議論を茶化すな。安易な笑いが組織を蝕む!

今回のポイント

会議での安易な笑いは思考を妨げることも!
茶化すことなく自分と向き合う時間も重要だ。

「笑いは会話の潤滑油」というのは本当か?

会議の際、シーンとした状況を
1つの笑いが空気を一変させる。

こういう経験をしたこと、
ありますか?

これ、一見するととても良いことのように見えます。

「笑いは会話の潤滑油」という言葉もあるように、
笑いがきっかけでコミュニケーションが活発になったり、
意見が積極的に出ることもあるからです。

笑いがコミュニケーションを阻害する?!

でも。

ときには笑いが
コミュニケーションを阻害することもあるのです。

職場での会議でも
これは往々にして起こります。

今後の企画提案の会議や
今後のサービス水準の向上への方策、
新製品開発の打ち合わせ、
職場での問題解決など
「真剣に」考えるべき会議ってたくさんあります。

メンバーの考えを共有し
今後の目標設定をしていく時なども
真剣な議論が必要でしょう。

そんな時の「笑い」は
逆にコミュニケーションを阻害するのです。

『自走型組織の作り方』にみる、笑いのデメリット

組織変革コンサルタントの
森田満昭さんの著書に
『社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方』があります。

本書には次の指摘があります。

発言の数が多いことはキーパーソンの特徴ですが、
 軽口をたたくこととは違います。

 場を盛り上げたら
 「あいつは話がうまい」と
 仲間からの評価が上がります。

 仲間にツッコミを入れたり、
 あるいは自分にノリツッコミしたり、
 場を仕切って盛り上げようとします。


 エースと呼ばれている人に多い傾向であり、
 経営者は「キーパーソンになるんじゃないか」と
 思いがちですが、
 実は違っていることがよくあります。

 われわれ組織変革のプロから見ると、
 そういう笑いを取るような話し方は非常に浅いのです。

 5秒間は面白くても、結局はほかに発言しようとする人を
 封じてしまい話が深まりません。

 場を沸かすことしか興味がなく、
 面白ければいいというところにウェイトを置いているので、
 他者が何を考えどう感じているかは
 あまり大切にされません。(…)

 キーバーソンの重要な要素である共感力に
 欠けているのです。
 
 そういう人がリーダーシップをとる場では、
 心理的安全性が確保されず、
 本音を言いづらくなります

 

『社員が自ら考え、動く自走型組織の作り方』Kindle版 59-60ページ/136ページ

沈黙を笑いで埋めるな。

真剣な会議には
「沈黙」がしばしばあります。

その沈黙があるからこそ
参加者一人ひとりが内省をし、
ポツリポツリと本音や考えを話し出します。

会議では
その発言をじっくり待つことが必要な時もあります。

しかしながら、
安易な軽口による「笑い」は
このチャンスを奪います。

本来はじっくり自己を見つめるべきであった会議が
1人の人物が安易に笑いに走ったせいで
変容してしまいます。

その場はたしかに盛り上がります。

ですが、
それにより参加者が思考を深められたチャンスが
永遠に奪われてしまうのです。

…意外と知られていませんが、
安易な笑いが思考を妨げてしまうことって、
かなり多いのです。

今回のポイント


会議での安易な笑いは思考を妨げることも!
茶化すことなく自分と向き合う時間も重要だ。

一見「仲がいい」組織の問題点

議論での沈黙時、
気まずい空気が流れます。

そんな時、
「良かれ」と思って笑いを取りに行ったせいで
議論が台無しになることもあります。

これって、大きな問題です。

その上、困ってしまうのは
この問題って一見仲が良くみえる職場や
社員が積極的に交流をしているように見える職場で
しばしば起きる現象だという点です。

表面上は楽しい関係ができているようで、
実は本音を誰も話さず、
本来的な問題を誰も提案しないという
病んだ組織になっていることもあるのです。

その原因、
実は安易に「笑い」に走ることに
あるかもしれない…。

もしそうなら、
「笑い」の持つ問題点を
われわれは考えていくべきかもしれません。

今回のまとめ

今回のまとめです。

笑いは会話の潤滑油ですが
会議は別に大喜利ではありません。

単に面白さを狙うと
逆効果になることもあるのです。

なので、会議や人との会話時など、
沈黙時に「笑い」をムリに取りに行くのは
やめたほうがいい時も多いのですね。

…私自身に思い当たるところがあるので、
猛省しているところです。

ともあれ、今回の内容、
なにかのお役に立てれば幸いです!

ではまた!


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