脳科学から知る効率的学習法!池谷裕二・糸井重里『海馬』




脳科学に基づいた効率的学習法とは?池谷裕二・糸井重里『海馬―脳は疲れない (新潮文庫)』に学ぶ。

勉強する時、「どうやったら効率的に学べるか?」誰しも気になりますね。

私も受験勉強時代、すっごく気になっていました。

ただ、私が大学受験をしていた2006年はまだ「脳科学」はブームになっていませんでした。
自称「脳の専門家」や「心理学者」が、効率的学習法を多数提唱していました。

それらを、当時の私は素直に信じ、あれこれ試していたものです。

役だったものも多いのですが、全然役立たなかったものも多いです。

役立たなかったものの例)
・数字の暗記法
・フラッシュ暗算
・フォトリーディング(本ではやっぱり、身につかない・・・)

社会人になって塾を運営している今、改めて学習法について学び直しています。

最近のお気に入りは池谷裕二さんの本。

東大の若手研究員として数々の脳科学関連書籍を書いてきている池谷裕二さん。

一般向けの本として数多くの人に読まれ、
「脳科学の分野に、池谷裕二がいる!」と知られるきっかけになった本が『海馬〜脳は疲れない』です。

この本、池谷裕二さんだけでなく、コピーライターであり「ほぼ日」の糸井重里さんとの対談本です。

専門家に教わる形の本ではなく、糸井重里さん自身も経験をもとに
「脳って、こうなってるんじゃないか?」と仮説をどんどん出していく、
珍しいタイプの本。

ばんばん専門家に「これって、こうなんですか?」と質問する糸井重里さんの姿がカッコいいです。

人間、専門家に聞くときはただ「拝聴する」「ただ聞く」だけになってしまうもの。

そうではなく、自分なりの考えをぶつけていくのは読み手としてとてもスリリングなのです。

対談中、冷静な池谷裕二さんと感覚・映像の人である糸井重里の違いが浮かび上がってきます。
ですが、その違いがあるからこそ、「本」を作っているというリアリティが伝わってきます。

 

一流の人間は「言語化」がうまい。

まずは、「一流の人間」や「プロ」と言われる人について。

(糸井)ビジネスやクリエイティブの世界で「あの人は、何かをやったなぁ」とまわりに思われている「一級」や「特級」というような人に実際にお会いすると、驚くんですよ。一般的には無口だとかもの静かだと思われているような人が、実際には相当な冗舌なんです。
ぼくの知っているかぎりでは、一流と言われるような人で無口な人って、ひとりもいないんですよ。もう、全員が「おしゃべり」と言っていいですね。(・・・)それはきっと、ものや人との結びつきを絶えず意識している力があるからだと思う。コミュニケーション能力が高いと言いますか。(32ページ)

 

何かに特別秀でている人がおしゃべりというのは、おそらく技やコツを「言語化」出来る力が高い、ということでしょう。

齋藤孝さんも同じようなことを『三色ボールペンで読む日本語』で言っていました。

気付いてメモするとき、人間は「言葉」で書いています。
どれだけ気づき、どれだけ「言葉」にできるかで能力は大きく変わってくるようです。

これは学習のコツでもあります。

記憶をするには「生存のために必要な情報」だと海馬をだませばいい!

受験勉強やテスト前って、覚えないといけないことがたくさんありますね。

その際、闇雲に「覚えよう!」としていませんか。
脳の記憶をつかさどる機関である「海馬(かいば)」の働きを正しく知ると、もっと楽に覚えることができます。

(池谷)つまり、海馬は生存のために必要な情報かどうかを判断して、生前に必要な物を記憶する。(・・・)お勉強の丸暗記をしたいと思えば、そのままでは脳がほしいものではないわけだから、いかに海馬をだませるかが重要になってきます。

(糸井)だますって? つまり……あるものごとを、生存に大事だと思い込むとか?
それ、大事なことですねぇ。受験生とかだったら、今やっている試験勉強がいかに生存に大事なことかについて、うまく自分を納得させられたら勉強がはかどるわけだ。

