勉強のやる気が起きない時の対処法。「とりあえず」「ついでに」始める工夫を。〜勉強するのに「決意」はいらない〜

今回のポイント

「勉強しよう!」と身構えるとなかなか続かない。
「とりあえず」「ついでに」勉強を始める工夫を。

勉強する気が起きないとき、どうすればいいの?

「ああ、きょうも試験勉強をしなきゃ…」

「そろそろレポートをやらないと…」

 

大学院進学を目指した後も
大学院に入った後も、
待っているのは日々の学習ノルマです。

 

勉強を始めたばかりの時は
テンションも上がっているので
何時間でも集中して勉強できることもありますが、

1ヶ月・2ヶ月が経つと
だんだん気持ちが下がってしまいます。

 

「ああ、勉強、やらないとな…。
 でもやりたくないな…」

そんな気持ちになってくると
だんだんテキストを見るのも嫌になってきます。

本棚に入れた教材に
だんだんホコリが積もっていくのです。

…これ、私もよく経験があります。

「ああ、勉強しなきゃいけないけど
 なんか面倒だな…」

そんな思いになると
日々の学習がツラくなりますよね。

日々のノルマを淡々とこなせるか? それが受験勝利のカギ

大学院進学の対策というとなんだか「スゴそう」に
感じる人も多いかも知れませんが、
だいたいは「テキストを読んで文章を書く」に
集約されます。

(「面接対策」なども必要です)

やることはすっごく地味です。


なので日々の単調な対策をどれだけ継続できるかに
受験勝利のカギがあるのです。

 

でも、
その肝心の「モチベーションをいかに維持するか」が
大変なのですね。
 

ドゥルーズに学ぶ勉強・仕事法

こんなとき、
哲学者・千葉雅也(ちば・まさや)さんの本が役立ちます。

 

ちょうど先日、
ライターの沢田石誠さんと
千葉雅也さんの『現代思想入門』の
解説動画を撮影しました。
 

 

 

この千葉さんの本のなかに、
「モチベーションの維持」につながる内容があったのです。

現代哲学のビッグネームである
ジル・ドゥルーズの哲学を解説する中での
内容です。

ちょっと紹介しますね↓

 ドゥルーズによれば、
 あらゆる事物は、
 異なる状態に「なる」途中である。

 事物は、多方向の差異「化」のプロセスそのものとして
 存在しているのです。

 事物は時間的であり、だから変化していくのであり、
 その意味で一人の人間もエジプトのピラミッドも
 「出来事」なのです。


 プロセスはつねに途中であって、
 決定的な始まりも終わりもありません。

千葉雅也,2022,『現代思想入門』講談社現代新書, Kindle版53/203ページ

ドゥルーズによれば
あらゆるものは常に生成変化しています。

 

がっしりして数千年経ってもびくともしていないように見える
エジプトのピラミッドさえも、
少しずつ変化をしています。
 

(私も新婚旅行で見に行きましたが、
 ギザの大ピラミッドの下には
 ピラミッドから剥がれ落ちた岩や石が
 たくさん落ちていました

川辺に行くと落ちている石も、
もとは大きな岩の一部だったわけですし、
その岩さえももとは
マグマが固まってできたものでもあります。
 

自分という人間をみても、
考え方・発想は常に変化しています。 

世の中には変化しないものは何一つない。
すべては「生成変化」の途中なのだ。

 

それがドゥルーズの主張です。

 

すべてを「ついで」で捉える仕事術。

 

ここを踏まえた上で
千葉さんの本の続きをみていきましょう。

 世界をこのように捉えるとどうなるか。
 たとえば、我々は仕事を始めるのがダルいなあとか、
 仕事を終わらせるのが大変だというようなことを
 日々思うわけですが、
 すべては途中だし、本当の始まりや終わりはないのだと
 考えることができます。

 こう言うと、何やらビジネス自己啓発的に応用できる気が
 してきませんか?

