大学院進学の本質は「推し活」である!-自分にも「推し」がいた事に気づいた件-

summary

「自分には「推し」がいない…」と悩んでいましたが、実は私、特定の作家や研究者にハマり大量に著作を読んでいることから自分に「推し」がいた事に気づきました。特にピーター・ドラッカーについては2017年以来毎月読書会をしていたことから「推し活コミュニティ」の運営すらしていたことに気づいたのです。推し活はエンタメだけでなく学問の世界にもあります。案外研究も「推し」から始まることが多いものですよ!

「推し」がいないこと、寂しく思っていませんか?

突然ですが、
あなたは「推し活」、していますか?

最近、「推し活」という言葉を耳にする機会が本当に増えました。

アイドルや俳優、声優、スポーツ選手など、
誰かを応援し、その活動を追いかける。

グッズを買ったり、イベントに参加したり、SNSで情報を追ったりする。

そんな行動を総称して「推し活」と呼んでいます。

私の周りでも
推し活をしている人はかなり増えてきています。

旧ジャニーズなどアイドルを応援している方、
俳優や声優のファンの方もいますし、

鉄道が好きで特急などに乗りまくっている方や
写真撮影にこだわっている方もいます。

オンラインゲームにハマり四六時中プレイしている方もいます。

こういう方の話を聞いていると、
「何かにここまで熱中できる人っていいな」
と感じています。

と同時に、
「自分には推しがいないな…」
とも少し寂しく思っていました。

「推」せる対象があり、
平日・休日問わず夢中になれたり
わざわざ遠出できたりする熱意。

こういう対象を持っていない事に対し
なんだか「残念」な思いをしていたのです。

なんだ、自分も「推し活」していたんだと気づいた件。

ただ、いつものように読書をしていたある日、
ふと気づきました。

「あ、自分は読書を通して普通に「推し活」しているじゃん」
と気づいたのです。

私はけっこう特定の作家/研究者の本を集中的に買って読んでいます。

いま私がハマっているのは演出家であり劇作家でもある平田オリザさんの著作。

『わかりあえないことから』
『芸術立国論』『演劇入門』『寂しさへの処方箋』など、
平田オリザさんの本をいくつも手に取り、
次々と購入して読んでいます。

☆平田オリザ『寂しさへの処方箋』の詳細とお求めはこちら→https://amzn.to/4lTxleD

(もっとも、私が買うのは電子書籍(Kindle)版ですので
 何冊買ってもリアリティがないのですが…)

平田オリザさん(なんとこれ、本名なんです)は
学生時代からずっと演劇に取り組み、
自身の劇団「青年座」の公演を世界中で行ってきました。

と同時に、
父から大量の借金とともに引き継いだ「こまばアゴラ劇場」の支配人として
他の劇団の支援・サポートも行ってきましたし、

桜美林大学・大阪大学・四国学院大学などで教員を務め
2021年に開学した芸術文化観光専門職大学の初代学長としても
活躍なさっています。

単に演劇人として演出・公演を行うだけでなく、
全国の学校やホールでワークショップ/講演の形で
演劇の知見を人々に伝える取り組みもなさっています。

演劇を拠点に様々な活動を行う平田さんの存在自体にハマり
あれこれ本を読んだり
関連動画を観たりしています。

思い返せば学生時代に一度講演会でお話を伺ったこともあり、
「平田さんが何を考えているか理解したい」
と思うようになってきました。

…これ、
考えてみると立派な「推し活」ですね(笑)。

アイドルファンがアイドルの誕生日や略歴を調べているように
私も平田さんの略歴を調べていますし、

平田さんが出演している動画や本をあれこれ目にしていることからも
「推し活」だといえるはずです(笑)

アイドルのCDやグッズを買うのと同じように、
私は平田さんの本にお金を使い、
平田さんの思想や作品に触れています。

このことに気づいたとき、
「ああ、自分にもちゃんと推しがいたんだ」
と、妙に納得しました。

(最近の重要な「発見」です)

私が「推し」ている人々

こういう「推し」とも言える作家や研究者、
私にはたくさんいます。

早稲田大学教育学部の学生時代は
イヴァン・イリイチという思想家の著作を大量に読みました。

日本語訳されているものは
ほぼ一通り目を通してきたはずです。

(原著も買いましたが、こっちはあまり読めていません…)

