比較の文章の落とし穴。文章のねじれには「対は1つだけ」ルール(太郎くん構文)を使おう!

「この文章、違和感がある…」と思ったときは。

なんだか文章がねじれている…?」

文章の書き方のアドバイスや
添削を行っていて

「この文章、なんだか
 違和感がある…」

ということがあります。


たとえば次のような
文章です。

 【例題】
  現在の北海道ではスープカレーの知名度が高いが、
  20年前はスープカレーのお店の数は少なかった。 



この文章、
言っていることはよく分かります。


何か文法が間違っているわけではありません。



でも、読んでいて
スッキリしません。


私が感じるということは、
おそらく他の方も気になっていらっしゃるところが
あるかもしれません。

違和感の正体

さあ、この文章の違和感の正体は
どこにあるのでしょうか?


どうやって直せばいいのでしょうか?

実はこの文章、
「が」の前後において
対比関係がねじれているのが
違和感の正体です。


どうやって直すかを見るために
今回は「対比」構造についてを解説していきます!


対比とは?

さきほどさらっと使った
「対比」という言葉。


これは何かと何かを比較するという
意味がある言葉です。


一般的に、
対比を文章で書くときには
次の接続詞や終助詞(最後に来る助詞)を
使うことが多いです。


[接続詞]
・〜〜。しかし〜〜
・〜〜。だが〜〜
・〜〜。一方、〜〜
・〜〜。他方、〜〜
・〜〜に比べて〜〜

[終助詞]
・〜〜が、〜〜
・〜〜だが、〜〜

対比の基本は「太郎くん構文」を使う!



先程、対比構造について
接続詞や終助詞を見てきました。

実際に書くときのポイントを
ここでは見ていきます。


私は塾の講義の中で
次のような例文で
解説することが多いです。

名付けて「太郎くん構文」。

太郎くん構文を使うと
対比構造のポイントが一度で覚えられます!

ぜひ太郎くん構文、
覚えてみてください!

太郎くん構文の基本!太郎くん構文①

まずは太郎くん構文①を見てみましょう。

【太郎くん構文①】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんは野球が●●。




この場合、
●●には何が入ると思いますか?


…当然「下手だ」が
入りますよね。



太郎くんと次郎くんを比べて
野球が上手↔下手という
比較構造が描かれているのです。

実際に書くとこうなります↓

【太郎くん構文①’】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんは野球が下手だ。

違和感なく読むことが出来ますね!


もし、この●●に
「好きだ」が入るとどうでしょうか?


【太郎くん構文①の悪い例】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんは野球が好きだ。

言っている文章はよくわかります。

ですが、なんだか
違和感がないでしょうか?


私たちは文章を読む際、
「一方」や「他方」「しかし」などの
比較の言葉が来ると
無意識のうちで

「この文は何と何を比較しているのだろう…」

と考えています。

そこに「次郎くんは野球が好きだ」という
比較ではない文章が来ると
混乱してしまうのです。

太郎くん構文②

さあ、次の太郎くん構文を見てみましょう。

【太郎くん構文②】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんは●●が上手だ。



さあ、この文章において
●●には何が入るでしょうか?



おそらく、多くの人は
野球同様のスポーツを
持ってくると思います。

●●に「サッカー」や
「バスケットボール」などを
持ってくる人も多いのではないでしょうか。


ここで「サッカー」を当てはめて
文章を考えてみます。

【太郎くん構文②’】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんはサッカーが上手だ。


どうでしょうか?


この場合も違和感なく
読むことが出来ます。

それは
野球↔サッカーという
比較が適切であるからです。


ここのポイントは
野球と同じくらいの
知名度や人気のあるスポーツが来たほうが
比較構造が成立しやすいということです。

カバディのケース

次の例ではどうでしょうか?

【太郎くん構文②の違う例】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんはカバディが上手だ。

カバディ(写真はWikipedia

カバディというのは
インドなど南アジアで古くから親しまれてきた
スポーツです。

「カバディ、カバディ、・・・」
と息継ぎせずにいいながら攻撃をするということで
ルールを知っているという方も
いらっしゃることでしょう。



カバディくらいの知名度があるなら
この太郎くん構文②は成立しますが、
もし誰も知らないようなスポーツなら
読んでいて違和感が出てくるかもしれません。




「対は1つだけ」ルールを覚えよう!

さあ、ここまで
2つの太郎くん構文を見てきました。

あらためて2つの太郎くん構文を
見てみましょう。

【太郎くん構文①’】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんは野球が下手だ。

【太郎くん構文②’】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんはサッカーが上手だ。



太郎くん構文①’も
太郎くん構文②’も、
どちらも

「対になるのは1つだけ」

というルールがあります。

①’では上手↔下手
②’では野球↔サッカーという
対になっています。



では、次のように書いてみてはいかがでしょうか?

【太郎くん構文の間違った書き方】
 太郎くんは野球が上手だ。
 一方、次郎くんはサッカーが下手だ。


この場合、
上手↔下手
野球野球↔サッカー
という2つを対にしています。

そうすると、
読んでいて違和感が発生します。

「意味はわかるけど、
 イマイチしっくり来ない…」

そういう思いになってしまいがちです。


対比を考える際には
対比の接続詞や終助詞の前後では

「比較する対象は1つだけ」
(対は1つだけ)

を意識すると
スッキリ書けるようになるのです。


今回のポイント


比較の文章を書く際は
「太郎くん構文」を思い出す!
対になるのは1つだけルールを覚えよう!


ではここまでの内容を元に
冒頭の内容を見てみましょう。

 【例題】
  現在の北海道ではスープカレーの知名度が高いが、
  20年前はスープカレーのお店の数は少なかった。 

この文章に違和感があるのは
文章の対比構造がねじれているからです。

本来、
「スープカレーの知名度が高い」と対比の関係にするには
正反対の内容を書くべきなのです。

そこに
「お店の数は少なかった」と書くと
ねじれた印象になります。


それは知名度の高い↔低いではなく
お店が多い↔少ない
という対になっているからです。

「スープカレーの知名度が高い」に対し
正反対の内容にするには
どうやって書き直せばいいでしょうか?

まず解答を示します。

【修正した文章】
 現在の北海道ではスープカレーの知名度が高いが、
 20年前はスープカレーの知名度が低かった。
 そのため、スープカレーのお店の数も少なかった。

まずは文章前半で
スープカレーの知名度の
高い低い
対を作りましょう。


そうすると
「スープカレーのお店の数は少なかった」
というのは

「知名度が低かった」ことから
必然的に出てくる結論になります。


なので「そのため」という接続詞をつけ
文章を補足するとわかりやすくなるのです。

「対は1つだけルール」を使いこなそう!




さあ、いかがでしょうか?


単純に見えますが、
比較する文章書く時、
「対は1つだけ」ルールを
守っていないケースが多々あります。

(市販の本にもこういうねじれがあります)



気をつけて書いてみてくださいね!



ではまた!


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