作文の書き方㊽レトリック、気にしてますか?

 

作文のコツももう48回。
あと2回で50回です。

今回は「レトリック」のお話。

レトリックって、何でしょう?

レトリックとは「修辞法」。
つまり、いかに適切に文章を飾っていくか、というテクニックです。

比喩を出したり、
例えを出したり。

あえて文章を逆に書いたり、
あえて否定的なことを書いたり。

そういう文章の書き方のテクニックの事をレトリックといいます。

 

さて、ここから本題です。

これまで、「1つの文章で、伝えたい事は1つ」ということを書いてきました。

ダラダラ文章をつづけ「アレも、コレも言いたい」というのはダメ。
「このことを言いたい!」から、それに続く文章を書こう、とお伝えしてきました。

 

この「このことを言いたい!」というメッセージを、
適切に伝えるのがレトリックです。

言いたいことは1つ。

であれば、それが確実に伝わるテクニックを使う必要があります。

 

 

さいきん、タイトル自体にレトリックを感じる本を読みました。

芦田宏直『努力する人間になってはいけない(ロゼッタストーン)です。

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専門学校校長や大学副学長として活躍する芦田宏直(あしだひろなお)氏のブログの文章や入学式・卒業式のスピーチをまとめた本です。

『努力する人間になってはいけない』。
「努力することが大切」という思い込みを否定しているタイトルです。

 

タイトル自体が目を引きますが、もちろん中身もいい本です。

タイトルに関連する部分を見ましょう。

仕事で成果を出せないとき、自分のやり方で「長時間努力したらできる!」という人を批判しています。

むしろ、ただ「努力したらできる」という人は「どうやったらもっと上手くできるか」「どうやったら生産性が上がるか」ということを全く考えない人だ、と手厳しく批判します。

「努力します」とただいう、努力に逃げる人になることを批判しているのです。

〈努力する〉の反対が、〈考える〉ということです。THINKの反対語は「行動しろ」ではなくて、努力しろ、ということなのです。逆に、努力する人は考えない人なのです。
みなさんは〈努力〉に逃げる人ではないはずです。努力というのは、仕事の真の課題を隠してしまいます。努力に逃げてはいけない。(33)

☆この引用文は卒業式のスピーチの文章です。
こんなスピーチがある大学を出たいものです。

 

 

さて、ここで引用した芦田宏直のメッセージを、月並みに言うとこうなります。

「やみくもに努力しても意味は無い」

芦田宏直が言っている内容は一緒。
ですが「努力する人間になってはいけない」の一言のほうがグサッと刺さる感じがしませんか?

かくいう私も、本棚でこのタイトルに惹きつけられてしまった一人です。

1つの文章で、言いたいことは1つ」。
だからこそ、そのメッセージの伝わるレトリック・惹きつけられるレトリックを考えたいものです。

 


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