「ご乗車される」はなぜ間違い敬語なのか?余計な「ご」「お」をつけて間違い敬語になってしまうのを防止する方法!


今日のポイント
【要注意!】余計な「お」や「ご」をつけることで、
間違い敬語になってしまいます!

 

札幌地下鉄のなかで、
ちょっとした事件がありました。

車内のアナウンスに耳をすますと、
次の内容が流れていました。

   「ご乗車されたあとは中ほどまでお進みください」

こんなアナウンスです。

 

一瞬、私は焦りました。

   「これ、間違い敬語だ…!」

そう気づいたのです。

 

とっさに、私はまわりを見回しました。
他にも気づいている人がいないか、気になったのです。

 

ところが。

周りの人は普通の顔でいます。

横にいた人と目があい、
ちょっと気まずくなってしまいました。

 

気づいたのは私だけなんだろうか…。

疑問が浮かびました。

 

実は、
「ご乗車されたあとは」という言い方は

間違い敬語です。

 

何故かと言うと、
「ご乗車された」という言い方は
謙譲語になるからです。

 

 

今回、この事例を元に
敬語について解説していきますね!

 

●●敬語の難しい点は「お」と「ご」にある!●●

 

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つがあります。

厳密には「丁寧語」は「美化語」に、
「謙譲語」は「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」に分けることが出来ます。

 

専門的になってしまうので、今回は
「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つで解説します。

 

尊敬語とは?

 

「尊敬語」というのは
「相手の動作」について言う敬語です。

 

例えば、
「食べる」を「尊敬語」で表すとどうなるでしょうか?

「召し上がる」になりますね!

「召し上がる」という時、
食べるのは相手です。

 

例)社長が夕食を召し上がる

こういいますよね。

「召し上がる」以外にも
敬語での表現の仕方があります。

1つには「食べられる」のように
「れる/られる」を追加する方法です。

例)夕食を食べられる

「れる/られる」だけだと違和感もありますが
これでも「尊敬語」です。

 

同様に「される」という言い方があります。

例)社長がゴルフをされる

これも「尊敬語」です。

 

他にも、
「お食べになる」という
書き方もあります。

「お〜になる」という言い方です。

正式には
「お〜になる」「お〜なさる」
「ご〜になる」「ご〜なさる」
という表し方をします。

 

例えば、
「呼ぶ」は
「お呼びになる」という言い方になります。

 

謙譲語(けんじょうご)とは?

 

さあ、尊敬語について見てきました。
尊敬語は「相手の動作」を言うものです。

 

では自分の動作はどうやって表すのでしょうか?

 

それが「謙譲語」です。

「謙譲語」は「自分の動作」を表す言葉です。

たとえば「食べる」を「謙譲語」で表すと
どうなるでしょうか?

これは「頂く」になります。

 

「食事をいただく」という場合、
食べるのは「自分」(および身内の人間)になります。

 

自分の動作を表すのが「謙譲語」なのです。

 

謙譲語にもいろんな表し方があります。

例えば「聞く」の謙譲語はどうなるでしょうか?

「聞く」の謙譲語は「伺う」です。

 

この時、「伺う」のは当然
「自分」(および身内の人間)になります。

 

他にも、「見る」は「拝見する」と書くと
謙譲語になります。

 

謙譲語での表し方は他にもあります。

たとえば、「お〜する」「お〜いたす」です。

 

「聞く」を別の表し方で書いてみましょう。

はい、「お聞きする」という言い方が
できますね!

 

「お聞きする」と書く時、
「聞く」のは「自分」(および身内の人間)です。

 

「お〜する」「お〜いたす」以外にも、
「ご〜する」「ご〜いたす」と書くことも出来ます。

 

たとえば「報告する」は
「ご報告する」ということが出来ますね。

 

 

 

ここまでいいですよね。

謙譲語は自分の動作を表す言葉です。

 

謙譲語には「伺う」「拝見する」のように
特別な言葉を使うものもあります。

また、「お〜する」「お〜いたす」のように
表記することもできました。

 

丁寧語・美化語とは?

 

また、尊敬語・謙譲語とは別に
単に言葉を丁寧にする言い方があります。

それが「丁寧語」です。

 

「丁寧語」は
「です」「ます」「ございます」をつけるだけ、です。

☆この文章も、「です」や「ます」を使っているので
「丁寧語」を使用しています。

 

また、水を「お水」や「おひや」ということがあります。

言葉に「お」や「ご」をつけて表記する
美化語という敬語もあります。
(丁寧語に含まれる、という説明がされることもあります)

 

 

ここまで見てきましたね!

