タイトルがバカっぽく見えるあの本。修飾語の並べ方が悪いと「ハーバード」も「スタンフォード」も台無しな件。

今回のポイント

修飾語、変なところにかかっていませんか?
人に見てもらう前に読み直して修正を!

ビジネス書のタイトルに違和感…。

私、けっこうビジネス書を読むのが好きです。



好きなのですが…。

 

タイトルに違和感を覚えるときが
時折あります。

海外、特に「ハーバード」とか「スタンフォード」とかが
ついた本の「タイトル」に違和感を覚えるのです。

『ハーバードの美意識を磨く授業』

たとえば、です。

 

『ハーバードの美意識を磨く授業』という
タイトルの本があります。

これ、ふつうに見ると
「ハーバードの美意識」という言葉があり、
「ハーバードの美意識」を磨く授業、
というふうに読めてしまいます。

本来的には
「美意識を磨くハーバードの授業」、

あるいは
「ハーバード大学で大人気!
 美意識を磨く授業」

などとしたほうがわかりやすいです。

『スタンフォードの自分を変える授業』

同様に『スタンフォードの自分を変える授業』という本にも
違和感を覚えます。

これも「スタンフォード(大学)の自分」を変えるための授業、
と読み取れてしまうのです。

スタンフォード大に在学している人限定で
「スタンフォードの自分」というものを
変えていくための授業、
であるように解釈できるのです。

 

この場合も
「自分を変えるスタンフォードの授業」、

あるいは
「スタンフォード大で教えている、
 自分を変える授業」

などとするほうが意味が伝わりやすいですね。 

修飾語の置き場所で誤読が発生する!

いずれも
「ハーバードの」や「スタンフォードの」という修飾語の
置き場所がまずいせいで
誤読しやすくなってしまっているのです。

 

 

では、修飾語ってどうやって並べれば良いのでしょうか?

 

そんなときに役立つ本があります。

それが、
『日本語の作文技術』という
作文教育の「名著」です。

この本、日本語で文章を書く際に
知っておくべきルールがまとめられている名著です。

『日本語の作文技術』のなかでも「白眉」といえるのが
「修飾語の並べ替え」のルールです。

これは日本語で文章を書くときに役立つ
「修飾語のルール」をまとめたものとなっています。

修飾語の並べ方の基本ルールとは?

「修飾語の並べ替え」をする際、
基本となるルールは次の2つです。

 

第一原則:「節を先にし、句を後にする」
第二原則:「長い修飾語は前に、短い修飾語は後ろに」

この2つのルールです。

 

節というのは主語+述語をもつ
「文章」のような修飾語のことを言います。

たとえば「自分を変える」という言葉は
「自分」(=主語)と「変える」(=述語)の組み合わせで
できています。

 

このような主語+述語のような構造を持つ語句を
「節」といいます。

 

一方、「スタンフォードの」のような短い語句を
「句」といいます。

「自分を変える」という「節」の部分を先に書き、
「スタンフォードの」という「句」の部分を後に書く。

そうすると
「自分を変えるスタンフォードの授業」という
タイトルになります。

こうしたほうが
誤読しづらくなり、意味が正確に伝わるようになるのです。

 

 

第一原則を使った後、
第二原則をもとに
「長い修飾語」があればそれを前に持っていくと
わかりやすく文章を書くことが出来るのです。

(ただ、ぱっと見ると「自分を変えるスタンフォード」と 
 見えてしまうので
 個人的には

 「自分を変える!スタンフォードの授業」

 などと文章を区切ったほうがわかりやすくなるように思います)

 

やっぱり違和感!『ハーバードの〜』「スタンフォードの〜』シリーズ

ただ。

出版界って似たようなタイトルが多いので
やっぱり違和感ですね。

フジモトの選んだ「違和感」タイトル

私が違和感を覚える本のタイトルを
ざっと書いてみたいと思います。

片っ端からリストアップすると次の通り↓

・『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』:
なんだかスタンフォード大は異常にストレスが強く、
それを「力に変える」教科書のように見えます。

(今回扱ったタイトルの中で
 いちばん誤読しやすいのはこのタイトルだと思います)

・『ハーバードの自分を知る技術』:
 ハーバード大学に通っている「自分自身」を知る技術?

・『ハーバードの 人の心をつかむ力』:
 ハーバード大学学生限定の「人の心」を掴む力?

  ☆厳密には『ハーバードの 人の心をつかむ力』が正式名称のようです。
   「ハーバードの」のあとにスペースが有るのですね…。

・『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』:
 これもハーバード大学の人限定で人生が変わるような印象です

・『スタンフォードの「英語ができる自分」になる教室』:
 これは誤読しにくくはなっていますが、
 【スタンフォードの「英語ができる自分」】という部分、
 一見すると何のことかわかりずらいです。

 なので
 【「英語ができる自分」になるスタンフォードの教室】
 とするほうがわかりやすいです。

…こういうふうに色々ツッコミを入れてはいますが、
この本の中には私が読んだことがあるものも多いですし、
いずれも名著です。

ただ、タイトルが
(有り体に言えば)バカっぽく見えてしまうのも
事実なのですね…。

どうせなら「ハーバード大学直伝!」とか
「スタンフォード大学流!」とするなど
二文に分けて書いてほしいなあ、
と思っているところです。

 

今回のポイント

修飾語、変なところにかかっていませんか?
人に見てもらう前に読み直して修正を!

今回はビジネス書によくあるタイトルについて
見てきました。

「ハーバードの」「スタンフォードの」という
修飾語から始まる場合、
誤読しやすくなってしまいがちです。

だからこそ書いた後には
読み直す必要があるのですね。

そして変な意味になっていないかを確認し、
場合によっては修飾語の並べ替えを行うのも
有用なのです。

せっかく「ハーバードの」「スタンフォードの」と言っているのに
バカっぽく見えてしまえば救いがありません。

この機会にご自分の文章、
修飾語の場所が適切か
気にかけてみてくださいね!

ではまた!


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