他にも社会学者・宮台真司さんの本や
自分の母校の「先輩」でもある寺山修司さんの本も
あれこれ読んできました。

寺山修司に関しては
青森にある記念館に東京からわざわざ行っていますから
立派な「推し活」ですね。

書籍の中には1冊5,000円以上するものも珍しくありませんが、
乏しい資金をやりくりして購入してしまうのも
「推し活」ならでは。

要するに、
推し活はエンタメの世界だけのものではなく
学問の世界にも存在しているのです。

推し活コミュニティとしての読書会

さらに言えば私は経営学者ピーター・ドラッカーの読書会を
2017年頃から毎月やっています。

ピーター・ドラッカーの本を読んで
その解説や感想の共有、
読者同士の交流を行っているのって、

立派な推し活コミュニティですよね(笑)

「あ、自分にも「推し」がいたし、
 しかも自分で「推し」の交流会(オフ会)を開催もしていたんだ!」

なんと、私は無意識で「推し活」をしていただけでなく、
「推し」のオフ会すら無意識で開催していたわけです!

にも関わらず
「自分には「推し」がいない…」
と悩んでいたなんて、ある意味滑稽ですね…(笑)

(一周回って世間が私に追いついてきたと言えるのかも…)

作家/研究者を「推す」のが研究の始まり。

ちなみに、大学院での研究を考える場合、
好きな作家や研究者を「推す」ことからはじめると
研究がうまくいくことが多いです。

…というよりも、
文学の大学院などですと
そういう流れから研究者を目指し進学した人ばかりです。

つまり
「夏目漱石が好きだから漱石研究者になろうと進学した」
人もいますし、

「デューイの思想にハマったのでデューイ研究をするために進学した」
「ヘーゲルの哲学にシビれたからヘーゲル研究をしようと進学した」

という人がゴロゴロいます。

私が通っていた早稲田の大学院の友人/知人には
こういう作家/研究者にハマり進学した人が大量にいました。

いま通っている北大の大学院でも
こういうタイプの人がけっこういます。

これ、見方を変えれば
「推し」を見つけ、
「推し」の研究をするために大学院進学した、

というのと同じです。

考えてみれば研究者って
特定の分野・専門領域にハマり、
その分野の研究論文を常にチェックし
研究成果を発表し続けるわけですが、

「推し」の活動を常にチェックし
SNSでアウトプットし続けているファンと
本質は同じといえます。

なにかにどっぷりハマるのが研究の糸口にもなりうるわけですね。

「推し活」としての大学院進学

そういえば私も早稲田大学の大学院に進学した初期は

イバン・イリイチの研究を大学院でやりたい」

というのが動機でした。

この動機、
イバン・イリイチ研究には英語だけでなく
ドイツ語・スペイン語・ラテン語などの習得も必要になることに気づき
途中で研究対象を変えることになってしまいました・・・。

(英語だけならまだなんとかなったかも知れませんが、
 これだけ必要な語学が多いと修士課程の研究が全く進まなくなります…


思えば私、
当時からイバン・イリイチの「推し活」として
大学院進学をしていたわけですね…。

(修士課程での研究は挫折したものの、
 イバン・イリイチの本は自身の修士論文にも引用しましたし
 いまもイバン・イリイチの思想は私の土台となっています)

大学院の研究テーマは「推し活」の中でも決まる!

社会人が大学院に進学する際、
自身が興味のある分野・テーマを深堀りすることが
研究テーマを見つける切り口となります。

好きな作家や研究者がいる場合、
その人の著作を読み漁るなかで

「こういうことを調べると面白いんじゃないか」

と方向性が見えてくることが多いのです。

「研究しなきゃ」と思うと苦痛かもしれませんが、
「推し活」のノリで、

「まずは推しの活動を調べよう!」

というくらいの気楽さで
好きな作家/研究者の本や論文を読んでいったほうが良いのです。

そうするとイヤでも専門知識が身につきますし、
「何が研究されていて何が研究されていないか」
がだんだん分かってきます。

なので大学院を目指すのであれば
「推し」の作家/研究者を見つけるところから
はじめてみるのはいかがでしょうか?

意外とそこから開けてくることもありますよ!

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