ここで注目いただきたいことがあります。

それは「お」や「ご」がつく言い方が
【3つ】もあることです。

もう一度、見てみましょう。

●「お」「ご」がつく敬語

  (1)尊敬語「お〜になる」「お〜なさる」
  「ご〜になる」「ご〜なさる」

  (2)謙譲語「お〜する」「ご〜いたす」
  「ご〜する」「ご〜いたす」

  (3)美化語「お」「ご」 

 

さあ、いかがでしょうか?

長々と文法について説明してきましたが、
いよいよ冒頭の文章に戻ります。

 

冒頭の文章をもう一度見ましょう。

   「ご乗車されたあとは中ほどまでお進みください」

この言葉を、地下鉄の車掌さんがアナウンスしていました。

 

車掌さんが、お客に対して言っています。

車掌さんからすれば、お客に対して言う言葉なので
「尊敬語」で伝えるべき言葉です。

 

実際「乗車された」というのは「尊敬語」です。
「乗車される」という表し方が「乗車された」と
変化しているだけなのです。

 

ここまではいいですね!

「乗車された」は正しい敬語です。

ところが、「乗車された」の前に
「ご」がついています。

 

この言い方が、実は問題なのです。

 

「ご乗車された」という言い方を
見てみてください。

「ご乗車された」を言い換えると、
「ご乗車する」になります。

「ご乗車する」の「する」が変化して
「された」に変わっているのです。

謙譲語には「ご〜する」という言い方がありました。

…ということは、
「ご乗車された」というのは謙譲語になってしまうのです。

 

謙譲語は「自分の動作」について言う言葉です。
…ということは、
お客に対して謙譲語で話しているわけです。

 

たいへん失礼なのです!

 

 

ただ、車掌さんは意図的に謙譲語を話したわけではないでしょう。

敬語を使おうと思い、
「ご」をつけて話していました。

その上で、尊敬語にするため「〜される」と言うことで
尊敬語にした「つもり」でした。

 

実際、「乗車されたあとは」という言い方は
尊敬語です。

 

 

でも、うっかり余計な「ご」を
つけてしまいました。

 

余計な「ご」のせいで
尊敬語の「乗車された」が
謙譲語の「ご乗車された」に変化してしまったのです!

 

どうやって直す?

 

ではどうすればいいのでしょう?

1つ目のやり方は、余計な「ご」を消すことです。

直した例1)
「乗車されたあとは」

2つ目のやり方は、謙譲語の「お〜する」を
尊敬語の「お〜になる」「お〜なさる」に書き換えることです。

直した例2)
「ご乗車になったあとは」
「ご乗車なさったあとは」

 

いかがでしょうか?
スッキリした敬語になりました!!!

 

車掌さんはこう言えば良かったんですね!

ここで考えるべきことがあります。

それは、なんでもかんでも
「ご」や「お」をつけてはいけない、
ということです。

 

敬語にするつもりで「お」や「ご」を
つけたせいで、謙譲語になってしまうことがあるのです。

 

そんな例を紹介します。

●余計な「お」「ご」のせいで謙譲語になってしまった例

・私にご提出して下さい。

・小社のサービスをご活用して下さい。

・小社のサービスをご利用できません。

・ご乗車できません 

 

これはすべて余計な「ご」のせいで
謙譲語になっていしまいました。

 

正しい敬語に直してみましょう。

●直した例

・私にご提出して下さい。
  →「私に提出してください」

・小社のサービスをご活用して下さい。
  →「小社のサービスを活用してください」
  →「小社のサービスをご活用になってください」

・小社のサービスをご利用できません。
  →「小社のサービスを利用できません」
  →「小社のサービスをご利用になれません」

・ご乗車できません
  →「乗車できません」
  →「ご乗車になれません」

このように、余計な「ご」を消す方法と
尊敬語の「お〜になる」「お〜なさる」
「ご〜になる」「ご〜なさる」に直す方法の
2つのやり方があります。

 

あなたが普段話す敬語、
よけいな「ご」や「お」を入れていないでしょうか?

 

不安な際は一度
自分の話す口調に
注目してみてくださいね!

 

このような内容で実施した
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http://nomad-edu.main.jp/www.school-edu.net/post_lp/manner

 

ぜひこの記事を参考に、
敬語力を付けてみてくださいね!

ではまた!


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