをする必要もないし、

 まして会話分析レベルの入力もいらないから
 けっこう楽かも」
と思えるのですね…。

そんなわけでCoSTEP課題のインタビュー記事作成も
ある程度終えることができた次第です。

今回のポイント

今回のポイントです。


カンタンなようで奥が深いのがインタビュー。
研究で使う際は手法を厳密に!


インタビューを「安易」に考えると後悔する!

大学院での調査・研究においても
インタビューを用いた研究は
多く行われています。

現職看護師さんへのインタビューや
経営者・従業員へのヒアリング調査など
インタビューによる質的研究は
比較的実施しやすいです。

ただ、インタビューによる研究って
意外と大変です。

単に話を聞く「だけ」だと思っていると、
インタビュー調査をしはじめてから
後悔したくなってきます。



「これだけのインタビューデータ、
 とてもじゃないけど文字起こしなんてできない…」

「インタビューはたくさんしているけど、
 これをどう分析していいか
 さっぱりわからない…」

そうやって
処理をしていない音声データが
山のように溜まっていくことになるのです。

文字起こしはすべてのデータに必要か?

調査手法によって考え方は様々ですが、
私はすべてのインタビューデータに
文字起こしは不要だと思っています。

だいたいは重要な箇所を重点的に聞き、
その内容だけはきちんと原稿にした上で
分析にしたほうが良いと考えています。

あるいは『情報生産者になる』において
上野千鶴子さんが言っているように、

録音した会話データを聞き返しつつ、
重要な部分を「カード」に手書きでまとめていくような
手法が良いのではないかと考えています。

(むろん、「会話分析」を専門に行うなら
 きちんと文字起こしをしないと
 不可能ですが…)

やるならきちんと方法を学んでから!

いずれにしても
「ただなんとなく録音をするだけ」では
インタビュー調査になりません。

一度インタビューの仕方・聞き取り調査に関する
文献を読んでからのほうが
良い研究がしやすくなります。

こういう研究手法の習得も


大学院に入ってから必要となりますので
余力がある間に読んでおくのをオススメします!


ではまた!


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