個人事業主3年廃業率は62.4%!でも間違って解釈してませんか?統計データの正しい読み方、お教えします!

 

今日のポイント
講演・プレゼンで使う統計データ、
解釈が本当に正しいかを再確認しよう!

個人事業主が3年で廃業する確率はなんと6割!

 

もうすぐ、札幌駅前 作文教室ゆうを開業して
丸3年が経ちます。

2016年4月1日に
開業届を出した私。

売上ゼロ・お客ゼロ・
高学歴ワーキングプアで嫁のヒモ(笑)を経て
事業が安定的に回るようになりました。

 

個人事業主になって
1年で廃業する人は
なんと【4割】。

3年で廃業する人は
なんと【6割】です。

廃業せずに
順調に売上が上がっているのは
支えてくださる皆様のおかげ。

 

本当にありがとうございます!

 

廃業率データ、正しく読めていますか?

 

ただ。

この個人事業主の
廃業データって中小企業白書にも書かれている
れっきとした「正しい」データなんですが、
ちょっと「解釈」に注意が必要なんです。

 

まずは中小企業白書に書かれた
個人事業主の廃業率を見てみましょう。

 

個人事業主の廃業率は次の通り。

1年 37.7%
3年 62.4%
10年 88.4%(2005年度)  

☆データはこちらから参照しました。

 

なんと、せっかく開業しても
10年経てば88.4%が廃業しているわけです!

 

このデータを見て
「フジモトさんの塾も、
 10年間もつかどうかヤバイんじゃないの?」
と言ってくる人がいるんです。

 

「いまは調子よくても、
 あと7年経てば
 88.4%の確率で廃業するんでしょ」

そんな解釈をする人がいるんですね。

 

真顔でそう言われた時、
さすがにショックでした。

一瞬、顔がこわばりました 笑

でも、すぐその解釈の誤りに気づいたんです。

 

正しい解釈の仕方、お教えします!

 

個人事業主の廃業率が
10年で88.4%というのは
事実です。

 

でも、このデータはあくまでも、
「今日開業した人が
 1年後に倒産している確率、
 3年後に倒産している確率、
 10年後に倒産している確率」
を表しているだけなのです。

 

何も考えず、
きょう脱サラして
ろくにお客もいないのに
見切り発車で起業した人は
1年後に倒産している確率は高いでしょう。

でも、1年目を乗り切れた人は
「何も考えず今日開業届けを出しました!」
という人よりも
生き残れる確率は高いです。

 

そうですよね?

 

つまり、このデータは
「今日開業した人が
 数年後に倒産している確率」
を示しているだけなのです。

 

すでに3年続いている会社に対して
「でもあなたの事業、
 あと7年したら
 88.4%の確率で廃業してるよ」
ということではないのです。

 

すでに3年続いているなら、
あと7年続く確率はかなり上がります。

 

 

…にもかかわらず、
こういう間違った統計解釈をする人が
多いです。

ビジネスセミナーや
講演会でも、
しれっと「間違い」を話す人がいます。

 

 

困ったことです。

 

本当の廃業率&企業生存率の見方

 

実際、中小企業白書には
個人事業主の経過年数別生存率という
データもあります。

 

これは起業した年数ごとに
「来年も会社が存在する確率」
を示したものです。

 

今日開業した人が「来年も個人事業主をやっている」
確率は62.3%(これは廃業率の裏返しですね)、
3年経過した人が
「来年も個人事業主をやっている」

確率はなんと81.2%にあがります。

長く続けるほど、
「来年も続く可能性が高い」のです。

 

同様に、10年個人事業主をやっている人が
「来年も個人事業主をやっている」
確率は86.8%にまで高まるのです。(2005年データ)

 

統計データの読み取りは要チェック!

 

統計データをみる際は
センセーショナルな見方に
気をつけなければならないのです。

 

私がけっこうコワイなと思うのは、
企業研修や一般向けの講演会で
こういう怪しげなデータを
真顔で使う人がいるということです。

 

統計データは
特にウソが入りやすいので
チェックが必要ですね!

 

 

今日のポイント

 

今日のポイントです。

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講演・プレゼンで使う統計データ、
解釈が本当に正しいかを再確認しよう!
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どんな分野にも、
やたら統計の扱いに詳しい人がいます。

 

その人が意思決定件者であると、
怪しい統計データの扱いをした瞬間
プレゼンは通らなくなります。

 

どれだけいいプレゼンであっても、
統計データの間違った使い方をするだけで
全否定されるのです。

 

 

私も大学院時代に
統計データの扱いで
相当なダメ出しを受けました。

 

だからこそ、
あなたが統計データを使う際、
再確認が必要なのです。

 

小ネタ パーセント同士を比較する時は「ポイント」を使え!

 

小ネタですが、
統計データで
「パーセント同士を比較する」
ことがありますよね。

 

「昨年の売上伸び率は2.0%でしたが、
今年は3.0%でした。
なんと業績を1.0%も改善させました!」

こういう言い方をする人がいますが、
これは「間違い」です。

 

パーセントとパーセントを比較する際は
「ポイント」という単位を使います。

 

 

つまり、先程の言い方ですと、

「昨年の売上伸び率は2.0%でしたが、
今年は3.0%でした。
なんと業績を1.0ポイントも改善させました!」

というのが正しいのです。

(なぜそうなるかを解説します。
パーセントはあくまでも
それぞれのデータ(母集団)ごとに計算します。

つまり、昨年の売上伸び率2.0%は
「昨年の売上データ」と比較した際の
パーセントです。

同様に、今年の売上伸び率3.0%は
「今年の売上データ」と比較した際の
パーセントです。

「昨年の売上データ」と「今年の売上データ」が
同じでない以上、
それぞれを「パーセント」で比較することは
本来できません。

だからこそ「ポイント」という単位で
表すのです)

間違った統計データの解釈をしていないか、再確認しましょう!

 

…ともあれ、
統計データ、
間違って使わないように
注意しましょうね!

ではまた!


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