清少納言「枕草子」が1,000年を超えても読まれ続ける理由とは?

「枕草子」を学んでいます!

こんにちは、
文章アドバイザーの
藤本研一です。

 

いま、古典の勉強をしています。

 

そう、
高校生用の
「古文」の夏期講習のためですね。

 

「徒然草」「源氏物語」と読んできました。

 

いま読んでいるのが
「枕草子」(清少納言)です。

 

これ、いまから1,000年近く前の本ですが
本当に「すごい」本です。

 

何故すごいかというと、
五感をフル活用しているのです。

 

五感をフル活用する。

 

それを分かりやすく
使えるようにした概念があります。

 

本ブログで言うところの
「目の言葉」「耳の言葉」「身体・心の言葉」
です。

http://nomad-edu.main.jp/www.school-edu.net/archives/4516

 

 

以前も
「目の言葉」
「耳の言葉」
「身体・心の言葉」について
本ブログでも書きましたね。

参照記事↓

 

この3つを使うと、
読み手がリアルに感じます。

 

臨場感があります。

具体的に伝わります。

 

だから読み手を引き込むのです。

 

 

「枕草子」に出てくる「目の言葉」「耳の言葉」「身体・心の言葉」

 

枕草子には
この3つが大量に出てきます。

 

たとえば「枕草子」
192段・39段・85段の
現代語版を見てみましょう。

 

 

こちらの本を元にしますね↓

それでは
「目の言葉」を見てみましょう。

「水晶の数珠

梅の花に
雪が降るさま

金属の器に
あまずらをかけた
削り氷を入れたもの

どれも上品だ

幼い子が
いちごなど
食べる姿も

そして優美なものといえば
直衣姿のほっそりした公達(きんだち)

真新しい
御簾(みす)の帽額(もこう)

真新しい几帳(きちょう)

薬玉(くすだま)をつけ
くつろいだ格好の
きれいな女の子が
扇で顔を隠して
座っている様子も」

(赤間2015 :49)

 

 

こちらは
「目の言葉」でした。

なお、参考にした本のイラストです。
なかなか華麗な漫画です。

 

つづいて「耳の言葉」。

「夜
人々が寝静まった部屋の中
どこかからひそやかに
聞こえてくる音は
とても奥ゆかしい

碁石を碁笥(ごけ)に
戻す音

火箸を灰に
つき立てる音

まだ起きている人がいたのだ

なんといっても
夜眠らない人は
奥ゆかしい

ふと目をさました夜
聞こえてきた男女の会話
おさえた笑い声
何を話しているのだろう」
(赤間2015 :48)

いずれも
「耳の言葉」です。

 

リアルに胸に響いてきます。

イラストはこちら↓

この「耳の言葉」の間に
感情を示す「身体・心の言葉」も
入ってきているのに気づかれましたでしょうか。

 

「とても奥ゆかしい」
「奥ゆかしい」
「何を話しているのだろう」

いずれも気持ちを示しています。

 

こうしてみると、
「枕草子」は
「目の言葉」「耳の言葉」「身体・心の言葉」を
いずれも活用した作品であることに
気付きます。

以前も書きましたが、
「目の言葉」
「耳の言葉」
「身体・心の言葉」を使うことで
表現がより「具体的」になります。

 

表現が具体的になれば、
読み手の胸に響くようになるのです。

 

 

「枕草子」が
1,000年たっても読まれている理由。

 

 

それは
リアルに胸に響く作品になっているからです。

 

その背景に
「目の言葉」「耳の言葉」「身体・心の言葉」が
あるのです。

 

具体的に表現する。

そのことで、
歴史を越えて読まれる作品に
なるわけです。

 

「もっと人の心を打つ文章を書きたい」。

そんな方は
「枕草子」を参考に、
「目の言葉」「耳の言葉」「身体・心の言葉」を
活用してみてくださいね!

ではまた!


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