何かを学ぶ際は「少し先に行っている人」に学ぶべき理由!ヴィゴツキー「発達の最近接領域の理論」から言えること

今回のポイント

「凄すぎる」人に学ぶより先に
「少し先を行っている人」に学ぶほうが
学習効果は大きい!

「●●をやってみたいけれど、
 1人だとなかなか難しい…」

「自分の力を高めたいけれど
 どうやったらいいかわからない…」

そういうことで
お悩みではないでしょうか?

今回は社会人が学習をする時
「少し先に行っている人」と一緒に学ぶことで
ラクラク自分の能力を高められるという内容を
お伝えしていきますね!

ソ連の心理学者ヴィゴツキー「発達の最近接領域」の理論とは?

いまソ連の教育学者(心理学者)・
ヴィゴツキーの本を読んでいます。

写真はwikipedia様より

 

 

ヴィゴツキーは
学習が「個人のなかだけで完結する営み」であるとする
従来からの考え方に反対した人物です。
 

学習は個人内で完結するのではなく、
集団内でも起こるという内容を研究しています。

筆算の計算がわからないとき、どうやればできるようになる?

どういうことかというと、
たとえば子どもが足し算の「筆算」を勉強する際、
自力ではどうやったらいいかわからないことがあります。

 

そういうとき、
隣の席で筆算を使って計算している子がいれば
それを真似しながら(=模倣)できるようになることが
あります。

(小学生の頃、
 私もこういう経験があります)。

 

この場合、
本来であればこの子どもが
自力で筆算をできるようになるのは
もう少し先の時期だったかもしれません。

 

ですが、
周囲の様子を観たり
集団のなかで学んだりする中で
本来よりも早く能力を身につけることができているわけです。

 

(きょうだいがいる場合、
 兄・姉の様子を見て真似することで
 弟・妹が勝手に学習していることがありますよね)

 

「発達の最近接領域」の理論

ヴィゴツキーは
こういった内容を整理し
「発達の最近接(さいきんせつ)領域」という学説を
唱えています。

「発達の最近接領域は、
 明日の発達に何が起こるかを予言することを
 可能にします。

 就学前期にかんする1つの研究だけを引用しましょう。

 この研究は、発達の最近接領域に今日横たわるものは、
 明日には現在の発達水準のものとなること、
 つまり今日子どもが他者の助けを借りてできることは、
 明日には自分でできるようになるということを示しています」

 

『「発達の最近接領域」の理論』65ページ

いま自力でできないことも、
自分より少し先に行っている人の助けを借りると
自然とできるようになる。

ヴィゴツキーの理論は
1人で学ぶのではなく
誰かとともに学ぶ、
あるいは集団で学ぶことの価値を教えてくれます。

 

  

自分より少し「先」に行っている人に学ぶと能力アップは楽勝!

…ここまでざっと見てきましたので
ここで整理をします。

 

ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」という理論を
ものすごくまとめて言うと、

自分より少し「先」を行っている人の
仕草・振る舞い・行動を見ていると
自分もできるようになることを教えています。

 

 

これは起業をイメージするといいですね。

 

1人で最初から起業を目指して準備をすると
何をしていいか、わかりません。

 

だからといって「経営の神様」と言われる松下幸之助や
孫正義さん・ホリエモンさんなどに話を聞いても
話が合わないかもしれません。

(凄すぎる人の話は
 概して参考にしにくい点も多いのです)

 

その点、自分より少し先に取り組んでいる人の話は
参考になることも多いですね。

 

実際、私も塾開業準備をする際、
同じく塾経営を自分で行っている人の話を聞いたり
見学に行ったりしていました。

 

自分より「先」に行っている人の行動を見ると

「ああ、こういうところに気をつければいいのだな」

「こうやればいいんだな」

と発見も多いのです。

 

ヴィゴツキーの理論はあくまで
子どもに対して説明した理論ですが、

ヴィゴツキー理論が発展して
「集団学習」や「職場学習論」にも
言及されることがある以上、
社会人の学習についても参考になる点が多いはずです。

 

なので何かを学ぶ際、
自力で行うことにこだわるのではなく

「少し先に行っている人」を見つけ、
その人から学んだり
その人の言動を見て真似していくと
ラクラク能力アップが出来るというわけです。

 

 

今回のポイント

「凄すぎる」人に学ぶより先に
「少し先を行っている人」に学ぶほうが
学習効果は大きい!

「行動」を学ぶなら「少し先に行っている人」から学べ!

読書をする際などは
「凄すぎる人」
「歴史上の偉人」の本を読むほうが
インパクトはあります。

(誰も「その辺にいる【少し凄い人】」の本を読むくらいなら
 「歴史上の偉人」「有名人」の本を読むはずです)

ですが、たとえば仕事の仕方や
目標達成の仕方など
「行動」を知る際には
「少し先を行っている人」から学ぶほうが
効果的です。

 

講演会などでも
「凄すぎる」人・
「凄すぎる」会社についての話を聞いた際

「あの人だからできたんでしょ」
「やっぱり●●って会社はスゴいよね…」

と「他人事」で終わってしまいがちです。

 

ですが、「少し先を行っている人」の話ですと

「へ〜、●●さんってスゴい!
 私もやってみようかな」

と思える事が多いのです。

(めちゃくちゃ失礼な言い方になりますが、

 「あの●●さんでもやっているんだから
  私もやってみよう!」

 と思う人も時折いらっしゃるようです)

 

 

「先生」の本当の意味。

学校教員のことを「先生」というのは
「生徒よりも少し先に生まれて
 先に取り組んでいる」
という意味合いに解釈することができます。

 

少しだけ「先」だからこそ、
学習効果も高くなるのですね。

 

幕末の志士である吉田松陰は
伊藤博文や高杉晋作を教育していた時、
20代の若者でした。

(亡くなったのも29歳のときです)

 

年齢的に「少し先」を行っている人だったからこそ
ともに学んでいた人の
学習効果も高かったのでしょう。

 

何かを学ぶ際は
自力で学ぶだけではなく
「少し先に行っている人」と接し、
その行動を見る中で学ぶのもオススメですよ!

 

私の塾での大学院進学のアドバイスも
そういった点で参考にしていただければ幸いです。

 

 

ではまた!


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