因果関係とは、原因→結果の関係のこと。
説明の際、因果関係が逆になっていないか注意しよう!
目次
読んでいてどうも引っかかる…。
「それ、因果関係の方向が
逆ではないですか?」
私、本を読んでいて
どうも「ひっかかる」ことが
多いんです。
厳密に考えると
「ん?この説明、違うんじゃない?」
と気づくことが多いんです。
「この文章、
なんか違うんじゃないかな?」
そう疑問に思うことが多いのですね。
私って、
イヤな読者ですよね 笑
キャッシュレス決済だとお金が貯まる?
たとえば、さいきん話題の
「キャッシュレス決済」についての
文章でもそう感じました。
次の説明を読んで
どう思いますか?
「キャッシュレス化したほうが
実はお金はたまります。なぜかと言うと、
ある調査では
普段からカードやQRコード決済など
キャッシュレス決済をしている人のほうが、
普段 現金決済をしている人のよりも
貯金額が多い、というデータがあるんです。つまり、
キャッシュレス化することで
お金を大事にする意識が高まるため
お金も貯まりやすくなるのです」
どの本からの引用かを言うと
その人への「批判」のように思われるので
私の言葉でまとめてみました。
この説明、
読んであなたはどう感じるでしょうか?
「ふ〜ん、そうなのか!
じゃあ現金払いよりも
キャッシュレス化をすすめるほうが
お金が貯まって良さそうだ!」
こう考えた人はいないでしょうか?
…実はこの解釈、
大きく間違っています!
にもかかわらず、騙されてしまう人が
多いのですね。
この説明、どこが間違っているかと言うと、
「因果関係が逆になっている」
ということです。
用語から細かく説明していきますね。
因果関係とは何かをカンタンに説明します!
因果関係というのを
ものすごく簡単に言うと
【原因と結果の関係】ということです。
原因の「因」と
結果の「果」をとって
「因果関係」というのです。
因果関係とは何かというと、
【原因が起きて結果が起きる】、
という関係性があるということです。
図で書くと、
↓
結果
という関係性です。
例えば、次の文章を見てください。
「寝坊したから、会社に遅刻した」
イヤな状況ですね 笑
この文章を図で書きましょう。
↓
結果:会社に遅刻した
こういう関係になります。
原因→結果の関係ですね。
これ、「会社に遅刻した」から「寝坊した」とは
言えないですよね 笑
時系列が逆です。
つまり、この
「寝坊したから、会社に遅刻した」
という文章には
原因→結果という因果関係が
成立しているわけです。
ここまでいいでしょうか?
冒頭の文章はなぜ間違いか
では冒頭の文章に戻ります。
冒頭の文章を
因果関係の図に示すとこうなります。
↓
結果:貯蓄額が高まる
こういう図式を想定していることが
わかります。
でも、ちょっと待ってください。
これ、逆も成立するのではないでしょうか?
キャッシュレス決済、
つまりクレジットカードやQRコードで
支払いをする場合、
「貯金」をしていないと
支払いに困りますよね。
銀行口座などにお金を
あらかじめ入れておかないと
キャッシュレス決済なんてできないわけです。
一方、
現金払いの場合は
「貯金」をしなくても
支払いができます。
つまり、銀行に預金を多めにしていないと
キャッシュレス決済はできない、というわけです。
…ということは
因果関係の方向性が逆でも
成立するのですね。
本当なら、
このような関係になるはずです。
貯蓄を増やす
↓
結果:普段からキャッシュレス決済をする
つまり、原因と結果の取り違えをしている、
ということになるのですね。
こういう説明をしてしまうと、
読み手は納得しないですよね。
だからこそ、
「原因と結果の取り違え」に
注意する必要があるのです。
冷静に紙に書いて考えてみると、
こういう「因果関係の方向性が逆」
であることに気づけます。
ですが、
多くの人は騙されてしまいがちです。
現に、私が今回紹介した文章は
ちゃんとした出版社から出た書籍です。
ちゃんとした出版社から出るということは
編集者によるチェックが厳しく入っている、
ということです。
ということは、
【編集者がこのミスに気づかなかった】、
ということを意味します。
今回に限らず、
因果関係が逆になっている文章を
よく見ることがあります。
特に小論文の添削をする場合に
強く実感します。
「因果関係、逆になっていないか?」
これを意識してみてくださいね!
今回のポイント
今回のポイントです。
因果関係とは、原因→結果の関係のこと。
説明の際、因果関係が逆になっていないか注意しよう!
・・・・・・・・・・・・・・・
読み手に違和感をもたせてませんか?
因果関係が逆になっていると、
読んでいる人が
「なんか、おかしいな・・・?」
と違和感を覚えます。
違和感を覚える文章を読んで
説得される人はいません。
だからこそ、
自分の説明の際、
因果関係が逆になっていないか
注意が必要ですね!
なお、今回は省略しますが
「因果関係の飛躍」や「因果関係のねじれ」など、
因果関係にまつわる部分で
書き間違えている人は多くいらっしゃいます。
「自分が主張する
因果関係ははたして正しいか?」
これを考えるようにしてみてください。
ではまた!
☆文章力アップ直結!
「作文の書き方100のコツ」もご覧ください↓
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