目次
イヤな経験だけでなく、成功体験も捨て去ろう!
「ああ、こんな嫌な経験、早く忘れてしまいたい…」
生きていると嫌な経験をすること、あれこれありますよね。
こういう経験、なるべく早く忘れてしまいたいですよね。

ただ、忘れ去ってしまうべきは嫌な経験だけではありません。
実は「うまくいった経験」「成功した経験」も同じく忘れ去ってしまったほうが良いこともあるのです。
今回は「成功体験を捨てる勇気」の大事さをお伝えします!
「前はうまくいったから、次もうまくいくだろう」と思っていませんか?
「前はうまくいったから、次もうまくいくだろう」。
私たちはともすればこういう考えを持ちがちです。
実際、これまでうまくいっているのであれば今後もうまくいくことは多くあります。
仕事も家事も、うまくいったことをそのまま繰り返したら大体の場合はうまくいきます。
料理のレシピも、美味しかったレシピを再度作れば大抵は次も美味しくなります。
ですが、変化が大きい現代社会では「前うまくいったことが次もうまくいくとは限らない」ことも多いです。
過去うまくいっていた方法を試しても、いま効果を発揮しないケースも多いのです。
たとえば、昭和や平成の時期では「アポ無し飛び込み営業」というのは普通に行われていました。
名簿リストだけを渡され「このリスト全部の家に行ってくるまで会社に戻ってくるな!」と命令されるケースもありました。
「100軒飛び込み営業」を命じられること、実際しばしばありました。
あるいは「このリスト全部に電話をしろ!」という指示もありました。

当時この方法で契約が取れていたとしても、いまの世の中同じ方法で契約が取れるかと言うと必ずしもそうではありません。
場合によってはコンプライアンス違反として問題になったり、部下が「こんな会社では働けない…」と見切りをつけられたりするかも知れません。
実際に数値として契約数が減少しているのであれば、たとえ昭和・平成期にうまくいった方法であったとしても、こういう方法は捨て去った方が良いのです。
(余談ですけど、法人化して以来、よくわからない会社から営業電話がかかってきます。
こういうノルマ電話、辞めてほしいなと常に思っています)
でも、過去でうまくいった「成功体験」があると、行動を改めるのはなかなか困難です。
「前は上手くいったんだから、そのうち上手くいくだろう」
そんな楽観論からいつまでも同じ取り組みを続けてしまいがちなのです。
だからこそ、過去に上手くいった方法であっても、その成功体験を捨てる勇気がなければ先に進めないことも多いのです。
ピーター・ドラッカー「成功を捨て去れ!」
もちろん、過去の成功体験は自信につながり、時には人を奮い立たせてくれる力になります。
ですが、その成功体験が今の自分や組織を縛っているとしたら――。
それは、むしろ“足かせ”になっているのかもしれません。
このことについて、ピーター・ドラッカーは名著『マネジメント(上)』の中で次のように述べています。
「昨日の成功についてこそ、目標、活動、成果の点検が必要である。
恒久的な成功などありえない。
しかるに、成功は失敗よりも捨てることが難しい。
すでに誇りを育てている。
成功は愛着を生み、思考と行動を習慣化し、過信を生む。
意味のなくなった成功は、失敗よりも害が大きい」(201頁)
この一節は、まさに“成功体験”の取り扱いに対する重要な指摘です。
以前の成功、つまり「昨日の成功」こそ、点検していく必要があるのです。
いつまでも「意味のなくなった成功」に縛られていたら大きな害が起きてしまうのです。

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成功体験こそが、変化を妨げる
過去の成功体験に縛られないために重要なのは成功体験を捨て去ることです。
ドラッカーは、「体系的廃棄」という考え方を提唱しました。
これは、過去の成果や実績であっても、現在において意味がなくなったものは計画的に手放していくべきだ、という方針です。
たとえば、創業期に行っていたビジネスが、大企業に成長してからもなお残り続け、組織のリソースを圧迫しているという事例は少なくありません。
たとえば居酒屋から発展した飲食店を例にしましょう。
居酒屋から始まって、いまでは高級レストランとしてのブランドを確立している。
にも関わらず、創業当時の古びた居酒屋をそのまま維持している。
しかも、売上はほとんど立たないのに、「創業の思い出」「創業の苦労」があるから捨てられない。
こういう企業は時折存在します。

