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大学院の大きな転換点!
いま、日本の大学院制度は大きな転換点に立たされています。
それは少子高齢化・人口減少が急速に進み、既存の大学・大学院が生き残れなくなる、ということです。
大学の場合、毎年の出生数データがあれば18年後の大学の学生規模をほぼ正確に予測できる、という特徴があります。
今年生まれた人たちが18年後大学入学年代になることが見込まれるからこそ、その時にどれだけ大学生がいるかを想定できるのです。
昨年2024年の出生数は初の70万人割れの68万6061人。
9年連続の減少です。
2023年のデータでは2040~2050年度には大学生数が現状よりも13万人近く減り、約50万人程度となることが報告されています。
「全国の大学入学者が2040~2050年度に現在の約63万5,000人から13万人ほど少ない約50万人で推移するとした将来推計が、中央教育審議会大学分科会で文部科学省から提示された。
現在の大学総定員の62万6,000人の約8割しかない数字で、定員割れで閉校に追い込まれる大学が今後さらに増えそうだ」
「2040年の大学入学者が定員の約8割に、文部科学省が推計」
大学ジャーナルオンライン編集部https://univ-journal.jp/232997
現在の大学入学定員よりも受験者数のほうが少なくなるという状況。
現状でも私立大学の約6割が定員割れであることを考えると「大学の存在そのものが危うい」状況になっています。

出典:https://www.keinet.ne.jp/teacher/exam/topic/24/20240918.pdf
受験生の確保に頭を悩ませ、キャンパスの維持や教職員の雇用すら困難になっているケースがすでに見られています。
大学の統廃合や閉鎖も珍しくなくなっています。
こうした状況の中で、私は強く思うのです。
「社会人大学院の充実こそが、大学院が生き残るための唯一の道なのではないか」と。
今回は「社会人社会人が大学・大学院維持のカギ」となる理由を解説します!

社会人大学院という希望
日本の大学院進学者数グラフを見てみましょう。

こちらはNISTEP(科学技術・学術政策研究所)のサイトから引用です。
大学院(修士課程) に入学者数を見てみましょう。

大学院修士課程への入学者数が一番多かったのは2010年です。
その時は全体で82,310人の入学者がいました。
(奇しくも、私が1回目の大学院進学をしたのも2010年のこと。
アカデミック・ポスト獲得が大変となった学年であるといえます)
そこからだんだん減少するも、近年は持ち直している印象です。
このうち、社会人の大学院修士課程を入学者数を見てみましょう。

大学院修士課程に進学する社会人の数も2010年にピークを迎えた後、ある程度の水準で横ばいを保っています。
だいたい毎年7,000-8,000人の社会人が入学している計算となります。
全入学者の約1割が社会人であると言えるわけです。
こうしてみると、若年人口は減っていても毎年一定数の社会人が「学び直し」や「キャリアアップ」のために大学院を志望していることが読み取れます。
この動き、大学・大学院のような高等教育にとって希望の光だと私は考えています。
なぜなら、社会人が大学院に進学することは若年人口が減っている今、高等教育を維持するうえで重要な存在であると言えるからです。
これまであまり注目されてこなかった社会人大学院生の数を増やすことは大学・大学院の存続に直結します。
すでにある大学の建物・コンテンツ(授業・テキスト)・教職員を社会人向けにアレンジしていくことで、大学・大学院の統廃合や閉校を減らせる可能性があるのです。
また、大学院に進学するケースが増えることで、専門の知識・人脈を持った社会人が社会でより活躍することになります。
それが日本の生産性やGDPを引き上げる可能性も大いにあるのです。
今のままの大学院ではNGな理由
とはいえ、現状の多くの大学院は、まだまだ「社会人フレンドリー」だとは言い難いのが実情です。
平日昼間にしか開講していなかったり、オンライン併用ではなく対面での通学必須だったりと「仕事しながら大学院に通う」ことが困難な状況にあります。
こうした制度や運営のあり方が社会人にとって大きな障壁になっています。
働きながら学ぶことを想定していないカリキュラムでは、いくら志があっても通い続けるのは困難なのです。
だからこそ、今こそ大学院は本気で変わるべきです。
というか、社会人フレンドリーな制度にしなければ大学・大学院は「自滅」せざるをえないでしょう。
例えば次のようなものを取り入れていくべきと考えます。
・平日夜間や土日授業の拡充
・オンラインと対面のハイブリッド型の導入
・実務経験を活かしたカリキュラムの設計
・教養教育としての大学院科目の整備
こうした取り組みを通じて「学びたい社会人」が安心して学べる環境を整備することが、大学院の将来を左右する鍵になるのではないでしょうか?

「教養」を深める場としての大学院
先程の項目の最後に「教養教育としての大学院科目の整備」を挙げました。
社会人の大学院進学といっても、たとえばMBAの知識や専門看護師のスキル、教員免許の専修免許状など「いまの仕事に関わる内容だけ」を学ぶ形にするのはもったいないと思います。
それは社会人大学院は、単なる資格取得やキャリアアップのための場所ではなく、「教養を深める場」としての役割も果たせるからです。
たとえば文学や哲学、歴史、社会学といった人文系分野の学びは、仕事の実務とは直接結びつかなくても、人生の見方を広げるのに役立ちます。
また美学や表現・アートについて学ぶことは合理的思考・論理的思考を超えた発想を身につけるのに役立ちます。
教養科目とも言えるこれらを学ぶことは自分の今後のキャリアを考える際にも大いに役立ちます。
教養科目を学ぶことで自分の立ち位置を再確認することもできるのです。
社会人が大学院で学ぶという選択は単なる「履歴書のアップデート」ではなく、「人生そのもののアップデート」になり得るのです。

今ある大学院がすべてではない
現状の大学院制度、残念ながら「社会人フレンドリー」な状態からは程遠いです。
ですが、だからこそ「伸びしろ」があると思います。
さらに言えば、いち早く「社会人フレンドリー」さを打ち出した大学・大学院が出てくると、一気に学生数を確保できる可能性があります。
ちょうどドワンゴが運営するZEN大学という通信制大学が、今年開学と同時に多くの学生数を獲得しています。
多数のMBAホルダーを輩出するグロービス経営大学院は多くの社会人院生の支持を受けています。
既存の大学・大学院であっても、「社会人フレンドリー」な改革を打ち出すことで一気に学生数を獲得できる可能性もあるのです。
逆に、そういう工夫をできない大学・大学院は残念ながら市場から撤退せざるを得ないでしょう。
そうしないで済むためにも、より多くの大学・大学院で「社会人フレンドリー」さをさらに打ち出していただきたいと思うのです。
これからの大学院はもっと良くなる可能性を秘めています。
大学が本気で社会人向けの学びに取り組み、既存の制度に柔軟性を持たせることができれば、大学院は再び社会にとって不可欠な存在となるはずです。
仕事しながら大学院に通う可能性
私は、社会人として働きながら大学院に通い、学び続けています。
仕事の合間に課題に取り組み授業を受け、仲間と議論を重ねる日々は決して楽ではありません。
ですが、そのすべてが「自分を鍛える時間」になっていることを強く感じます。
仕事をしながら大学院で学ぶことで自分の視野が広がっていくのも実感します。
だからこそ、社会人大学院の可能性を、もっと広げていくべきだと考えています。

社会人フレンドリーな大学院を!
少子化が進み、若年層だけでは大学院を支えることが難しくなってきた今、社会人という新たな学び手をどう迎え入れるかが、大学院制度の未来を大きく左右します。
そのためには、ただ制度を整えるだけではなく、「社会人が学びたいと思える大学院」をつくる必要があります。
要するに「社会人フレンドリー」にできるかどうかに日本の高等教育がかかっていると言えるのです。
大学院の進化は、社会の進化につながります。
その第一歩として、社会人大学院の拡充にもっと真剣に向き合う時期が来ているのではないでしょうか?

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少子化・人口減少の日本では2040年度には大学定員の8割しか受験生がいなくなる未来が想定されています。潰れる大学・大学院も存在している今、大学院の未来を左右するのは社会人です。社会人フレンドリーであり、仕事しながら学びやすい大学院制度の整備こそ大学の再生につながります。