作文の書き方99 頭の悪い文章を書かないために、事実と解釈を区別せよ!

今日のポイント
文章を書く時、
「事実」と「解釈」を区別せよ!
混ぜて書くと頭の悪い文章になる!

 

文章を書くのって、
多くの人が無意識的に行っています。

 

あまり考えずに
どんどん文章を書いていくのです。

 

 

その結果、
あまりにグチャグチャな文章を書く人がいます。

 

 

こんな感じですね↓

  やっぱり今って
児童虐待が増えているから
危ないよね。
だって児童虐待の通報件数って
10年前に比べて
3倍以上になっているそうですよ。

今どきの親って、
きっと何か問題があるのでしょうね。 

 

いかがでしょうか?

 

…キョトンとしている人もいますが、
この文章、けっこう問題があるのです。

(この文章のどこに問題があるかを
この後の記事でお伝えしていきますね!)

 

 

こういう感じの文章、
Facebookにもたまに
書く人がいますね。

 

また政治ネタを扱ったブログで
ダラダラ書いている人がいます。

 

 

私、こういう感じの文章、
嫌いなんです。

なぜかというと
頭が悪い感じがするからですね。

 

 

なぜ頭が悪い感じがするかと言うと、
「事実」と「解釈」が
グチャグチャだからです。

 

 

事実と解釈を分けて書かないと、
頭が悪い文章に見えてしまうのです。

 

「事実」と「解釈」を分けよ!

 

 

文章を書く時、
絶対に分けなければならないことが
あります。

 

それが「事実」と「解釈」です。

 

 

事実というのは
データや経験など
実際にあったことです。

一方、
解釈というのは
事実をどのように自分が捉えるか、
ということです。

 

 

両者は似ているようで
全く違います。

 

 

事実を否定することはできませんが、
解釈というのは人によって様々なのです。

 

 

例えば、小学校の行事で
遠足に行ったとしますね。

遠足の後、
感想文を書かされます。

この時、
「遠足に行った」
「遠足でお弁当を食べた」
「遠足で◯◯に行った」
というのは「事実」です。

 

遠足に行った際
「とても楽しかった」
「お弁当が美味しかった」
「思い出に残った」
というのは「解釈」です。

 

 

ここまで、いいですね?

 

 

あなたは遠足で
遠足に行ったとき、
お弁当を途中で落としてしまった。

ご飯に土がべっとりとくっつき、
食べられなくなってしまった。

 

こういう経験をしたら、
どう感じます?

 

 

…すっごく切ないですよね。
みじめになりますし、
「もう遠足なんか、二度といきたくない!」
と思う人もいますよね。

 

 

この「切ない」「みじめ」「二度といきたくない!」
というのは「解釈」です。

 

 

つまり、
遠足でお弁当を落としたという「事実」を元に、
「切ない」「みじめ」「二度といきたくない!」という
「解釈」を行っているわけです。

 

 

流れとしては
「事実」→「解釈」という
対応関係になっているわけです。

 

 

事実と解釈は対応させる必要があります。

 

 

つまり、
セットで書く必要があるのです。

 

 

ところが文章を書く際、
「解釈」しか書かない人がいます。

 

 

「日本の治安は悪くなっている」
「いまの親は悪くなっている」
「いまの政治は悪い」

これだけしか、
書かない人がいます。

 

これは単なる「解釈」です。

どういった「事実」から
「解釈」を引き出したか、
書かないとわかりません。

 

 

遠足の例に戻ります。

 

遠足の感想文の中で
一人だけ
「もう二度と遠足になんか
 行きたくない」
という内容が書かれていると
教員はビックリします。

 

 

書いた子どもは
「弁当を落としたから、
もう二度と遠足になんかいきたくない」
という解釈を書いています。

 

ところが、
「弁当を落とした」という
事実を書かなければ
読み手の頭に「?」が
浮かんでしまうのです。

 

 

つまり、何らかの主張・意見(解釈)を言うためには
データ・経験のような事実を書く必要がある、
ということなのです。

 

「事実」は誰も否定できません。

「遠足でお弁当を落とした」
という事実に対し
「いや、そんなことはなかったよ」
と事実を否定することは出来ないわけです。

 

 

 

でも。

 

遠足でお弁当を落としたという事実の
「解釈」は無数にあります。

「もう二度と遠足になんか行きたくない」
というのも解釈の1つです。

また
「お弁当を落としたけど、
 全体を通してみたら
 遠足は楽しかった」
というのも解釈の一つです。

 

 

解釈は人それぞれなのです。

 

 

だからこそ
文章で人を納得させるには
「事実」と「解釈」をセットにして
示す必要があるのです。

 

 

冒頭の文章は何が問題なのか?