こうした状態は、ドラッカーの言う「意味のなくなった成功」そのものでしょう。
いったん成功してしまったがゆえに、愛着が湧いてしまう。
そして行動が固定化され、変化に対応できなくなっていく――。
これは企業だけでなく、私たち個人にもあてはまる話です。
ユニクロに学ぶ“捨てる勇気”
あえて成功体験を捨て去る。
この大事さを主張するのはユニクロの会長でファーストリテイリング社長の柳井正さんです。
柳井正さんは著書のタイトルでも『成功は一日で捨て去れ』と言っているように、成功体験を捨てる大事さを主張しています。

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成功体験をあえて手放す姿勢は、ユニクロの経営戦略に明瞭に見られます。
かつてユニクロが全国的に知られるきっかけとなったのはフリースブームです。

軽くて暖かく、その上カラフル。
さらには価格帯であるフリースは1990年代後半の大ヒット商品でした。
私も親に連れられてはじめて行ったユニクロでフリースを買ってもらった記憶があります。
あの当時、店内では大々的にフリースが飾られていました。
まさに「フリース=ユニクロ」ともいう勢いがありました。
ですが、今ユニクロの店頭を見ても、あの当時のように“フリース推し”の商品展開は行われていません。
数ある商品の1つとしてフリースが扱われているだけです。
代わりに展開されているのは「エアリズム」や「ウルトラライトダウン」など、新たな機能性ウェアです。
これもフリースという大成功を捨て去った姿である、と言えるでしょう。
もし、過去の成功体験に酔って今でもフリースを主力として売り続けていたなら、ユニクロの現在の成長はなかったかもしれません。
まさに、過去の成功を捨てる勇気を持って、新しい未来を切り拓いた好例だといえるでしょう。
キャリアにも求められるアンラーニング
この「成功体験を捨てる勇気」は、私たち自身のキャリア形成にも求められるものです。
先程、昭和・平成期の「100軒飛び込み営業」について見てきましたが、一度この成功体験を捨て去り、再度学び直すことが求められるのです。
古いやり方や過去の成功法則を一度捨て去り、あらためて学び直す。
これを「アンラーニング」と言います。
アンラーニングとは、単に忘れることではありません。
成功体験や知識を“相対化”し、時代や状況に応じて見直すこと。
そして、新たな価値観や手法を学び直す姿勢を持つことを意味するのです。
大学院進学はアンラーニングの場となる
では、どうすればアンラーニングができるのでしょうか?
その一つの方法が、大学院進学です。

大学院では、自分自身の過去を問い直し、今の時代に通用する新たな理論や方法論を学びます。
ときには、自分の中で「これが正しい」と思っていた価値観や成功法則を揺さぶられる場面もあります。
このなかでアンラーニングしていくことが可能となるのです。
私自身、現在は北海道大学の公共政策大学院で学んでいます。
そのなかで「アンラーニング」しているわけですが、学ぶ中で過去の経験を再構成できるようになってきました。
私は創業前 高校教員として勤務していました。
公共政策分野について学ぶなかで、地域の教育政策や人材育成という視点についても知見を深めることができています。
公共政策分野を新たに学ぶ中で、過去の高校教員の経験を再構築することができているのです。
大学院で学ぶことで過去の経験を一度アンラーニングすることが、過去の経験を新しい文脈で活かすことに繋がっているのです。
成功体験を「いったん手放す」からこそ、未来が開ける
過去の自分に縛られ続けるのではなく、「いったん手放す」勇気を持つこと。
それが、これからの時代に求められる重要な考え方(マインドセット)です。
成功体験を土台としながらも、過去にとらわれない。
むしろ、成功体験すら捨て去って新たに学んでいく。
そうやって自分の可能性を広げていく。
これが今後重要になる考え方だと言えるでしょう。
もしあなたが「このままでいいのだろうか」と感じているのなら、いまこそアンラーニングの一歩を踏み出すときです。
そして、その第一歩として、大学院という“新しい自分に出会う場所”を選んでみてはいかがでしょうか?
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成功体験は自信になる一方で、変化を拒む足かせにもなります。時代が変われば、過去の成功法則も通用しなくなってしまいます。だからこそ、あえて成功体験を手放し、新たに学び直す「アンラーニング」が重要です!大学院はその絶好の場となりますよ!