社会人としての大学院に入る人は約10%。これって多いの?少ないの?〜国際比較をしてみました〜

今回のポイント
キャリアアップのために進学をするか、どうか。
その際は国内だけでなく
「他国と比べてどうか」という
比較の視点を忘れずに!

 

社会人として大学院に入る人って何人くらい?

 

社会人として大学院に入る人。

 

日本だと年間何人くらいいらっしゃるか
ご存知でしょうか?

 

 

 

 

その数は年間8,000人です。

 

大学院に入る人が
年間約8万人程度なので
約1割です。

 

(調査の仕方や年度によって若干数値が変わりますので、
以下の説明も割り引いて考えてみてください)

 

 

1割というのは多いのか、それとも少ないのか?

 

大学院に入る人のうち、
社会人の人が約1割。

 

この割合って、
はたして多いのでしょうか?

それとも少ないのでしょうか?

 

 

他国と比べるとはじめて違いがわかる!

 

こういう数値を見る際、
日本だけの数字を見ていると
イマイチよくわかりませんよね。

 

 

困ったら国際比較を!

 

一番いいのは「他の国ではどうか」という
国際比較を行うこと、です。

 

それでは
OECD加盟国対象に実施された
データを見てみましょう。

 

 

 

OECDというのは
経済協力開発機構のこと。

 

 

ここに加盟している国=先進国(先進諸国)と
考えていただければ大体あっています。

 

 

OECD調査をもとに
文部科学省が
高等教育の将来構想に関する参考資料
(平成30年2月21日)として
まとめている部分を見ていきます。

【出典】https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/042/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/02/23/1401754_07.pdf

 

 

30歳以上で大学院「修士」課程に入る社会人の割合 国際比較

 

各国の比較がしやすいように
【30歳以上で大学院「修士」課程に入る人の
割合】を見てみましょう。

 

30歳以上で
大学院「修士」課程に入る人の割合で見ると、
日本は12.9%となっています。

 

OECD平均が26.3%なので
日本は
平均よりかなり割合が低いことを
読み取れます。

 

 

日本よりも割合が低い国もいくつかありますが、
世界平均で見るとかなり低いほうだと
言えるのではないでしょうか。

 

(日本より割合が低い国には
スペインやオランダ、ドイツなどがあります)

 

 

25歳以上で大学に入学する社会人の割合 国際比較

 

 

次に社会人として大学に入る人の
割合を見ていきます。

 

 

25歳を超えて大学に入学する人の
割合を見てみましょう。

 

OECD平均が16.8%
となっています。

 

それに対して
日本は2.5%

 

非常に少ない、と言えるでしょう。

(日本より割合が低い国は
OECD諸国ではベルギーしかありません)

 

 

日本は大学・大学院への社会人入学が非常に少ない国だ。

 

こうしてみると、
日本は社会人が大学・大学院に行く割合が
OECD諸国の中では非常に低い、
といえるでしょう。

 

 

高卒後すぐに大学に行く人、
あるいは大卒後すぐに大学院に行く人が中心となっていて、

社会人が再び大学・大学院に行きずらい国だ、
と言えるでしょう。

 

 

思うんですけど、
このままだと日本は世界的にも
立ち遅れてしまうのではないか、と考えています。

 

なぜかと言うと、
AIやらドローンやら、
新技術・新知識などがどんどん出て来ており、
それらに対応するためには

「社会人が大学に入って勉強する」
「社会人が大学院に入って勉強する」

ことが必要不可欠である、と考えるからです。

 

 

そのときに、
「社会人が大学に入る傾向が少ない」
「社会人が大学院に入る傾向が少ない」というのは
良いことだとは言えないのです。

 

 

もっと社会人が学びやすい制度を!

 

いままでは社会に出てからは
大学・大学院に行かなくても
「なんとかなった」かも知れませんが、

今後もこれが通用するかと言うと
必ずしもいい切れません。

 

今後 世界が大きく変化していくことを考えると、
もっと日本でも社会人が学び直しやすく
していく必要があるといえるでしょう。

 

以前書いた「奨学金制度」の拡充など、
やるべきことは多々あります。

 

 

それによって
OECD平均くらいまで
社会人比率を高めていくのが
重要かもしれませんね!

 

 

 

今回のポイント

 

 

今回のポイントです。

 

 

キャリアアップのために進学をするか、どうか。
その際は国内だけでなく
「他国と比べてどうか」という
比較の視点を忘れずに! 

 

 

世界と比較することで、はじめて違いに気づける!

 

大学院進学を考える際、
どうしても「日本国内の視点」で
汲々としてしまいがちです。

 

 

だからこそ

「社会人がいまさら大学や大学院にいくのって
もう遅いんじゃないだろうか…。
それに社会人で入っても
どうせうまく行かなそうだし…」

と諦めてしまいがちな人も
いらっしゃるかも知れません。

 

 

ですがこの考え、
必ずしも正しいとは言い切れないのです。

 

 

今回のように
他国と比較をしてみると
違いが一目瞭然ですね。

 

 

だからこそ
視野を広げて考えてみることをオススメします!

 

(ちなみに、他国と比較するのは
研究の「定番」です。
研究計画書作成時も、
困ったら【国際比較】をやってみましょう)

 

大学院進学は仕事の役に立つ!

 

私としては大学院の修士課程で
「社会学」「教育学」で物事を観る視点や
調査手法・論文執筆手法などを学んでよかった、
と感じています。

 

こういった経験、
学校教員時代も役立ちましたし、
いま独立して仕事をする上でも
大いに役立っていることを実感しています。

 

 

大学院に行くからこそ得られる
経験・知識。

 

 

もっと他の方にも
得ていただきたいなと思っているところです!

 

 

ではまた!


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