中島義道『働くことがイヤな人のための本』への違和感。

5/27、『働くことがイヤな人のための本』読書会を開催します!

 

こんにちは、
作文・論文アドバイザーの
藤本研一です。

 

今週土曜は
仲間と読書会です。

 

http://nomad-edu.main.jp/www.school-edu.net/book

 

『働くことがイヤな人のための本』読書会(読書会企画第44)

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読む本は
『働くことがイヤな人のための本』。

 

「戦う哲学者」こと
中島義道さんの本です。

 

 

はじめ、この本、
読むのがイヤでした。

 

 

タイトルを見た瞬間、こう思いました。

 

「ああ、100%鬱になる本だ・・・」

 

 

大学生時代、
私は中島義道の本を数冊読みました。

『人生を半分降りる』などは
「暗さ」が良くて読んでいました。

 

 

ですが。

 

大学生時代、
「暗い」内容を読んでいて、
けっこう欝気味になっていました。

 

本に影響されて、
引きこもり気味にもなりました。

 

 

だから
次回の読書会が中島義道さんの
本であると決まり、
不安になりました。

 

 

せっかく、いま仕事をしているのに、
この状況が崩される本ならどうしよう・・・。

読んだばっかりに暗くなってしまい、
仕事が手につかなくなったらどうしよう・・・。

 

 

ずっと心配していました。

 

 

「仕事なんか、意味がない」
「人生は無意味だ」

そんなネガティブなメッセージで、
自分が毒されたらどうしよう・・・。

 

 

真剣に悩んでいました。

 

 

 

でも、「読書会」で指定した本なので
読まないといけません。

 

 

 

読んでみました。

 

 

 

 

意外と、

いい本

でした。

「鬱になるかも・・・」

というのは杞憂でした。

むしろ、逆でした。

 

 

読んでいて、

「ああ、自分はこの生き方でいいんだ!」

と肯定される本でした。

 

どんな内容の本?

 

この本では
「何らかの仕事につく」
ことを前提とし、
「そこから避けたい」
人たちが登場します。

 

 

生きづらさを抱えている
人たちです。

 

その人達と
中島義道さんが
架空の対話をする、
という物語です。

 

 

 

 

結論としては、
「人生の不合理」さを知り、
人生についての「問い」を
持ち続ける生き方を
中島義道さんは主張しています。

 

 

どういう状況でも、
哲学することを忘れるな、
ということです。

 

 

哲学とは
「死の準備」です。

 

 

だからこそ、
「死」を見つめ、
どういう生きるか、
人生とは何かを問い続けることを
進めているのです。

 

その問いが深まるなら、
「生活のためだけの仕事」でも
いいし、
「金のための仕事」でもいいじゃないか、
と主張するのです。

 

 

違和感を感じた点

 

この本、
スッと読めます。

 

心に響きます。

 

「別に仕事に生きがいを求めなくても
いいんだな〜」

「仕事で成功しなくても、
別にそれはそれでいいんだな〜」

肯定される本です。

 

 

ですが、
違和感を感じた点もあります。

 

 

 

本書では「仕事」「働く」ことについて、
「単純」なモデルしか出てきません。

 

 

会社という組織で働いたり、
大学の哲学教師になったり、
あるいは作家になったりという
「仕事」像があります。

 

 

作家や哲学教師となる才能が無い。

でも、
哲学し続けたい。

 

そのためには、
金のためだけに
組織の一員とならざるをえない。

 

 

本書に通底する発想は
これです。

 

ここに、
私はずっと違和感を感じていました。

 

 

 

なぜでしょうか。

 

それは、
個人事業主や起業家のように、
「自分で仕事を作る」
という発想が出てこないからです。

 

 

哲学は「自由」にものを考える
ことでもあります。

 

にも関わらず、
「他人」の作った「会社」で働くことくらいしか
発想が出てこないのです。

 

 

せっかく哲学という
「考える」技術を使うなら
「起業」なり「個人事業主」になるなり
出てもいいはずなのです。

 

 

他人が作ってくれた
「会社」「組織」で働く前提から
逃れていないのです。

 

違和感を感じた点を書きました。
この点は、実は私が
「役立った」場所でもあります。

 

 

他人の「会社」「組織」で、
他人の目を気にして生きる。

これをしたくないからこそ、
「悩み」、「鬱」になり、引きこもるのです。

 

 

では、
自分で「会社」を作るなら・・・・?

全てが逆になります。

 

 

 

はっきり言うと、起業したお陰で
「たかが仕事」くらいで
悩まなくなったのです。

 

 

「仕事」は
別に自分を「組織」にごまかしたり、
他者を「おだて」たりするものではないのです。

 

 

むしろ、
仕事を通して
誰かに「感謝」されるものなのです。

 

 

社会に貢献するものでもあります。

 

 

「自分」がどうのこうのと
暗く考えるものではないのです。

 

 

自分ではない「誰か」の
役に立ち、
(たまに)お礼を言ってもらえる。

それが「仕事」なのです。

 

 

本書の前提が
「イヤイヤ、他人の会社で働かされる」
前提になっています。

 

でも、
「なら、自分で会社を作れば?」
という発想が
なぜか本書からは出てきません。

 

人生に悩み、
どう生きるか苦しんでいる。

 

 

そんなときこそ、
「起業」して、
他の人の役立つ生き方をするほうが
「楽しい」んじゃないかな。

 

 

私はそう思います。

 

本書の名言!

 

名言を引いて
終わります。

 

 

人生について、漫然と何十年考えつづけても、
何も出てこない。
不特定多数の他者に向けてそれを表現しないかぎり、
他者とのコミュニケーションを通して
それを鍛えないかぎり、
強靭な思索とならない。

きみ固有の思索にならない。

きみが固有の思索を
展開したいのなら、
他者を避けてはならない。

他者の中で揉まれなければならない。

きみに反対する、
きみの思索と異質な、
天と地のように異なる他者に次々に
めぐり合い、
彼らからめためたに切りつけられねばならない。(158)

 

この本を通して
「生きる」ということや
「仕事する」ということを
もう一度考え直すことができました。

 

なかなかいい本です。

 

読書会で
議論するのが今から楽しみです!

 

ではまた!

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