レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の作品と彼の天才の秘密とは?

 

「アンギアーリの戦い」展、札幌にて開催中!

 

 

こんにちは、
作文アドバイザーの
藤本研一です。

 

先日、
北海道立近代美術館に行ってきました。

【レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展】
です。

 

 

イタリア・ルネサンス期の巨人
レオナルド・ダ・ヴィンチ

 

ダ・ヴィンチが
未完のまま残した作品があります。

それが「アンギアーリの戦い」。

同時期のライバル・
ミケランジェロの作品と隣どおしで
飾られていた作品です。

 

 

この作品、
それはそれは
素晴らしいものだったようです。

 

 

 

芸術家を目指す人にとって、
飾られた建物内は
「世界の芸術学校」と呼ばれていました。

 

 

芸術を目指す人達が集まり、
模写の対象となっていたのです。
「未完成」だった
にも関わらず、です。

 

はじめ100年ほどは
誰もが作品を見れました。

 

だから「模写」もできたわけです。

 
ですが、
いまでは
別の絵の下に隠されてしまいました。

 

ですが、
幾多の画家が「模写」をしてくれていました。

 

 

なお。

 

この美術展には
「模写」だけでなく、
ダ・ヴィンチ自身の「真作」
と言われる作品も飾られています。

 

今後研究次第で、
「ダ・ヴィンチの幻の作品だった」
と(おそらく)指定されるであろう作品。

 

それを観ることが出来るわけです。

 

 

『モナリザ』や
『最後の晩餐』など、
ダ・ヴィンチの「真作」は
十数点しか残っていません。

 

 

・・・それを考えると、
この展示会、
いかに深い意義を持つか実感できますね!

 

その作品はこちら↓

 

こんかいの美術展では
こういった模写も
たくさん展示されています。

 

「模写」から、
壁画に描かれた
作品をイメージすることができます。

 

ですが、「模写」はどれも
断片的なものばかり。

 

 

いったい、ダ・ヴィンチは
どんな絵を壁に描こうとしていたのか・・・?

 

 

この謎に挑む美術展が
【レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展】
なのです。

 

 

戦争現場を描いた絵画なので、
たくさんの人・馬・武器が配置されています。

かなりリアルです。

でも、よく考えてみたら
この当時「写真」はありません。

すべて「記憶」なり「想像」なりで、
リアルな戦闘を描いている。

これって、すごいことだと思います。

例えば、剣で敵に切りつける「瞬間」。
人間の表情や視線、
筋肉の動き、
馬の動きがどうなっているか。

「写真」を使わずに見るのは
かなり困難だったと思います。

その証拠に、
ダ・ヴィンチが残した
メモやスケッチには
戦闘現場に関するものも
たくさん残っています。

「写真」もない頃に、
これだけの作品を残した
ダ・ヴィンチ。

当時の人も相当賞賛していたことでしょう。
だからこそ、
たくさんの「模写」が残っているのです。

「懐かしい」展示会

 

 

展示会を観ていて、
なぜか
懐かしい気持ちがしました。

 

 

 

中世イタリアで活躍した人物の名が
頻発するからです。

 

チョーザレ・ボルジア、マキャベリ、
メディチ家などです。

 

私、大学院時代の授業で
「中世イタリア史」のゼミを取っていました。

 

 

参加者数名のゼミで、
「中世イタリア史」専門の
院生と教授が参加していました。

全く専門家ではない私にとって
見ること・聞くこと全てが
新鮮だったのを覚えています。

 

「チョーザレ・ボルジアは〜〜で、
メディチ家はだから〜〜で・・・」

 

意味わからず授業を聞いていた
「ひととき」が脳裏によみがえってきたのです。

 

 

中世イタリア=戦国時代?

 

中世イタリアは
日本で言う戦国時代です。

 

イタリア観光で有名な
ナポリもミラノもフィレンツェも、
全く別々の国でした。

 


フィレンツェ

頻繁に戦争していました。

(ちあみに、フィレンツェとミラノの戦争を
描いた絵が「アンギアーリの戦い」なのです)

 

 

戦争が打ち続く他、
それぞれの国内でも
勢力争いが続いたのです。

 

悲惨な、その状況。

 

 

イタリアで活躍した役人・
マキャベリは考えました。

 

「戦争が続く中で、
なんとかイタリアを平和にしたい。

そのためにはたとえ暴君であったとしても、
力強いリーダーが出るべきだ!」

先ほど名の出たマキャベリは
悲惨な戦争現場をみて考えたのです。

 

「非情と言われても、
国をまとめるには武力で
イタリアをまとめるリーダーが出るべきだ!」

その思いでマキャベリは本を書きました。

それが有名な『君主論』なのです。

私も読みました。
なかなか面白い本でした。

 

『君主論』、要は織田信長的リーダーが
イタリアにも必要だ、と説いた本なのです。

 

 

・・・実は、
『君主論』の著者・
マキャベリこそ、

ダ・ヴィンチに
「アンギアーリの戦い」の制作を
直接依頼した人物なのです。

 

 

 

当時のイタリアをめぐる、この歴史的経緯。

この歴史的経緯ををわかっていないと、
「アンギアーリの戦い」展、
分かりにくいかもしれません。

 

 

「なんで戦争してるの?」
という感じになってしまいます。

 

これから行く人にとって、
この記事が予習になれば幸いです!

 

 

天才になるには・・・?

 

展示会場には
「アンギアーリの戦い」の製作者である
ダ・ヴィンチの人となりが分かるコーナーがありました。

 

 

ダ・ヴィンチは
「万能の天才」
と呼ばれます。

 

 

絵画の才能があった他、
楽器の演奏もでき、海外公演も行っています。

 

 

 

幾多の発明を「手帳」に残しています。

 

 

 

どうやって彼は天才になったのでしょう?

 

 

どうやら、
彼は才能以上に
「努力」の人だったようです。

 

ダ・ヴィンチの言葉が会場内に
飾られていました。

 

「人間はやり通す力があるかないかによってのみ、
賞賛または非難に値する」

「生涯は私を屈服せしめない。
あらゆる障害は奮励努力によって打破される」

「苦悩なくして才能の完成はない。
金は火によって精錬されるのだ」

名言だな〜と思います。

 

実際、彼は膨大なメモを残しています。
単なる絵画の研究にとどまらず、
ありとあらゆる学問を究めているのです。

 

 

光学や生理医学、工学などはもちろん、
画家でありながら
人間の死体を解剖し、
詳細に研究をしています。

 

 

これらの蓄積が
彼の作品にも反映されているようです。

 

 

ダ・ヴィンチの素晴らしい作品に触れるだけでなく、
なぜか
「俺も、やるぞ!」
「学ぶぞ!」
「研究するぞ!」
という思いの持てる絵画展でした。

8/15(火)までの実施なので、
お早めにどうぞ!

絵画展の詳細はこちら↓
http://www.fujibi.or.jp/anghiari.html

ではまた!


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