 実際僕は、ある時期からこの考え方を応用しています。

 原稿を書かなければならないとき、
 「よいしょ」と重い腰を上げて
 気合いを入れて作業するのは大変なので、
 とりあえずパソコンを開いて、ツイッターを見て、
 その流れでメールを見て、
 ひとつ返事でもするみたいな感じで、
 ハードルが低いことから始めてみます。

 そうすると、何かが流れ出すというか、
 プロセスが始まります。

 そのついでにちょっと思いついたことをメモしたりするのですが、
 そのメモをもう原稿の一部にしてしまってよいと考えるのです。

 つまり、「ここから本格的に書き始めたぞ」という
 始まりをちゃんと設定しなければならないという
 規範意識を捨て、
 なんとなくついでに取りかかって書いてしまったものを、
 もうそれで本番として捉えてOKなんだ、

 と考えるのです。

 そうしているうちに、
 なんとなく思いついたことをただ書いていけば、
 文章になるのです。

 結果、最後の仕上げも、究極の完成形を
 目指さなくてよくなります。
 どこまで行ったってプロセスなんですから、
 それをある程度のところで「まあいいや」と終わりにする。

 (…)こういうことも実はドゥルーズの思想とつながっているのです。

 すべては生成変化の途中であると考えたとき、
 すべてを「ついで」でこなしていくというライフハックになる。
 すべての仕事をついでにやる−−これがドゥルーズ的仕事術ですね。

 

千葉雅也,2022,『現代思想入門』講談社現代新書, Kindle版53-54/203ページ

「とりあえず」「ついでに」仕事・勉強を行なう習慣。

千葉さんの指摘から分かることは
あまり「いまから始めるぞ!」と気合を入れず
「とりあえずはじめていく」
「ついでにはじめてみる」と始めやすい、

ということですね。

 

実際、
「ああ、そろそろ勉強しなきゃな…」
と思っても、

「よし、いまから勉強しよう!」
と決意するのははなはだ困難です。

 

でも、そんなに気合を入れず

「とりあえずテキストを1ページだけでも
 読んでみるか」

「前に線を引いた箇所を
 パソコンに打ち込んでおこうか」

気軽にはじめてみたほうが
勉強を始めやすくなるのです。
 

もっと言えば
ちょっと散歩に出かけ、
近場のカフェにでも行き、

「お茶を飲むついでに
 テキストを開く」

ようにしただけで
勉強は始めやすくなるものですね。

…かくいう私も、
365日まいにちのブログ&メルマガ投稿をして6年目になりますが、
毎日書くのはいまだにツライです。

そのため、
ブログを書くのがおっくうになることも
多いです。

そんなときは外のカフェに出かけ、
コーヒーを飲む「ついで」にPCを開き、
ちょこちょことメモ帳アプリに書いていくように
しています。

「あ、この内容でブログを書いたら良さそうだ」
という記述をくっつけてブログ記事にしあげる。

そういうことも多いです。

「よし、ブログを書こう!」
といちいち気合を入れていると
なかなか書き出せないのです。

すべての仕事・すべての勉強を
「ついで」にはじめるという発想。

「とりあえず」でいいからスタートする考え方。

ドゥルーズ(および千葉さん)から
学ぶことは多いな、と思います。

  

今回のポイント


「勉強しよう!」と身構えるとなかなか続かない。
「とりあえず」「ついでに」勉強を始める工夫を。

勉強に「決意」はいらない。「とりあえず」「ついでに」はじめる!


満員電車でなければ
移動のために電車・バスに乗っている時間って
テキストを読み込むのにけっこう役立ちます。
 

これも通勤・移動の「ついで」にテキストを開くので
気合を入れなくても始めやすいからです。 

同様に、カフェでお茶を飲む「ついで」に勉強したり、
家に帰ってお風呂に入る「ついで」に(濡れてもいい工夫をした上で)
本を読んだりするのもいいですね。

ポイントは「よし、●●をしよう!」と
決意をするのにはけっこうエネルギーが必要だ、
ということです。

 

それよりは
「とりあえず」「ついでに」学習を始めてしまったほうが
結果的にはうまくいくものです。

あまり気合を入れることなく
「とりあえず」「ついでに」勉強をスタートする工夫、
考えてみたいですね。
 

ではまた!


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