日本で私立大学の割合が多い理由とは?行きたい学校・大学院の歴史を調べるとモチベーションも上がる!

今回のポイント
日本で私立大学の割合が多い理由。
興味ある分野は自分で歴史を調べてみると発見がある!

 

日本の私立大学の割合はどれくらい?

突然ですが、
日本にある大学のうち、
私立大学の割合はどれくらいだと思いますか?

 

…これ、なんと
【約8割】なんですね。

 

日本の大学768大学のうち、
国公立が172大学、
私立が589大学です(2018年度)

〈出典〉http://eic.obunsha.co.jp/resource/viewpoint-pdf/201807.pdf

 

これは世界的に見ても
けっこう珍しい存在といえるそうですね。

 

 

フランス・ドイツなど
国公立大学が高等教育の中心を担う国は
数多いのです。

 

 

では、なぜ日本ではこういう状況が
起きたのでしょうか?

 

 

今回はこういうテーマで書いていきますね!

 

天野郁夫『大学の誕生』は面白い!

ここのところ、
『大学の誕生(上・下)』(天野郁夫)という
新書を読んでいます。

 

 

現在で言う「大学」はいつから始まったか。
どんな経緯で始まったか。

 

それを読んでいると
面白いですね〜。

 

明治新政府の大学政策

 

印象深いのは
創設当初から日本の大学政策は

官立(国立・公立)VS私学

…の構図がずっと存在していたことです。

 

 

もともと、明治政府としては
一元管理的な学校制度を目指していました。

 

つまり、国家に必要な人材を
官立(国公立)の学校で育成し、
定足させることが目指されていました。

 

 

新たな政府を作った以上、
まずは明治政府で働いてもらう人を
確保するための学校制度が必要となったのです。

 

…ところが、
江戸時代から明治時代に変わった直後ということもあり、

「大学」制度自体もない上に、
教える人すらいないところから
明治の教育制度は始まりました。

 

 

明治時代には
「洋学」の知識や
科学的な発想・外国語運用能力などを持った人材が
大量に必要となりました。

 

江戸時代に求められていたスキルと、
明治時代になってから求められるスキルとは
全く違うわけです。

 

 

どうがんばっても、明治政府に必要な職員数に比べ
「能力」を備えた人材が不足します。

 

明治政府で国家公務員として働いてもらう人を採用したくても、
必要な能力を持った人がそもそもいないのです。

(欧米留学経験のある人くらいしか
「即戦力」な者はいなかったのです)

 

東大が「NO.1」でなかった時代

 

しかたないので
「急ごしらえ」で各省庁が勝手に学校を作り始めました。

 

現在の国土交通省にあたる工部省や
いまの財務省に当たる大蔵省などが
勝手に「学校」を作って職員育成に取り組むことになります。

 

また、江戸幕府から受け継いだ
学問所や医学校などを改組するなどし、
既存の「学校」をフル活用するなど
「場当たり的」な対応をしていました。

 

(なお、北海道大学の前身に当たる札幌農学校も、
もとは開拓使が作った学校です)

 

 

意外に思われる人も多いですが、
明治初期の1877年から「東京大学」は存在しますが、
当時って「東京大学」のステータスは
そんなに高くありませんでした。

 

いろんな省庁が勝手に作った学校が
たくさんあったので、

東京大学は
【数あるいろんな学校の一つ】
でしかなかったのです。

 

(意味合いで言うと
「東京にある大学」
くらいの意味でしょうか…)

 

帝国大学令で全てが変わる!

