勉強は「手段」か?学習については「手段の目的化」が有効である理由!

summary

「目的と手段を混同するな!」とよく言われます。これ、仕事では重要ですが勉強においては必ずしも当てはまりません。勉強を資格取得などの単なる「手段」にする必要は必ずしもなく、「楽しいから学ぶ」「成長を実感したいから学ぶ」と勉強を「目的」にしてもよいのです。勉強自体を目的化することで、結果的に成果にもつながります。せっかくなら勉強そのものを楽しんでみては?

「目的と手段の混同」、勉強には当てはまらない説

「目的と手段をごっちゃにするな!」

こういう言葉、
聞いたことはないでしょうか?

私は前職の高校教員の頃、
この言葉をよく聞きました(怒られました)。

また、独立してからは
経営セミナーでも
この言葉をよく聞きます(よく怒られます)。

これ、経営などにおいては重要です。


ですが、こと勉強に関しては
「目的と手段をごっちゃ」にしてもいいのではないか、
と思うのです。

さらに言えば
「勉強」を「目的」にするのも
全く問題ないのではないかと
考えるのです。

今回は勉強を巡る「目的」と「手段」についてを
見ていきます。

企業の目的は利益を出すこと。

職場において、
「目的と手段をごっちゃにするな!」
と言われるとき、

企業の目的と手段を履き違えないことが
求められています。

企業の目的は何か?

それは「利益を出す」ことです。

利益を出すために
日々あれこれ仕事をしているわけです。

このとき、商品やサービスの提供や
社内での雑用・営業活動など企業の活動全ては
「利益」を出すための「手段」にすぎません。

なのである社員が

「この事業は利益は出なくても
 やり続ける価値があると思います!」

という発言をするとき、
「目的と手段をごっちゃにするな!」
と言われることになるわけですね。

あるいは
集客のための募集キャンペーンを大々的に行っていても
それが実際の集客につながっていないなら
募集キャンペーンという「手段」が「目的」につながっていない
ことになります。

このときも

「目的と手段をごっちゃにするな!」

と言われることになるわけです。

勉強は「手段」か?

さあ、ここまで見てきたうえで
「勉強は目的・手段どちらでしょうか?」
と質問された場合、あなたはどう答えるでしょうか?

一般的には勉強は
なにか大きな目的のための「手段」である、
と考えられています。

例えばなにかの資格を得るための試験勉強は
資格試験合格という「目的」のための「手段」であると言えます。

大学院入試の受験勉強も
大学院合格という「目的」のための「手段」であると言えます。

小中学生が学校で勉強するのも
「立派な社会人になるため」という「目的」のための「手段」であると言えます。

これはすべて「そのとおり」であり、
何ら問題ありません。

ただ。

勉強が単なる「手段」になってしまうのって
なんだか「寂しい」「切ない」ように
感じられないでしょうか?

それは何かというと、
「いまの仕事」や「これからの生活」に
全く役立たない内容は

「勉強する意味がない」

ということにもなるからです。

勉強が「手段」にすぎないというのは
まさにこういうこと。

ですが、これは本当の勉強のあり方ではないのではないか、
とも考えるわけです。

勉強自体、本来は楽しいもの。

勉強の本義は「自己成長」にあります。

また、勉強によって「知らないことを知る」
「できないことができるようになる」ことは

「楽しみ」でもありますし
「喜び」でもあります。

ある意味、勉強には「趣味」的側面もありますし、
「楽しいから勉強する」
「勉強で成長を実感できるから取り組む」
側面もあります。

これ、「目的」「手段」でいうと
「手段の目的化」となり、

「目的と手段をごっちゃにするな!」

と「怒られる」ような考え方です。

ですが、勉強の本質は
「手段の目的化」にあるのではないか、
と思うのです。

難関資格の体験談にはときおり
こういったものがあります。

「試験合格のために勉強していたときは
 全然受からなかった。

 でも、いつの間にか勉強するのが楽しくなり
 「たとえ受からなくても勉強できていればいいや」
 と思ったときに合格した」

これ、もとは「試験合格のため」の「手段」であった勉強が、
いつの間にか「目的」になってくるなかで
結果的に合格できた、という体験談です。

私自身もこれは経験があります。

大学受験の頃、
「なんとしても早稲田大学に行きたい!」
と思って日夜参考書やら過去問やらをやっていましたが、

そのうち
「別に受からなかったとしても
 こういう勉強ができているのは
 けっこう楽しいかも」

と思えた瞬間がありました。

結果的にはそのあとに
合格を勝ち取ることができました。

これなんかも「手段の目的化」なんですが、
勉強自体を楽しめるようになる
(=勉強の「目的」化)と

結果的に試験にも受かる(「手段」)のです。

國分功一郎『目的への抵抗』

こういった「目的」についての話は
哲学者・國分功一郎さんの『目的への抵抗』に詳しいです。

本書の内容を一言で言うなら
現代社会はやたら「目的」と「手段」を意識する反面、

「楽しいから勉強する」という「楽しみ」「喜び」が
ないがしろになっているのではないか、ということ。

まさに今回の記事で見てきたことがテーマとなっています。

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私としてはこと勉強については
「手段」に貶(おとし)めるのではなく
むしろ勉強それ自体を「目的」としたほうが
人生楽しいのではないかと思うのです。

勉強する際、
ぜひ勉強を「目的」と考え、
勉強自体を「楽しむ」姿勢を大事にしてみてはいかがでしょうか?

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