書類作成には「記載ミス」がつきもの!
「あと1秒」でいいから見直しを!
目次
ありえない?提出された法案に大量の記載ミスがあった件
法案の記載ミスのニュース、
話題になっていますね。
なんでも、
国会審議に提出された法案に
ありえないほど大量の誤字脱字や
記載ミスが見つかった、
というニュースです。
ちょっと内容を紹介すると…
字句などの記載ミスが見つかったと報告された
・立憲民主党によれば
これまでに法案19本・条約1本で
誤記載や脱字が発覚しているとのこと。
一度にこれほど多くのミスが生じたのは異例、と批判。
・政策研究大学院大学の竹中教授は
「官僚の業務過多や霞が関全体の人材不足が
考えられる」と指摘。
(3/25付 日経新聞朝刊
「法案 記載ミス相次ぐ 与野党ともに批判」より)
国の政策と直結するのが
法律づくり、つまり「立法」の作業です。
こういう大事な「法律づくり」において
記載ミスがあるのは大問題と言えるかもしれません。
記載ミスにはどんなものが?
ニュースで報道された
記載ミスの一覧を見てみましょう…。
○「産業競争力強化法改正案」のミス
▼正「もししは」
→誤「もししくは」
☆けっこうやりがちなミスです…。
でもワードだと下に波線がついて指摘してくれることも多そう…。
▼正「認定事業再編事業者」
→誤「認定事業事業再編者」
☆「事業」と「再編」が逆です。
日本語入力が落ちている?ありえないミス
このあたりは「うっかりミス」と言えますが、
個人的に気になるのは次のミス。
○「デジタル改革関連法案」のミス
▼正「地縁」
→誤「地緑」
「緑」(みどり)と「縁」(えん)。
これ、よく似ています。
ただ、このミスは相当深刻なように思います。
なぜかと言うと、
「日本語入力的に、
このミスは発生しようがない」
からです。
「地縁」が「遅延」や「知縁」などとなっていたら
まだわかります。
なぜ「緑」なのか…。
3つ理由が考えられます。
(2)誰かに指摘してもらうために (3)PDFデータをOCR読み込みする際に
「適当に書いてしまった」
あえて「緑」を混ぜた
データの確認をせず提出してしまった
(2)が原因だとすると
ちょっと「闇」を感じてしまいます。
(1)が原因の場合、
話は深刻です。
法案作成者、
あるいは法案をチェックする側の
日本語力低下が疑われるからです。
カナダ軍・英国軍という困ったミス。
さらに
問題なミスがありました。
それは
「防衛省設置法改正案」において
「カナダ軍」が「英国軍」となっていたところ。
ここのミスは「誤植」レベルではなく
相当深刻、といえるでしょう。
ただですね。
いま誤植がわかってよかったなあ、
と逆説的に感じます。
法案が通った後なら
大問題になっていたかもしれないからです。
(「カナダ軍」「英国軍」のミスなら特に…)
ミスを防ぐためには「あと1秒の努力」を!
ちなみに私は
企業や団体職員の方を対象に
「文章作成能力向上講座」
の講師を担当しています。
その一例として、
2021年度も
「札幌商工会議所ビジネスセミナー」で
「今日から使える!伝わるビジネス文書&メールの書き方講座」
講師を務めます(5/14開催です)。
☆詳細はこちら↓
こういう研修をする際に必ずお話しているのは
「文章を出す前には【あと1秒の努力】を忘れずに!」
ということです。
文章を書いたら、
誰かに読んでもらう前に
「あと1秒でいいから読み直す」
ことが大事ですよ、とお伝えしています。
何かというと、
「あと1秒」でいいから見直しをすることで
気付けるミスも多いからです。
あと1秒、見直しをしていたら
気づけたミスって意外と多いんですよね。
特に、メールやメッセンジャーの場合
送った「瞬間」に
「あ、送り先間違えた…」
「この内容、間違いだった…」
と気づくことがけっこう多いのです。
国会で通す法案のミスも、
結局は「あと1秒の努力」をするかどうかに
かかっていた、と言えるでしょう。
…かくいう私も
ブログや資料の誤字脱字を防ぐため
「あと1秒の努力」
を心がけたい、と思っています…。
時間があるときは「音読」も!
なお。
「あと1秒」と言わず、
もっと時間があるときは
「書いた内容の音読」まで出来たら最高ですね。
音読してみると
いつもより注意して
書類の内容を確認するようになります。
音読すると
「地緑」か「地縁」かのミスにも
気づきやすくなるはずです。
(「カナダ軍」「英国軍」のミスも…)
今回のポイント
今回のポイントです。
「あと1秒」でいいから見直しを!
日本国憲法にも誤植がある!
ちなみに…。
あまり知られていませんが
現行の「日本国憲法」にも誤植がある、
といわれています(笑)
憲政史家の倉山満さんが言っている内容なのですが
憲法第七条四号に
「誤植」があるそうです。
憲法第7条はこういう内容です↓
国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を交付すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
(以下略)
この文章のどこか「誤植」かというと
四号の「国会議員の総選挙」の部分です。
正確には「総選挙」ではなく
「選挙」としなければならないのです。
どういうことかと言うと…。
国会議員は
衆議院と参議院に別れています。
参議院は半数ずつ3年に1度改選があります。
衆議院と参議院の解散を行っても
「参議院の半数」は残るので
「総選挙」
にはならない、ということです。
もう少しまとめると、
衆議院には「総選挙」があっても、
参議院には「総選挙」はありません。
なので天皇が国事行為として
「国会議員の総選挙」を行うのは
理論上不可能なのです。
…こういう内容を見てみると、
「憲法を作ったときに
気づけていればよかったのになあ」
と思ってしまいます。
これも「あと1秒の努力」が必要ですね!
ともあれ、文章を書いた後は
「あと1秒でいいから読み直す」という
【あと1秒の努力】を実践していきたいですね!
☆「あと1秒の努力」の詳細はこちらもどうぞ↓
ではまた!
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