小論文では抽象と具体を使い分ける!
大学院入試にも出題される
小論文の試験。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/03/pen_and_note-1024x681.jpg)
小論文試験において
意識すべき事柄があります。
それが抽象と具体の言い換えです。
小論文の論述をするとき
説明の仕方を抽象-具体で切り替えながら
答えることが求められているのです。
みかん、りんご、バナナ。つまり?
この説明を
果物をモデルに考えていきます。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2023/10/fruit.jpg)
突然ですが次の質問に答えてみてください。
「みかん、りんご、バナナ。つまり?」
…当然ですが
「くだもの」が正解です。
では反対に、
「くだもの。たとえば?」
といえばどういう返答が考えられるでしょうか。
いろんな果物がありますが
「みかん、りんご、バナナ」などと
果物の名前を挙げられると正解になります。
このとき、下のような関係が成立しています。
つまり
みかん
くだもの→→→→→ りんご
←←←←← バナナ
たとえば
「つまり」という場合は「くだもの」という概念が表され、
「たとえば」という場合は「みかん、りんご、バナナ」という
個別の果物の名前が表現されます。
〈抽象〉 〈具体〉
つまり
みかん
くだもの→→→→→ りんご
←←←←← バナナ
たとえば
この時、「くだもの」は抽象的、
「みかん、りんご、バナナ」は具体的な表現となります。
「くだもの。たとえば みかん、りんご、バナナ」
「みかん、りんご、バナナ。つまり、くだもの」
こういう関係性が成立しているわけです。
「つまり」・「たとえば」で抽象-具体を切り替える!
小論文を書く上では
このような関係を意識するのが必要なのです。
説明が抽象的である場合は
「たとえば」と書くことで
具体的な話を始めることが必要です。
反対に説明が具体的すぎる場合は
「つまり」と書いて
抽象度を高める必要があるのです。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2022/10/write2-1024x682.jpg)
小論文を書く際は
「たとえば」「つまり」を使い
抽象と具体をいったり来たりしながら
情報を整理していくことが求められているのです。
今回のポイント
小論文は抽象と具体のバランスで書く!
「つまり」と「たとえば」を口癖にしよう!
少子高齢化で考えてみると。
例えば大学院入試において
日本の少子高齢化について出題されたとしましょう。
![](https://school-edu.net/wp-content/uploads/2023/10/syoushi_koureika.jpg)
「少子高齢化」といっても
これだけだと何を説明したらいいか
はっきりしません。
そのため、少子高齢化の具体例として
税収減が見込まれることを
説明することにしましょう。
また、少子高齢化の具体例として
過疎化の進展も考えられます。
反対に、
将来的な税収減や過疎化の進展の話をした後
抽象度をあげて
少子高齢化の問題であるとまとめることもできます。
このとき次のような関係が成立します。
〈抽象〉 〈具体〉
たとえば
少子高齢化 →→→→→→ 税収減
←←←←←← 過疎化の進展
つまり
少子高齢化の具体例として
税収減と過疎化の進展を示すことができます。
「少子高齢化、たとえば税収減・過疎化の進展」
ということができます。
反対に、
税収減と過疎化の進展といった問題を抽象化すると
少子高齢化として説明することができます。
「税収減、過疎化の進展、つまり少子高齢化」
ということができます。
「くだもの。たとえば みかん、りんご、バナナ」
「みかん、りんご、バナナ。つまり、くだもの」
これと同じく、
「少子高齢化、たとえば税収減・過疎化の進展」
「税収減、過疎化の進展、つまり少子高齢化」
という関係が成立しているわけですね。
抽象-具体のバランスを取る!
小論文を書く際は
抽象と具体のバランスを取ることが必要です。
具体性をあげるためには「たとえば」、
抽象度を高めるには「つまり」を使い
説明をする習慣をつけてみてくださいね!
ではまた!
☆今回の内容は福嶋 隆史 さんの本の内容を
参考にしています。
Digest!
小論文を書く時は抽象-具体を切り替えて
説明することが必要です。
その時のキーワードは「つまり」と「たとえば」。
「つまり」を使うと抽象度があがり、
「たとえば」を使うと具体度があがります。
果物でいうと
「みかん、りんご、バナナ。つまりくだもの」
「くだもの。たとえばみかん、りんご、バナナ」
という関係が成立しています。
小論文では「つまり」「たとえば」を意識してみてください!