図書館の業務改善プレゼン!「本の貸出冊数を増やす」にはどうすればいい?

今日のポイント
—————————–
文章を書くとき、大事なのは【切り口】を
見つけること!
他の人にみてもらうと【切り口】は見つかる!
—————————–

 

作文教室ゆうに通う、図書館職員のAさんの「悩み」

こんにちは、
文章アドバイザーの
藤本研一です。

うちの作文教室に、
図書館職員で来てくださっている方がいます。

 

Aさん、としましょう。

Aさんは熱心な方で、
 「自分はとっても文章が下手なので、
    なんとか人並みまで上達したいんです」
という思いを持って通塾されています。

 

毎回、Aさんが勤務先に提出する書類について
一緒にアイデアを出したり、
「こう書くといいですよ!」
とアドバイスを差し上げたりしています。

 

Aさんの講座をしていると、
【個人コンサル】をしているような
気分になります。

 

仕事で使う報告書などについて
項目立てや内容の整理について
一緒に行っているからです。

 

よく考えると、
私のように
個人の「文章作成」にみっちり関わってくれる
コンサルタントなんて、ほとんどいないですよね。

少なくとも札幌圏では私だけではないでしょうか。

 

 

Aさんからは頻繁に、

   「藤本先生のお陰で、
この書類、自分の言いたいことが整理できました!」

「早く文章が書けましたし、
分かりやすくまとめられました!」

と感謝のお言葉を頂いています。

 

私も、とても嬉しいです。

 

「貸出冊数をどう増やすか?」

 

先日は図書館内での
プレゼン資料の内容と文章について、
相談を受けました。

  「うちの図書館、
PCルームとディスカッションルームは
とっても活用されているんですが、

さいきん本や映像資料のコーナーの
利用が減っているんです。

なんとか貸出冊数を増やす
取り組みをしないといけないんですが、
何をすればいいか分からなくて…」

こんなお悩みでした。

   本の「貸出冊数」を増やす。
   このために何をしたらいいか?

Aさんはこの取組について
図書館内でプレゼンすることになったのです。

 

どういうふうに進めればいいか、
Aさんとディスカッションしながら
考えていきました。

 

Aさんには
「そもそも図書館とは何を目的にする場所ですか?」
という、「そもそも」論を聞いていきました。

なぜこう聞いたかというと、
  「貸出冊数を増やすことって、
   本当に意味があることなのだろうか?」
と疑問に思ったからです。

 

図書館で本の貸出冊数を
増やすのを目標にするなら、
【意味なく本をただ借りる】ことを
賞賛することになります。

 

これって、本来的な意味があるでしょうか?

 

1冊の本を借り、
期限内に何度も読みかえし、
「この本と出会えて、
本当に良かった!」
と言ってもらうほうが
大事なのではないでしょうか?

 

Aさんに、この発想を
お伝えしました。

Aさんも、
図書館職員なので
すごく共感してくださったのです。

 

そうです、
図書館の業務改善プレゼンをする際に、
「本の貸出冊数を増やす」
という目標を示すのは
間違いだったのです!

 

真の目標は何?何を伝えればいい?

 

では、
図書館の業務改善のためには、
何を目標にし、
何をプレゼンで伝えたらいいのでしょうか?

 

 

Aさんの話を聞き、整理し、まとめるなかで
【切り口】を見つけることができました。

 

その切り口は、
Aさんの話の中にありました。

もう一度、Aさんの語りに注目しましょう。

  「うちの図書館、
PCルームとディスカッションルームは
活用されているんですが、

さいきん本や映像資料のコーナーの
利用が減っているんです」

図書館の業務改善の糸口が
ここにあることに気づきました。

PCルームやディスカッションルームのある図書館って
増えてきていますね。

ディスカッションルームというのは
「グループ読書室」のことです。

つまり何人かで集まり、
声を出して議論してもかまわない部屋のことです。

PCルームは調べ物をしたり、
書類を作ったりする場所です。

PCルームもディスカッションルームも、
昔は図書館にはなかったものです。

どちらかというと、
図書館というよりも
「情報センター」という意味合いに近い
設備でしょう。

 