 

 

そんな状況が変わるのが1886年の
帝国大学令。

 

あちこちにあった「各省庁のいろんな学校」が束ねられ、
(基本的に)「東京大学」に統合されました。

 

 

そして名称が「帝国大学」と
改められたわけです。

 

これまでの「東京にある大学」という意味から
「国家の中枢人材を輩出する大学」に
意味合いが大きく変わったのです。

 

言い換えるなら、
大日本帝国の威信をかけ、
国家が必要とする人材育成を行う場所として
「帝国大学」が作られたわけですね。

 

おまけに、
「帝国大学」は
日本に1つしかありませんでした。

 

1897年に京都帝国大学ができてからは
「東京帝国大学」になりますが、
「帝国大学」が1つしかない状況に
変化がなかったのです。

 

ここをもって
「東京大学」の威信は
一気に高まることになるわけですね。

(いまにも続く傾向となります)

 

私学がたくさん作られた理由は「人材不足」のため。

 

こういう官立系の学校の流れとは別に
私学の流れがあります。

 

江戸時代末期に福沢諭吉が立ち上げた慶應義塾のほか、
1882年に大隈重信が創設した東京専門学校(現 早稲田大学)など
多くの私学の流れがあります。

 

 

私立の学校が数多くできたのは
官立の学校だけだと
人材が圧倒的に不足していたからですね。

 

 

例えば裁判制度(司法制度)が始まっても、
肝心の弁護士(代言人)の数が足りません。

 

しかたがないので
私立学校での育成をやむを得ず認めることになりました。

 

英吉利法律学校(現 中央大学)や
明治法律学校(現 明治大学)などは
この流れでできたわけです。

 

しかしながら、
あくまで「やむを得ず」行うものだったからこそ、
いずれの私学も創設当初は大変だったらしいですね。

 

なんて言ったって
国からしたら「やむを得ず」認めているような存在なので、
できれば「官立系」に一本化したかったからです。

 

そのため各種妨害活動もあったようで
経営は厳しかったようです。

 

慶應義塾でさえも
福沢諭吉が卒業生や財界に「寄付」を
頼み込んで経営していた時期があります。

(なお、日本の私学ではじめて
「授業料徴収」を制度化したのが
慶應義塾です)

早稲田の前身・東京専門学校も
勤務する教員が

「6年間は服を1枚も新調できなかった」

というほど経済的苦境に立たされていたりした、
と言われています。

(いずれもこの辺りは『大学の誕生』上巻の内容です)

 

 

 

ただ、この時期の努力があるからこそ、
私学は日本社会に根付く結果となりました。

 

人材育成において
私学の存在が無視できない存在となったため、
国家としても「官立系」にこだわらず、
私学の存在を認める事になったわけですね。

 

(いまでいう「私学助成金」を交付することで
反国家的な人材育成をできないようにしたわけなのですが…)

 

 

この流れがあるからこそ
日本は世界的に見ても珍しい

「大学教育の大部分が
私立大学で行われている」

という国となったわけです。

 

 

歴史を見ると理由がわかる!

 

 

いまの世の中が
なぜ今のような状況になっているか。

 

過去の歴史を見ると
その理由が自然と見えてくることが多いです。

 

なので、
興味のある分野・
好きな分野の歴史を調べてみると
学ぶことが多いですね!

 

 

今回のポイント

 

 

今回のポイントです。

 

日本で私立大学の割合が多い理由。
興味ある分野は自分で歴史を調べてみると発見がある! 

 

大学の歴史は面白い!

 

 

私は「大学院進学」や「大学受験」の仕事を
日常的に行っている関係上、

大学史や高等教育史(大学・専門学校・大学院などの歴史)を
調べるのが好きです。

 

行きたい学校の歴史を調べてみるとモチベーションが上がる!

 

で、あまりやる人はいないと思うんですけど、
自分の行きたい学校や大学院があれば
「設立の歴史」や「その学校の歴史」を調べてみると
楽しいですね!

 

 

特に私学の場合は
「どんな思いで創設したか」
という情熱が伝わってくる事が多いです。

(最近 大河ドラマとなっていた
新島襄の生き方も、
【同志社大学】の歴史を調べると
描かれています)

 

東京慈恵会医科大学のように
いまでいう「医師国家試験」対策塾として
始まった場所など、
意外な起源を持っている場所も多く、調べると楽しいです。

 

 

自分が行きたい学校・大学院の歴史を調べてみると、
勉強のモチベーションも
上がってきます。

なので、行きたい学校・大学院の歴史、
調べてみるのをオススメしますよ!

 

ではまた!

 

 


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