直感で動くと損をする!書評『ファスト&スロー』




東大で一番読まれた本を読んでます

 

こんにちは、
作文・論文アドバイザーの
藤本研一です。

 

私は大学院で
社会学
を研究していました。

 

社会学は
「人の集団」
についての分析・考察を行う学問です。

 

人々の振る舞い方を調べる際には
統計データが重要になります。

 

 

アンケートや
調査の結果をまとめたもの。

 

 

「統計学」は最近ちょっとしたブームですね。

 

「統計学は最強の学問である」
との本があるくらい、
人間の行動の仕方を学ぶ上で
大事なものです。

 

 

いま私が読んでいる本も
「統計」に関するものです。

 

 

『ファスト&スロー』という、
この本。

ノーベル経済学賞受賞者の
ダニエル・カーネマンの著作です。

 

帯紙にも

「東大でいちばん読まれた本」

とのこと。

(ちょっとシャクですが・・・)

 

 

 

 

実はこの本で今週末の11/27(土)、
仲間と読書会をやります↓

『ファスト&スロー』読書会(読書会企画第38弾)
11/27 22:00-23:00

 

興味のある方は、ぜひ!

 

速い思考である「直感」にダマされるな!

さて、
この『ファスト&スロー』。

 

 

上・下2巻にわたる
なが~い本。

 

 

でも、
不思議とサクサク読めます。

 

 

具体的な事例が豊富で、
実験がまた
面白いんです!

 

例えば、こんな質問をする調査もあります。

あなたならどちらを選びますか?

A コインを投げて表が出れば100ドルもらえるが、
裏が出たら何ももらえない。

B 確実に46ドルもらえる。(下巻76ページ)

 

 

 

 

 

 

 

ほとんどの人はBを選びます。

 

あなたはどうでしたか?

 

 

 

 

 

Bと答えるのは直感です。

 

 

 

でも、
統計的に考えると、
Aの方が「トク」なんです。

 

Aは期待値が50ドル。
Bは期待値も当然46ドル。

 

つまり、
「直感」のほうが
損をするということなのです。

 

 

・・・でも、この内容を聞いても
しっくり来ないですよね。

 

なんで「しっくり来ないか」というと、
それは人間が
合理的に判断をしているようで、
全く合理的判断ができていないからなんです。

 

「直感」が損をもたらす。
「直感」が誤った結果を生む。

 

本書にはそんな事例ばっかりです。

 

 

さて、この本のタイトルについて
ちょっと解説。

 

人間は、

ファスト、つまり「速い思考」と

スロー、つまり「遅い思考」とで

判断・認識をしているということです。

 

 

言い換えると、

「速い思考」は要は「直感」です。

 

「遅い思考」は「ちょっと考えてみる」ことで
出て来るものです。
論理的な思考、というものがこれですね。

 

そして、
ここからが面白いのですが、

 

「直感」は
間違いが多い

 

ということを本書では示しているのです!!!

 

 

 

「そうそう、
このレースではこの馬が絶対勝ちそうだ!」

「この人物は入社後、
いい働きをしそうだ!」

「この服、絶対わたしに似合う!」

 

・・・世の中には
直感が働くことがあります。

 

でも。

 

 

統計データを元にすると
あんがい「直感」が上手くいかないことが
多いことを示しています。

 

 

でも人間は
「速い思考」である
直感でものごとを判断しがちなんです。

 

「直感」で正しいと思っていても、
もう一度じっくり考えることで
気付くこともありますね。

 

「あれ、このレース、
この馬だと
うまくいかないんじゃないの・・・?」

 

「よく考えると、この人、
口だけなんじゃないの・・・?」

 

「なんかこの服、
よく見るとなんかダサい・・・」

 

 

直感で「正しい」と思ったことでも、
「遅い思考」でじっくり考えることで
「間違い」だと気付くことはたくさんあります。

 

けっこう人は「速い思考」で物事を
判断してしまいがち。

 

 

面接はロボットのようにやるべき?!

