作文の書き方84 「白い」「より白い」「もっとも白い」。 この中で一番白いのは何? 余計な言葉を削れば削るほど、本質が伝わる!分かりやすくなる!

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今日のポイント
「白い」「より白い」「もっとも白い」。
この中で一番白いのは何?
余計な言葉を削れば削るほど、本質が伝わる!分かりやすくなる!  

問題!いちばん白いのはどれ?

☆本日の内容は動画でもお伝えしています。
記事にない内容もありますので
気軽に聞き流してみてくださいね!

A 白い
B より白い
C もっとも白い

 

さて、この中で
いちばん白いのはどれでしょうか?

 

…わかりますか?

この問題、中学生に示すと
ほぼほぼ100%、
「絶対Cです!」
と答えるそうです。

 

 

 

ちなみにあなたは
A〜Cのどれがいちばん白いと思いますか?

 

 

正解を言います。

 

正解は「A」です。

 

 

なぜかというと、
BもCも「比較」する中で
「より白い」
「もっとも白い」と言っている
だけだからです。

 

 

たとえば。

ネズミがいたとします。

ネズミって、
「ねずみ色」という言葉があるように
【灰色】っぽい色です。

ネズミ10頭がチュウチュウ鳴いている中で
「あのネズミはより白い」(B)
と言っても、
しょせんは「ねずみ色」です。

 

全く「白く」はありませんよね。

 

また、
「あのネズミはもっとも白い!」(C)
と言っても、
やはりしょせんは「ねずみ色」です。

白っぽいだけで、
全く「白く」ありません。

 

ということは、
純粋に「白い」と言っているAが
最も白いことになります。

 

なぜなら、
「あのネズミは白いよ!」
と言ったときは、
本当に「白いネズミ」のときしか
言うことができないのです。

 

 

 

この話、
外山滋比古(とやま・しげひこ)さんが言っていました。

 

『知的文章術』(大和書房)という
本です。

 

外山滋比古さんといえば
『思考の整理術』で有名ですが、
90歳を超えた現在でも
果敢に本を書いているのです。

 

英文学者でありながら
日本の俳句にも造詣が深い
外山滋比古さん。

 

俳句に造詣が深いからこそ、
外山滋比古さんは
「余計な言葉」を嫌います。

 

 

よけいな言葉があると
印象がぶれてしまうからです。

 

 

(『プレバト』の俳句コーナーを見ていると
削られるのは「余計な言葉」ばかりですよね)

 

 

だから外山滋比古さんは
こう言うのです。

「飾りをすくなくすることは、
ことばの生地の美しさを見せることにもなる」(93)

 

本当は「白い」と言ってしまえば良いものを
「より白い」「もっとも白い」と
【余計な言葉】【余計な飾り】を付けてしまう。

 

すると文章が
急に伝わりにくくなるのです。

 

余計な装飾を減らしていくことで
スッキリ整理された文章になっていくのです。

 

これ、文章術の極意でもあります。

 

文章を書くときって、
ついつい【余計な言葉】を
入れたくなるのです。

 

でも、そんなときグッと我慢する。

 

余計な飾りを減らすことで
分かりやすくまとめることができるのです。

 

 

本文だとこんな例が出ています。

before → after で示してみますね。

before
「豊かな人間性とすぐれた個性をそなえた
りっぱな職員になろうと新たな希望をもって、
新しい職場へ移りました」 

 

 

どうでしょう?

 

読んでいてこう思いませんか?

 「言っていることはわかるんだけど、
  なんかクドいな…」

そうなんです、
この文章、クドいんです。

 

余計な言葉ばっかりなのです。

余計な言葉をリストアップしてみましょう。

〈余計な言葉〉
(1)ムダな形容詞が多い

→「豊かな」「すぐれた」「りっぱな」「新たな」「新しい」

(2)「すぐれた」と「りっぱな」、
「新たな」と「新しい」が似ているので効果が薄い

 

ではどうすればいいでしょうか?
直したものを書きます。

 

after
「個性を持った職員になろうという希望をもって
新しい職場へ移りました」 

 

いかがでしょうか?

スッキリ読めるようになりましたね!

 

このように【余計な言葉】は
削りまくったほうが良いのです。

 

【余計な言葉】を削りに削ることで
相手にスッキリ伝わる文章になるのです。

 

あなたが文章を書く際は
【余計な言葉】が入っていないか、
よくよく確かめてみてくださいね!

 

ではまた!

☆この本は
3/10に作文教室ゆうにて実施した
ビブリオバトル札幌駅前】にて
プレゼンされていた本でもあります。

めでたく優勝した本が
こちらの『知的文章術』でした。

文章アドバイザーである私にとって
勉強になるところばかりでした。

 

オススメの本です!

 

なお、今回の記事は
『知的文章術』の1つの章を参考にしました。

私よりはるかに
文章に詳しい外山滋比古さんだからこその
視点が散りばめられた内容でした。

本の内容をまとめるだけでも
たいへん勉強になりました!


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