(池谷)そのとおりです。(152ページ)

 

海馬とは、「タツノオトシゴ」を意味します。
脳の記憶機関である「海馬」が、タツノオトシゴのような形だったことから名付けられました。

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「いかに生存に大事か」を意識しながら意識する。
つまり、「これを覚えないと死ぬ!」「覚えないと寝られない!」というような思いを持つことが必要なようです。

よく、「メモを取らず、この場に頭に叩き込むと意識して話を聞く」という人がいます。

この場でメモが出来ると安心してしまうのを逆手に取り、「今覚えないと二度と思い出せない」という点で「いかに生存に大事か」意識するという方法のようです。

 

変わっていくことこそ、脳にとってもっともいい刺激になる

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頑固な人っていますね。
本書では「頑固さ」は「変化しない」という点で全否定です。

むしろ、脳の「可塑性(かそせい)」という変化可能性を大事にしていきます。

(糸井)今、話を伺っていると、変わることって、だいたいは「いいこと」なんですね。(179ページ)

どんどん外に出て、どんどん変化・成長していく。

その意識があるかないかで、脳の構造は大きく変わってくるそうです。

変化を楽しむ姿勢が必要なんです。

(糸井)天国のイメージって白くてフワフワしているだけだけど、地獄のイメージは、いつでもバラエティに富んでいますもんね。天国はラクで快適なだけで、変化に富んでいておもしろいのは地獄です。ちょっと、開き直っているかなぁ。(284ページ)

逆に、「自分はダメな人間」などと否定的な発言をすると、脳はそれ以上働かなくなります。

(糸井)「俺は馬鹿だから」っていう演歌みたいなセリフを言ったとたんに、すべての可能性が終わっちゃうんですね。

(池谷)ああ、そうですね。言葉によって、自分をそこに固定したことになりますから。そう考えると、言葉ってすごく厄介なものでもあると思う。(294ページ)

よく高校生で「オレ、バカだからわかんない」という人がいます。

自分で言っちゃ、おしまいなんです。

人がいくらそう言っても、自分だけは言わない。

その意識が脳を変えます。

 

勉強するとき、時間を30分で区切れ!

続いて、勉強や仕事をする際のコツの話。

目標は大きく立てるのでなく、小刻みに30分おきくらいでの目標を立てると「達成感」がたくさん味わえます。

脳の働きにもプラスです。

(池谷)達成感という快楽をいかに味わうかというと、「目標は大きく」ではなく、「目標は小刻みに」と心掛けるほうがうまくいくようです。もちろん、大きな目標を持つことは大切なのですが、「今日はここまでやろう」とか「一時間でこれをやろう」と、実行可能な目標を立てると、目標を達成するたびに快楽物質が出て、やる気を維持できます。(226ページ)

 

クリエイティブな力とは「つながりの発見」力だ!

一流の人間・プロとしてクリエイティブな活動をしていく際には「つながりの発見」こそが必要です。

異なるものの間にある「つながり」に気付き、新たな価値を作っていくのです。

 

(池谷)人のプロダクティブな活動はすべて、つながりの発見に根ざしていることが理解できる。幾多の次元で材料を編纂しながら人は生きている。試行錯誤、探求と失敗の繰り返し。人生はいわば編集作業だ。私たちの存在目的の少なくとも一つは、過去の文化を受け入れ、それに付加価値を与え、未来に引き渡すことにあるように感じられる。言葉しかり、科学しかり。だからこそプロセスをたのしまなければいけない。これは人の営みである。(312ページ)

「つながりの発見」をするためには、同じ場所・同じ人と同じような話をするのでなく、外の場所・外の人と違う話をし、価値観を広げていくことです。

自覚して行うか、自分の脳を「ほったらかし」にしておくか。

後ほど大きく変わってくるはずです。

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