 

『ファスト&スロー』の中で印象深いシーンがあります。

 

著者のダニエル・カーネマンが
若い頃の経験談です。

軍隊の入隊テストを
効果的に行う方法を研究していた時期の話。

 

それまでは
面接官がじっくり話を聞き、

「この入隊者は軍隊のどの部門に
入隊させるべきか」
判断していました。

 

これでは時間もかかり、
手間もかかる上、

「この判断は本当に正しいのか」

不明確でした。

 

その改善のため、
カーネマンが考えた方法。
実にユニークです。

 

 

まずカーネマンは、
軍隊の各部門を判断するのに
役立つ要素を上げました。

 

それは例えば
「責任感・社交性・誇り」などです。

 

それぞれについて一連の質問を準備した。
召集前の生活における過去の事実を訊ねる質問で、
たとえば就いた職業の数、
職場および学校での遅刻や欠席・欠勤、
友人と交際する頻度、
スポーツに対する興味と参加の度合いなどである。(上巻402ページ)

 

面接官が勝手に聞く質問を禁止したのです。
そして、カーネマンが用意した質問リストを
その順番で質問するようにしました。

 

判断を点数化し、
それを客観的に判断する形にしたのです。

 

 

要は、面接官の仕事を

ロボットのように
決まった質問を
決まった質問で行うだけ

・・・の方式に切り替えたわけです。

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当然、
はじめは反対意見ばっかり。

 

それでもやってみると、
意外とうまく行っていきました。

 

カーネマンが50年ほどした後に
再び軍隊に行ってみると、

カーネマンの考えた方式が
ほぼそのまま採用されていたそうです。

 

それだけ有効な判断だったのです。

 

ここまでするのは
面接官といえども
「直感」に引っ張られてしまうところに
問題があります。

 

 

こうすれば「直感」は役に立つ!

 

ただ。

 

この入隊テストには
一つだけ、
面接官の「直感」を活かす場面がありました。

 

この面接試験の最後に、
次の項目を追加したのです。

 

目を閉じて、兵士になった新兵を想像してください。
そして5段階でスコアを付けてください(403)

 

やってみると、この最後の項目、
意外と役立ったそうです。

ただロボットのように
質問したデータと
同じくらいの精度だったそうです。

 

カーネマンはその経験をまとめています。

 

選抜面接において直感を軽蔑するのは正しい。
しかし直感が価値をもたらすこともある。
ただしそれは、
客観的な情報を厳密な方法で収集し、
ルールを守って個別に評価した後に限られる、
ということである。(403-404ページ)

 

そう。

「速い思考」である「直感」も、
役には立ちます。

でもそれは
「遅い思考」でじっくり客観的なデータを使って
分析し、検討したあとにこそ、
役立つものなのです。

 

起業もそうですよね。

 

起業している私が言うのも何ですが、
やみくもに
「起業したい!」
という人は結構います。

 

かつての私もそうでした。

 

そんなときにアドバイスされたのは

「もう1回、会社に残ることの
メリットとデメリットを考えてみたら。

そして
起業して事業を継続していけるのか
考えてみたら」

というものでした。

 

 

わりと素直に、
ノートにこの回答を書いていきました。

 

そのことで

 

「ああ、いま独立しても
あんまり売上も上がらないな・・・」

「きちんと事業が続いていくのかな・・・」

 

不安になりました。

 

そのため、

「もっと起業のために準備しないと!」

と考え、動くようになりました。

 

結果的に、
「速い思考」である「直感」に
すぐ従わなくて良かったと思っています。

 

「こんな会社、辞めてやる!」

・・・私も、知り合いのいう
このセリフを何度聞いたかわかりません。

 

でも、

勢いで辞めてしまった人で
今もうまく行っている人は
ほとんどいないように思います。

 

会社を辞めるという
「直感」があてにならない、
いい例です。

 

「直感」を
役立てるには、

冷静にデータや本を分析し、
「自分は本当にうまくやれるか」
考えることが必要なのです。

 

この『ファスト&スロー』を読んで、
改めて

「人間、直感だけで判断しては
いけないんだな〜」

と学べました。

 

きちんと
論理的に考えることがないと、
人生を大きく損してしまうかも・・・。

 

やはり、
「直感」だけに頼らず、
地道に物事を考える力って
必要なんですね〜。

 

作文にもつながります。

 

いや〜、
本当に勉強になりました。

 

ではまた!


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