知識量を減らせば思考力は上がる?ニセの二項対立に注意せよ!

今日のポイント
ニセの二項対立に注意せよ!

 

日経新聞に、こんな記事がありました。

【高校歴史「用語半減」を 暗記よりも思考重視】
という記事です。

高校の日本史、世界史で学ぶ
用語を現在の半分弱の
1600語程度に減らすべきだ
というする提言案を
高校、大学の教員団体がまとめた。

暗記事項を絞り、社会の成り立ちを
流れで学ぶ歴史教育を重視する。

歴史上の人物では坂本龍馬や
上杉謙信らも削減対象とされており、
教科書会社などの対応が注目される。
(11/19 日経新聞朝刊)

 

要するに、
「思考力を付けるため、
教科書に載せる知識を減らす」
というものです。

 

記憶量・知識量を減らせば
思考力(考える力)が高まる、
と期待されています。

 

こういう論の立て方、
私はキライです。

 

どういうことかというと、
「ニセの二項対立」
で書いているからです。

 

 

新聞記事では
「知識」と「思考」が
別物であるかのように扱われています。

 

「知識」と「思考」は
対立しあっているように書かれています。

 

「知識」量を増やせば「思考」力が下がる。
反対に、
「知識」量を減らせば「思考」力が上がる。

 

そう考えられているのです。

 

 

知識と思考は対立し合う。
だから知識量を減らせば思考力が高まる。

 

読み手に
そう解釈をさせています。

 

 

これ、大きな誤解です。
端的に言えば、「間違った図式」です。

 

考えてみればわかりますが、
頭のなかが空っぽなら(「知識」がなければ)、
なにかいい考えが思い付く(「思考」力) ではありません。

 

反対に、
「知識」量があれば
「思考」力が下がるわけでもありません。

 

「知識」と「思考」、
この2つは本来
「対立」するものではないのです。

 

にも関わらず、
この新聞記事では
本来対立しない
「知識」と「思考」が
対立しあうように書かれているのです。

 

こういうものを
「ニセの二項対立」というのです。 

 

世の中、
実は「ニセの二項対立」
ばかりです。

 

例えば、
「仕事」と「家庭」という
言葉があります。

 

これ、よく使われてますね。

 

「仕事が忙しすぎて、
家庭をおろそかにしている」という言い方って、
よく聞きます。

 

でも、これ必ずしも正しいことではないですね。

だって、
「仕事」に熱中すれば
必ず「家庭」がおろそかになるわけではないからです。

 

逆に「家庭」に集中しすぎて
「仕事」がおろそかになるかというと、
そんなことはありません。

 

つまり「仕事」と「家庭」は
ニセの二項対立なのです。

 

それなのに
「仕事」と「家庭」が
さも「両立不可」であるかのように
言ってしまうのはおかしいことなのです。

 

あなたが書く文章も、
「ニセの二項対立」が
書かれていないでしょうか?

 

十分に気をつけてみてくださいね!

☆「二項対立」を使う文章の書き方は
こちらも参考にしてみてください。

 

ではまた!


☆メルマガ登録後1通目が届かない場合はこちらをご確認ください。
メールが届かない場合

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください