日本はキャリア形成的に「最悪」な国。日本のキャリアアップ現状を見直せ!国際調査から学ぶ意識改革の必要性【キャリアアップを科学する22】

藤本研一

Digest!
キャリアアップに関する国際調査結果を見ると日本は「キャリア形成的に最悪」な国であると言えます。なにしろ5割超が社外での学習を「特に何も行っていない」(調査国中ワースト1位)上、転職して給料が下がるケースが多く起業意欲もワースト1位だからです(パーソル総合研究所2022年調査)。
ですが逆に言えば、この機会にちょっとでも勉強するようになると日本では簡単に頭角を現せる、ともいえます。
まして日本では1.7%の社会人しかしていない「大学・大学院・専門学校」での学び直しをするとあなたの希少価値を上げられますよ!

「キャリアアップを科学する」22

「あと少しでいいから給料を上げたい…」
「もっと自分らしく活躍したい…」


そんな思いを実現するためには、
キャリアアップの方法論を正しく知ることが必要です。

今回も「キャリアアップを科学する」シリーズをお届けします!

前回は「キャリアアップ」を考えた際
気づくべきこと、というテーマをお届けしました。

 

今回はキャリアアップ意識に関する国際調査を
見ていきます。

キャリアアップに関する他国の現状を知れ!

キャリアアップに対する意識って
国によってまちまちです。

ですが、他国の様子を知ることで
「日本はこのままでいいのだろうか…」
と考える事ができます。

パーソル総合研究所がおこなった
「グローバル就業実態・成長意識調査」(2022年)という
調査があります。

日本をはじめ
中国・韓国・タイ・シンガポールやアメリカ・イギリスなどの
地域で実施した就労意識に関する調査となっています。

 ☆今後の出典はいずれもこちら↓

 パーソル総合研究所.2022.「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」.

 うち、報告書部分はこちら
 

調査地域は次のようになっています。

18ヵ国・地域(調査都市)
【東アジア 】 日本(東京、大阪、愛知)、中国(北京、上海、広州)、韓国(ソウル)、台湾(台北)、香港
【東南アジア 】 タイ(グレーターバンコク)、フィリピン(メトロマニラ)、インドネシア( グレータージャカルタ)、
マレーシア(クアラルンプール)、シンガポール、ベトナム(ハノイ、ホーチミンシティ)
【南アジア 】 インド(デリー、ムンバイ)
【オセアニア 】 オーストラリア(シドニー、メルボルン、キャンベラ)
【北 米 】 アメリカ(ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス)
ヨーロッパ 】 イギリス(ロンドン)、ドイツ(ベルリン、ミュンヘン、ハンブルグ)、フランス(パリ)、スウェーデン(ストックホルム) (パーソル総合研究所2022:3)



各国・地域で約1,000サンプルずつのオンライン調査です。

日本人の5割超は職場外で一切学んでいない!!!

この調査の中で「社外の学習・自己啓発」という
項目があります。

「あなたが自分の成長を目的として行っている
 勤務先以外での学習や自己啓発活動について
 お知らせください」

この質問を各国・地域の約1,000名に実施しています。

結論部分を見てみましょう。

「勤務先以外での自己研鑽に意欲的な
 フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、インド。

 一方、日本は「とくに何も行っていない」が5割を超える。

 各国・地域共通で高い学習・自己啓発は、
 「読書」「研修・セミナー、勉強会」

 (パーソル総合研究所2022:110)

「とくに何も行っていない」が少ない国は
インド3.2%・ベトナム3.6%・インドネシア5.4%・フィリピン5.6%。

先進国系では
アメリカが15.75・ドイツ21.2%・フランス22.6%・イギリス24.1%となっています。

ワーストを見ると、
ワースト3位がスウェーデン28.1%
ワースト2位がオーストラリア28.6%で
日本がぶっちぎりの【ワースト1位】で52.6%となっています。

うーん、なかなか微妙な数字ですね…。

ちなみに「社外の学習・自己啓発」のうち、
日本人が多く行っているのは読書23.2%、
資格取得のための学習15.9%、セミナー参加11.6%が
トップ3位です。

ちなみに
「大学・大学院・専門学校」での勉強をしている社会人は
1.7%という回答でした。

この「大学・大学院・専門学校」ですが、
マレーシアでは14.8%、
フィリピン13.8%
インド13.0%、
アメリカ12.5%、
ドイツ11.2%と続いています。

日本がわずか1.7%と思うと
天と地ほども違います。

このデータを見ると、
日本人はもっと「大学・大学院・専門学校」で
専門スキルの向上に努めたほうがいいのでは、
と思ってしまいますね…!

結論!日本はキャリア形成的に最悪な国。

ちなみに、
この調査全体を見てみますと、
調査対象の国々の中で
キャリア形成的に日本は「最悪」な国、
といえます。

それは
転職して年収ダウンをするケースが
日本は他国よりも多いからです。

(「転職により年収がアップした転職者は
 全体平均で5割超、最も高いインドでは7割。
 日本は、年収ダウンや会社規模を下げての転職が
 他国・地域と比較して多い」) 
(パーソル総合研究所2022:88)

ほかにも独立・起業をする意欲が
調査した国の中で最低となっているからです。

(「独立・起業意向の全体平均は35.1%、
 インドとインドネシアは5割超、
 フィリピン、アメリカ、中国で4割を超える。
 日本は200%で最も低い」)
 (パーソル総合研究所2022:83)

なぜ最低なのか?それは会社員がオイシかったから。

思わず「最低」「最悪」と言ってしまいましたが、
これ、逆に言えば日本では
「会社員」の立場がここ数十年ずっと良い環境にあったことも
理由であると言えます。

つまり、バブルの頃までは
終身雇用制度や手厚い企業年金制度が
成立していたからです。

(もっとも、これが成立していたのは
 大企業が中心でしたが)

企業内でも研修やOJTがそれなりに充実していました。

そのため企業外での学習や自己啓発も不要でしたし、
転職を志すことも、
まして独立・起業を考えなくても良かったのです。

…でも、いま時代が変わっています。

終身雇用維持は大企業でさえ困難になっています。

にも関わらず、
人々の意識はかつてのまま、です。

というより、
これだけ巷でキャリアアップや転職が叫ばれているのに
会社外で「とくに何もしていない」という人が
5割を超えているのは「ヤバい」状況としか
言えません。

YouTubeやスマホゲームで
暇つぶしをするくらいなら
その時間を学習しないと
他国に遅れを取ってしまうのです。

他国の状況を知ると、
「このままじゃヤバい!」と思えますね…。

今回のポイント


他国と比べて日本は
キャリア形成的に「最悪」な国。
まずはその自覚を!

健全な問題意識を持とう!

キャリア形成を考える際 重要なのは

「このままで大丈夫だろうか…?」

という問題意識です。

あまりに不安になりすぎるのは問題ですが、
「このままで大丈夫だろうか…?」と
問題意識を持っていれば
自分の行動を適切に振り返ることができるのです。

自分の状況を冷静に振り返り
今後の行動を考えていくことができます。

5割超が何もしていない「いま」がチャンス!

特に、他国と比べ
「とくに何もしていない」人が
日本で5割を超えていることって、
逆に言えば「チャンス」と言えるわけです。

なぜかというと
ちょっと勉強するだけで
周囲に差をつけられるからです。

周りがめちゃくちゃキャリア形成に熱心な国
(マレーシアなど)ですと
多少勉強したくらいで差はつきませんが、

なにせ日本だと5割超が「とくに何もしていない」以上、
あっという間に抜きん出ることができます。

ぜひこの機会に
差をつけていきませんか?

特に日本でわずか1.7%しかやっていない
「大学・大学院・専門学校」への進学をすると
履歴書にも追記できるのでオススメですよ!

希少価値も高いので
頭角も現せるはずです!

ではまた!


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