文献の読解力と論文を書く力が同時に高まる!「仮想敵」を意識すべき3つの理由

今回のポイント
文献を読むなら「仮想敵」を意識する!
自分が論文を書くときも
「仮想敵」を立てると書きやすくなる!

 

「この論文、何を言っているかよくわからない…」ときは?

「この文献、
 イマイチ何を言っているかよくわからない…」

論文などを読んでいて、
こういう思いになること、ないでしょうか?

今回はそういう場合に役立つ
「仮想敵を意識する」発想をお伝えします。

 

 

これを知ると…

・論文の読み方が深まる!

・論文を書く時の方向性が定まる!

・日常生活で書類を書くときにも役立つ!

…などと大変役に経ちます。

 

 

今回の記事で「仮想敵」を意識する大事さ、
学んで頂ければ幸いです!

 

 

早稲田の院で学んだ「仮想敵」を考える大事さ

 

大学院時代、
私の指導教員の吉田先生が
何度となく言っていたことがあります。

 

 

 

それは
「仮想敵(かそうてき)を意識する」
ということです。

 

 

自分が論文を書くときはもちろん、
何らかの論文を読むときも

「誰を仮想敵とするか」

が大事だと何度もおっしゃっていたのが懐かしいです。

 

 

 

仮想敵というのは

「団体や個人が計画などを立てる場合に、
 仮に敵と想定する相手」

のことを言います。

(デジタル大辞泉より
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BB%AE%E6%83%B3%E6%95%B5/

 

 

 

言ってしまえば
「自分が批判したい相手」
のことです。

 

 

ただ、もっと端的に言えば
「誰を納得させたいか」
を意識する、ということでもあるのです。

 

 

論文を書くというのは
すでにある研究に対し批判を示し、
その視点を理解してもらうためにあります。

 

なので、
通常は「これまでの研究」が
「仮想敵」となることが多いのです。

 

仮想敵を意識すると論文は書きやすくなる!

 

 

こういうふうに
「仮想敵は誰か」
「どういう立場の人を仮想敵としているか」
考えてみると、
論文は書きやすくなります。

 

仮想敵を定めると、
「仮想敵に定めた相手は
 どんなことを主張しているか」
を考えることが出来ます。

 

するとその人が行うであろう「批判」を想定して
論を立てることができるようになるのです。

 

 

文献を読むときも「仮想敵」の発想が役立つ!

 

さて、昨日もお伝えしましたが、
私はいまヴィゴツキーというソ連の心理学者が書いた
『「発達の最近接領域」の理論』という本を読んでいます。

 

 

文体は読みやすいのですが、
なかなか読むスピードを上げにくいタイプの本です。

 

 

なのでじっくり毎日読んでいるところです。

 

 

こういう理論書を読むときも
「仮想敵」を考える発想が役立ちます。

 

「この本は何に対して批判をするために書いているか」
「誰を仮想敵と定めているか」を考えながら読むと、
なぜか理解が進むようになるのです。

 

ヴィゴツキーの仮想敵は誰か?

 

いま私が読んでいる
ヴィゴツキーの本は
「ピアジェ派」心理学に対して
批判をするために書かれています。

 

 

当時の心理学では
ピアジェ派が言っていたように
〈学習(発達)は個人の中で起こる〉ことが
着目されていました。

 

 

そうではなく、
他者や周囲の関わり合いによって
学習が進んでいくことが
ヴィゴツキーによって示されたのです。

 

(すみません、心理学は
めちゃくちゃ詳しいわけではないので
説明はこれくらいで…)

 

 

 

…こういう風に
誰を批判しているか、
どんな学派を批判しようとしているかを探ると

「この文献は何を言おうとしているか」

も分かるようになってくるのです。

 

 

 

理論書を読むとき、
多くの場合はただそこに書かれていること「だけ」に
こだわってしまいがちです。

 

それだと、
本筋は見えなくなります。

 

 

そうではなく
「この文献は何に対して批判をするために
書いているか」
を考える癖をつけたほうがいいのです。

 

まさに「仮想敵」を想定するかどうかで
読み方の深さは変わってくるのですね。

 

 

今回のポイント

 

 

今回のポイントです。

 

 

文献を読むなら「仮想敵」を意識する!
自分が論文を書くときも
「仮想敵」を立てると書きやすくなる! 

 

仮想敵の発想は仕事にも役に立つ!

 

この仮想敵の発想ですが、
論文を読み書きするときだけではなく
日常生活でも役立ちます。

 

 

たとえば、
あなたが新製品の企画書を出すとしましょう。

新製品の企画書を出す場合、
これまでの製品とどう違うか、
他社製品と何が違うかを説明する必要があります。

 

 

なのでこの場合、
これまでの旧製品やライバル社の製品を
仮想敵と定めることで説明がしやすくなるわけです。

 

 

このように、仮想敵を定めると
書き方・表現方法が明確になりますね!

 

上司は「仮想敵」である!

 

 

ただ、日常生活のなかでは
「仮想敵」という概念を
すこし広げたほうがいいように思います。

 

 

どういうことかというと、
文字通り「批判をする」相手として
「仮想敵」を考えるのではなく、

「納得させるべき相手」として
「仮想敵」を定めることも必要となるのです。

 

 

 

たとえば上司に出す書類を例にしてみましょう。

 

この場合、
仮想敵として「上司」を定めることができます。

 

つまり、
上司が納得できるように
手を変え品を変え
説明を行うことが必要となります。

 

「仲間」ではなく「仮想敵」と定めよう!

 

ポイントは書類を読む相手を
「仲間」と捉えないこと、です。

 

「仲間」だと考えると
「わかってくれて当然」となります。

 

 

そうではなく
「仮想敵」と考えると
「わかってもらえないのが当然」となります。

 

 

敵を納得させるためには
相手が納得できるよう
根拠立てて説明する必要があります。

 

 

結果的に
上司を「仮想敵」と考えたほうが
納得してもらいやすい書類が作れるのですね。

 

 

 

…さあ、今回は
学術書をモデルにしながら

「仮想敵」

を考える大事さを見てきました。

 

 

この内容、
あなたが論文を読み書きするときだけではなく
日常生活でもお役立て頂ければ幸いです!

 

☆読書術のポイントをまとめました!↓

アウトプットにつながらないインプットは無意味である!フジモト流読書術

 

 

ではまた!


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