多様な価値観のなかでどれを重視していくか。
レベルの高い小論文には「価値観の判断」が
求められている!
目次
大学院入試レベルの小論文で求められるもの
大学院の入試で出題される
小論文試験。
実は大学院レベルになると
単に回答するだけではなく
「なぜその判断をするのか」
という部分が求められます。
大学院レベルでは背後の価値観も問われる。
単に回答するだけではなく、
その背後にある「価値観」も問われるのです。
どういうことかと言いますと、
大学院レベルの論述では
単に問題に関する賛成/反対を述べるだけではなく
「どういう状態が理想なのか」
「何を目指すべきなのか」
などが問われるのです。
多様な価値観が混在する状況で何を重視するか?
例えば、です。
看護の大学院の小論文入試において
「どのようにチーム医療を行っていくべきか」
などという問題が出題される場合があります。
この場合、
単に「患者/家族の意志を汲んでいく」ことだけを
回答に書いても高得点は狙えません。
なぜかと言うと
ある意味「当たり前」だからです。
そのレベルを超えるには
専門看護師(CNS)として
どのような看護を行っていく必要があるか、
チーム医療において
専門看護師はどのような役割を果たすべきか
という「価値観」を示す必要があるのです。
この価値観、
人によっても大きく異なります。
患者/家族からの価値観、
医師の価値観、
看護師としての価値観など、
多様な価値観のなかから
何を重視すべきかを検討していく必要があるのです。
専門看護師に求められる6つの役割
そもそも専門看護師には
次の6つの役割が求められています。
それは
【実践・相談(コンサルテーション)・調整・
倫理調整・教育・研究】
…という6つの役割です。
これらの役割はふつうの看護師であっても
求められることがあるのですが、
より専門の立場から行っていくことが
求められているのです。
特に、専門看護師が関わるケースでは
他の病棟看護師では対応しきれないケース、
言い方を変えると
「手に負えない」ようなケースも時折あります。
看護師が主治医交代を行わせた事例
以前も紹介した『専門看護師の思考と実践』では
看護師が患者の意向をくんで
なんと「主治医交代」まで行った事例が出てきます。
この事例では
末期がんの患者さんが
主治医に対して不信感を持っています。
一方、主治医のほうは
患者が自分に対して不信感をもっているのは分かった上で
「いまのタイミングで主治医を変えると
患者がかえって混乱してしまい、
適切な対応ができないのではないか」
と考えています。
要するに患者の価値観と
主治医の価値観がねじれてしまっているのです。
(主治医のほうも、
別に意地悪で考えているわけではなく、
「患者のためには主治医交代をしないほうがいいのではないか」
と考えているのでなかなかか大変です…)
この状態を
「なんとかする」ために
専門看護師が介入を行った事例が
『専門看護師の思考と実践』に掲載されているのです。
この場合、
いろんな価値観が錯綜しています。
患者からすると
一刻も早く主治医を変えてもらった上で
今後についてを相談したいと考えていますし、
主治医からすると
患者のためには現在の医療体制を継続したほうが
結果的に患者の利益になる、
と考えています。
こういう「相談」「調整」の役割って
なかなか大変です。
だからこそ、
専門看護師の専門性が問われますし、
それが「やりがい」にもつながるわけですね。
…実際の大学院の小論文入試においても
多様な価値観を想定した上で
「どの価値観を優先するほうが
結果的にプラスとなるのか」
を論述で書いていくことが必要となるのです。
今回のポイント
今回のポイントです。
レベルの高い小論文には「価値観の判断」が
求められている!
多様な価値観からどれを優先するかを小論文に書いていく!
実際の現場においては
いろんな当事者が
様々な価値観をもって仕事をしています。
そのため
小論文の論述においても
【多様な価値観のうちどれを取っていくべきか】が
問われているのです。
(実際の小論文の論述では
多様な価値観のうちから
どの価値観を重視するのか、
なぜその判断が妥当だと考えるのかを
論理的に書く必要があります)
このあたり、
なかなか一人では対応しにくいですよね。
だからこそ、
私どものような塾がお役に立てれば幸いです!
ではまた!
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