甲子園の謎実況「非常に力が入らずに良い振りです」。日本語における修飾語の並べ方のルールとは?

 

暑い関西、恋しい札幌

こんにちは、
文章アドバイザーの
藤本研一です。

ただいま兵庫の実家に帰省中です。

 

 

しかし、
関西は非常に
暑いですね〜。

札幌が恋しいこの頃です。

 

夏といえば甲子園!

 

さて、
夏の兵庫といえば
甲子園。

 

全国から集った球児による
戦いの場面です。

 

試合終了後、
負けたチームが砂を集めるのが
ある意味夏の風物詩と言えます。

 

 

実は私、
甲子園を行進したことがあります。

 

 

…といっても、甲子園に出場したわけでは
ありません。

 

 

小学校時代の少年野球の頃です。

 

 

兵庫県には「ちびっこ甲子園」という
イベントがあります。

 

 

少年野球の近畿大会のようなものですが、
その開会式には
なんと兵庫中の少年野球チームが
行進をできるのです。

補欠なり「8番ライト」だった私も、
行進に参加しました。

 

 

甲子園のグランドは黒土です。
黒土の上を1周行進したのが
いい思い出です。

 

 

思い出ついでに甲子園の土を
持って帰ろうとしたら
係員にめちゃくちゃ怒られたのも
今となったらいい思い出です。

 

謎の実況「非常に力が入らずに良い振りです」

 

 

さて、
実家で甲子園の試合が流れていました。

テレビの実況はこう語っていました。

「彼のスイングいいですね〜。
非常に力が入らずに良い振りです」

 

見ていて、
「ん?」
と思いました。

 

 

 

すごく違和感があります。

 

「非常に力が入らずに良い振り」
って、どんな振りだろう……?

 

疑問が広がりました。

 

 

おまけに、これ、
なにも褒めていないんです。

 

 

「非常に力が入ら」ない振り方って、
やる気がない人みたいです。

 

 

でも、そうではないですよね。

 

 

肩に力が入っていない、
「非常に良い振りだ」
ということですよね。

 

 

「非常に」。

 

お気づきかと思いますが、
「非常に」の掛かる場所がおかしいのです。

 

 

「非常に」という修飾語は、
「良い振りです」にかかっています。

 

「非常に」のあとに
「力が入らずに」が来ているので、
「非常に力が入らずに」という
別の意味が成立してしまうのです。

 

 

日本語の特徴の1つに、
修飾語を自由に並べられる、
というものがあります。

 

 

適当に修飾語を並べることが
できるのです。

 

 

ですが、適当における分、
違う意味になってしまうことがあるのです。

 

修飾語の並べ方のルールとは?

 

 

では、修飾語、どう並べばいいのでしょう?

 

そんな時は
本多勝一の出番です。

本多勝一さんの著書『日本語の作文技術』が
役立ちます。

 

この本には、
「修飾語の並べ方」のポイントが
書かれています。

 

 

4つポイントが有るのですが、
1番使えるのはこのルールです。

 

「長い修飾語は前に、短い修飾語は後ろに」。

 

 

このルール、
私もかなり意識しています。

このルールは
かなり役立つのです。

 

 

先程の
文章を当てはめてみましょう。

元の文章
「彼のスイングいいですね〜。
非常に力が入らずに良い振りです」

ルールを当てはめると
「彼のスイングいいですね〜。
力が入らずに非常に良い振りです」

 

 

はい、直してみました。

読みやすくなりましたね!

 

 

「力が入らずに」と「非常に」を見てみると、
「長い修飾語」であるのは「力が入らずに」です。
「短い修飾語」は「非常に」です。

 

「力が入らずに非常に」と並べると、
読みやすくなりますね!

テレビの実況のように
「とっさに」話すべき時も
このルールは使えます。

「非常に」よりも
「力が入らずに」の方が長いな……

 

 

ちらっとでも考えると、
「力が入らずに非常に」という流れで
話せるはずです。

 

 

ぜひ活用してみてくださいね!

 

ではまた!


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