そして、
PCルームやディスカッションルームは、
本を読んで何かを「学ぶ」というよりも、
すでに知っていることを「外に出す」
という側面が強い場所です。

 

これを思い、
はたと気づきました。

   「そうか、
    図書館は情報センターなんだ!」

 

この【切り口】に気づいたのです。

 

図書館は情報センターだ、という【切り口】

 

「図書館は情報センターなんだ!」という
気づきによって、
Aさんにどのようなアドバイスをするか、
一発で見えました。

   「図書館って、単に本を借りる場所ではなく、
情報を提供する【情報センター】なんです。

【情報センター】には2つの役割があります。
それは【インプット】と【アウトプット】です。

Aさんの勤務していらっしゃる図書館は
PCルームで書類を作ったり、
ディスカッションルームで話し合いをしたりと
【アウトプット】が重視されている場所なんです。

であれば、【アウトプット】の
利用者に、
次のことを呼びかければいいんじゃないでしょうか?

それは
〈【アウトプット】だけでなく、
    【インプット】もどうですか?〉
    という呼びかけです。

    【アウトプット】するためには、
上質な【インプット】が必要です。

特に学生や子どもの場合、
今ある知識だけで書類を作ったり、
仲間とディスカッションしたりしても、
今の自分以上に成長できないんです。

むしろ学生や子どもには
〈【アウトプット】のために【インプット】もしよう〉
と呼びかけてみることが必要なんじゃないでしょうか?」

Aさんにこのことをお伝えしました。

Aさんは好反応でした。

   「この視点、新しいですね!」

「確かに、PCルームやディスカッションルームを
利用する人が多いのだから、
利用者に対して【インプット】も大事にしよう、
と声掛けすればいいんですね!」

すごく感謝をされました。

 

単に図書館の「貸出冊数を増やす方法」という
プレゼンをするのではなく、

【アウトプット】をしている人を対象に
【インプット】の大事さを訴えるという
全く違う【切り口】のプレゼンに整理されたからです。

 

あとは、
Aさんのプレゼンが
うまくいくことを祈るだけです!

 

文章で大事なのは【切り口】である

 

文章で何かをまとめる際、
大事なのは【切り口】です。

 

どの【切り口】で文章をまとめるかによって
わかりやすさが大きく変わります。

 

今回、図書館の「貸出冊数を増やす」という
目的自体を再考し、
【図書館は情報センターである】という【切り口】と、
【インプット】【アウトプット】という【切り口】を
示すことができました。

 

そのおかげで、
おそらく単に
   「本をもっと借りよう」
と呼びかけるのとは違う
価値を提供できたような気がします。

 

大事なのは
【切り口】なのです。

 

同じことを、
デザイナーの佐藤可士和さんは
【視点の導入】といいます
(『佐藤可士和の超整理術』)。

 

ダラダラ長い文章って、
読みにくいですよね。

それは【切り口】なり、
【視点】なりが定められていないからです。

 

文章は「誰かに整理してもらう」とうまく【切り口】が見つかる!

 

文章をまとめるのって、
意外と自分以外の人に
整理してもらうとうまくいくことが多いんです。

 

なぜなら
自分が書こうとすると
「あれもこれも書きたい!」
と、欲張ってしまいがちだからです。

 

そんなとき、
誰かに見てもらい

「どんな【切り口】が考えられますか?」

と聞いてみましょう。

 

すると、
斬新なアドバイスがもらえることも
あるはずです。

 

 

ともあれ、
作文教室ゆうでは
こんな「文章コンサル」的なこともやっていることを
知っていただければ、と思います。

 

ではまた!


☆メルマガ登録後1通目が届かない場合はこちらをご確認ください。
メールが届かない場合

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください