ファーストクラス並みの空間か、ちょっと広めのカプセルホテルか。ファーストキャビンのブランディング戦略の凄さ!

藤本研一
Digest!
ファーストキャビンというホテルチェーンに
よく泊まっています。
 
ここは「ファーストクラス並みの快適さを実現」、
と表現していますが
実態は「ちょっと広めのカプセルホテル」です(笑)
 
ファーストクラスというかカプセルホテルというかで
価値が180度変わってきます。
 
だからこそ文章表現を勉強するのって
大きな意味があるわけですね!

あなたには定宿、ありますか?



突然ですが、
あなたには「定宿(じょうやど)」がありますか?

「この場所に出かけた際は
 必ずここに泊まる」

そういう場所が定宿です。


学者・作家であり武道家でもある
内田樹さんは東京出張の際
学士会館というホテルが定宿だといいます。

ほかにも
東京出張時には帝国ホテルやホテルオークラを定宿にしている、
という人も実際にいらっしゃいます。

(学士会館は東大や北大など旧帝大出身者でないと
 使わせてくれないこと、
 帝国ホテルやホテルオークラは高すぎることこから
 残念ながら私は定宿にできないですね…


出張する際、
可能ならスーパーホテルなど
特定のホテルチェーンを使う、というのも
定宿を定めている姿と言えるでしょう。



私はけっこう「スーパーホテル」というチェーンが好きでして、
「寝る」ことだけに特化させている姿勢と
朝食の無料サービスがあることからよく使っています。


(店舗によっては
 「謎のロフトベッド」がついていることもあり、
 そこに荷物を置けて便利です)

ファーストキャビンの凄さ。



他に定宿と言えるのは
ファーストキャビンというホテルチェーンですね。


先日のマレーシア出張の帰りにも
羽田空港内のファーストキャビンを使用しましたし。


ここは
「ファーストクラス並みのサービスを提供するホテル」
となっています。


こういうと「すごそう」ですが、
実際は
単なるカプセルホテルです(笑)

ファーストクラスか、「ちょっと広めのカプセルホテル」か。

部屋には鍵がかかりませんし、
なんなら隣で寝ている人のイビキが
自室内に響き渡ります(笑)

ふつうのカプセルホテルより
部屋が広めなのと
室内がきれいなこと、
自分のスペースで立って着替えられるという特徴から、

本質を言ってしまえば
「ちょっと広めのカプセルホテル」
というのが実態です。

ですが、
「ファーストクラス並みのサービスを提供する」
というと
なんだか「すごそう」に思えるから不思議です。



実際、考えてみますと
ファーストクラス座席って
若干の仕切りがあって個室っぽくなりますが、

ふつうに他のお客さんのイビキも聞こえますし
座席が大きく倒れるとはいえ
ベッドほど広いわけではありません。

居住空間として考えるなら
そんなに快適なわけではないのです。



「ちょっと広めのカプセルホテル」というと

 「だったら安めのビジネスホテルのほうに
  泊まりたい」

と思う人もでてきますが、
「ファーストクラス並みのサービスをご提供」というと

 「ちょっと興味があるし
  泊まってみたい」

と思えるから不思議です。



ブランディングの上手さを実感!

本州への出張時、
近くにファーストキャビンがあると
私が泊まってしまうのは

こういうブランディングがうまいなと
感心するからです。



つまり「安いホテル」でも「ちょっと広いカプセルホテル」
(あるいは「高級カプセルホテル」)でもなく

「飛行機のファーストクラス並みの快適さ」
というブランディングを行うことで
同じ居住空間であっても
価値が変わるのですね。



言葉一つで、価値は変わる!

言葉ひとつで
単なるカプセルホテルが
ファーストクラスのように
快適な価値を提供する場所に
変化する。

ファーストキャビンに宿泊する度に
ブランディングの大事さを実感します。


今回のポイント


単なるカプセルホテルが
「ファーストクラス」になる!
言語ひとつで、価値も変わる!

ベッドしかない空間。カプセルホテルもファーストクラスも同じ。

ファーストキャビンの室内って
個室内にはホントにベッドしかありません。

立って着替えることはできますが、
見方によっては独房よりも狭い空間です。

(独房にはトイレと窓がありますが、
 ファーストキャビンにはそれすらついていません)

(独房の窓)

浴室やトイレも共同。

いまどきそういうレベルのホテルに
自分から泊まりたい人はいないでしょう。

でも、これ、
ファーストクラスも全く条件が同じなんですよね。



ファーストクラスも自分用のトイレはないですし
そもそも浴室なんて存在していません。

まさに、
言葉一つで価値が
180度変わってしまうのです。


私は「文章アドバイザー」という肩書も名乗っていますが、
ファーストキャビンを見ると
「文章」の価値を改めて実感しているところです。

ファーストクラスか、飲み物を持ってきてくれるネットカフェか。


なお、ここまで書いてきた
「ファーストクラス」という言い方も
言葉一つで価値が変わった例だといえます。



というのも、
ファーストクラスって言い方を変えれば
「飲み物を持ってきてくれるネットカフェ」と
大差がないからです(笑)


ファーストクラスでは
フルフラットシートが提供されていますが、

ネットカフェでも
横になって休むことができるフルフラットシートが
用意されています。


ファーストクラスやビジネスクラスでは
スリッパやら毛布やらを貸してもらえますが
ネットカフェでも普通に貸してくれます。



ファーストクラスでも一部の機体にしか
シャワー機能はついていませんが、
ネットカフェにはふつうについています。


つまり、提供しているサービス自体は
ネットカフェと全く変わらないのです。


違うのは飲み物を持ってきてくれること、
出てくる飲食物のクオリティの高さだけです。


(ちなみに
 提供される食事メニューはどちらも冷凍食品なので
 こういうところも同じですね…


でも、ネットカフェとファーストクラスだと
受けるインパクトは全く変わります。



これが
言語表現の価値なのだと思うのです。

言語表現を勉強すると、新たなビジネスモデルを見いだせる!



今回はファーストキャビンと
飛行機のファーストクラスを例に
言語表現の価値について見てきました。


文章表現を勉強しておくと
ファーストキャビンのようなビジネスモデルも
見出せそうですね!

言葉の持つ価値を実感したうえで、
文章アドバイザーとして、
今日も講義や研修、取り組みたいと思います!

ではまた!


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