 

ここまで見た上で、
再び冒頭の文章を見てみましょう。

  やっぱり今って
児童虐待が増えているから
危ないよね。
だって児童虐待の通報件数って
10年前に比べて
3倍以上になっているそうですよ。

今どきの親って、
きっと何か問題があるのでしょうね。 

 

この文の問題点は
「事実」と「解釈」が
グチャグチャな点なのですね。

 

 

「児童虐待が増えている」というのは
「児童虐待の通報件数が
3倍以上になっている」という「事実」の
「解釈」です。

 

この解釈、実は間違いなんです。

 

通報件数が増えているのは
これまで隣の家の子どもが
夜通し泣き通していても
通報されていなかった、
というだけかも知れません。

 

虐待の通報は増えていても、
それだけをもって
虐待が増えているとは言えないのです。

 

つまり、「通報件数が増えている」
というのは事実ですが、
そこから「児童虐待が増えている」
というのは必ずしも正しい解釈では
無いわけです。

 

その上で、
「今どきの親って、
 きっと何か問題があるのでしょうね」
という「解釈」をしています。

 

この「解釈」は
それまでの文章を元にしています。

 

先程も見たように、
「通報件数が増えている」
という事実からの解釈が
必ずしも正しいわけではありません。

 

そのため、

  今どきの親って、
きっと何か問題があるのでしょうね。 

という「解釈」には
問題があるのです。

 

 ☆ちなみに児童虐待について、
  私は先日 北海道の児童相談所に
  見学に行っています。
  その内容をまとめた記事もあるので
  ご覧ください↓

今日のポイント

 

今日のポイントです。

・・・・・・・・・・・・・・・
文章を書く時、
「事実」と「解釈」を区別せよ!
混ぜて書くと頭の悪い文章になる!
・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

事実と解釈の違いを学ぶため、新聞に線を引こう!

 

事実と解釈って、
異なるんです。

 

ちょうど先日はこれをテーマに
授業をしました。

中学生たちを対象に、
新聞を用いた講座を行ったのです。

新聞記事の内容から
「事実」と「解釈」を分けていくのです。

 

 

「事実」の部分に黒線
「解釈」の部分に赤線を引いていきます。

 

すると、
新聞の記事によって
「解釈」の量は全く違うことが
わかります。

 

ふつうの報道記事は
「事実」がほとんどです。

何か事件があった場合、
事件のあった日時・場所などは
「事実」そのものです。

 

ですが、「社説」や「意見記事」は
「解釈」が半分以上を占めます。

 

 

赤線が大量に引かれて
真っ赤になります。

 

 

なにか事件があったことを受け
「子どもの心の闇」やら
「日本経済の低迷」やらの
「解釈」が語られます。

 

 

私は受講生に
「この解釈は何の事実を元にしているのかな?」
と質問していきました。

 

だいたいは新聞記事の中に
「事実」があるのですが、
中にはまったく「事実」に基づかない
「解釈」も書かれているのです。

 

 

事実と解釈は違う。

このことを中学生たちと
学んでいったわけです。

 

 

これを知っておくと、
SNSに頭の悪い投稿をしなくて
良くなります。

(Amazonのレビューに、
「事実」に基づかない
「解釈」ばっかり書く人もいますよね)

また、小論文や報告書の
クオリティーがグッと高まります。

 

なにか主張(解釈)をするには
「事実」を示す必要があることに
気づけるからです。

 

ぜひあなたも
新聞記事を用意して
事実に黒線
解釈に赤線を引いてみて下さい。

 

記事によって
赤線の多さが全く違うことに
気づけるはずです。

 

この作業をすることで
「事実」と「解釈」を
きちんと区別することの大事さを
学ぶことが出来ます。

 

このことが
わかりやすい文章を書く
第一歩となるのです。

 

お手すきのときでかまいませんので、
ぜひやってみてくださいね!

ではまた!

☆今回のように「作文の書き方」を
100本以上まとめています!

「もっと書き方を学びたい!」

という方はこちらをどうぞ。

知るだけで文章力がアップする!作文の書き方100のコツ

 


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