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目次
大学院に入って良かった点 「考え方が変わりました」
ーー:中野さんが大学院に入って良かった点について教えていただけますか。
中野:まず一番大きかったのは「考え方」が変わったことですね。
会社を経営していた頃は、実社会の中で何か問題が起きると、すぐに結論を出すことが求められます。
「やるかやらないか」「右か左か」といったように、即断即決が必要でした。
ただ、そのときはあまり深く考えずに判断していた部分もあったと思います。
それに対して大学院では、メリット・デメリットをしっかり比較して、論理的に考えた上で結論を出すというプロセスを学ぶことができました。
たとえデメリットがあったとしても、それを踏まえた上でどちらを選ぶべきかを考えるようになりました。
この点は非常に大きな変化だったと思います。
また、通信制大学との違いも大きく感じました。
通信制の場合は基本的に教員からの個別指導がほとんどありません。
形式的にはあるのかもしれませんが、実際にはほぼ自分で進めていく形になります。
それに対して札幌市立大学の大学院では、指導教員がしっかりついて、かなり丁寧に指導していただきました。
論文も何度も赤字で修正されて、「ここまで指導してもらえるのか」と驚きました。

ただし、答えを教えてくれるわけではなく、「考えさせる指導」が中心でした。
何度も修正を受ける中で、自分の考え方が鍛えられていったと思います。
もちろん通常の授業については大学と同じような形ですが、研究指導の部分は大きく異なると感じました。
ーー:大学院で充実した学びを得られていったのですね!
学生時代の学びと社会人になってからの学びの違い
ーー:学生時代の学びと、社会人になってからの学びの違いについてはいかがですか。
中野:同じ授業を受けていても、社会人としての経験がある分、理解の仕方が違うと感じました。
例えば、ある課題に対しても経験に基づいてある程度の答えを出すことはできます。
ただし、それが本当に最適な答えなのかどうかは別問題です。
大学院では、その答えが妥当なのかどうかを理論的に検証していくプロセスが求められます。
そこが大きな違いだと思います。
私はデザイン研究科に所属していましたので、社会デザインや地域デザインといった授業も履修しました。
あえて自分の専門外の分野の授業も選択するようにしていました。
また指導教員に頼まれて大学院の授業のなかで講義をさせていただく機会が何度かありました。
実際に自分が経験した施工について講義することができました。
ーー:大学院の中で他の院生との年齢の違いについて感じたことはありましたか?
中野:授業の中では特に年齢差を感じることはありませんでした。
ただ、グループワークや飲み会などの場では、年代がかなり違うので話が合わないと感じることもありました。
それでも、自分の経験を踏まえて断定的に話しすぎないように気をつけたり、相手に合わせたりするよう努力しました。
そのあたりは社会人ならではですね。
「良くなかった点はありません。行って大正解でした」
ーー:逆に、大学院の中であまり良くなかった点というのはありましたか?
中野:いえ、それは特にありませんでした。
むしろ「行って大正解だった」と思っています。
ーー:素晴らしいですね!
中野:大学院がどういう場所なのか、入る前は正直よく分かっていませんでした。
調べた情報としては知っていましたが、実際に体験してみて初めて分かることが多かったです。
実際に自分が行ってみることで、今では「大学院とはこういうところだ」と自分の言葉で説明できるようになりました。
それは非常に大きなことだと思います。
今後の展望
ーー:それでは中野さんの今後の目標や展望についても教えていただけますでしょうか?
中野:大学の先生からは「博士後期課程に進まないか」というお話もいただきました。
ただ、現時点では少し大変だと感じておりまして、「一度ここで区切りにさせていただきます」とお伝えしました。
そのうえで「またやる気が出てきたらぜひ声をかけてください」とも言っていただいています。
ちなみに札幌市立大学大学院の場合、修士課程でも論文発表の要件が厳しく、全国大会で1回、もしくは支部大会で2回以上の発表が求められます。
ーー:かなりハードルが高いですね…!
中野:私は結果的に、明治大学での全国大会で1回、支部大会で2回発表を行いました。
研究タイトルを入力するとインターネット上にも残る形になりますので、ある意味で半永久的に記録が残ることになります。
また、学内発表も3年間で3回行いました。
中間発表なども含めると、もう少し回数は多かったと思います。
ーー:かなり精力的に活動されていますね!
中野:そのような経験を踏まえると、博士後期課程はもう少し余裕があるタイミングで挑戦したいと考えています。
「サックスの練習にも日々取り組んでいます」
中野:また、研究以外の活動としては私、1年半前からサックスを練習しているんです。
ーー:サックスですか、素敵ですね〜!
中野:指導教員の先生の定年退職の送別会で演奏させていただいたこともあり、お世辞かもしれませんが「素晴らしいですね」と言っていただきました。
将来的には、高齢者施設などで慰問演奏ができればいいなと思っています。
ただ、まだそこまでの実力には達していないので、もう少し練習が必要だと感じています。
ーー:サックスを練習なさるきっかけはなんだったんですか?
中野:ある時サックスで演歌を演奏しているのを聞いたんですが、これにシビれたんです。
いま、月に3回ほどレッスンに通っています。
また、カラオケボックスで練習することも多いです。
音を気にせず練習できますし、最近は常連になってきていて、かなり安く利用できるようになりました。
朝一番に行くと30分50円くらいで、2時間半から3時間練習しても600円程度で済みます。
カラオケボックスって勉強にも使えるので、とても便利です。
大学院を目指す方へのメッセージ
ーー: それでは最後に、これから大学院を目指す方に向けてメッセージをお願いいたします。
中野:自分のことを言うのもなんですが、私は74歳で大学院を修了しました。
こういうケースはあまり多くないかもしれませんが、札幌のような都市であれば、社会人の方でも大学院を目指す環境は整っていると思います。
ですので、もし少しでも興味があるのであれば、ぜひ目指していただきたいと思います。
大学院といっても、MBAコースなどのように資格取得を目的としたものだけでなく、研究を目的とした大学院もあります。
私は研究系の大学院に進学しましたが、研究系の大学院を目指す場合には自分の目的をしっかりと持つことが大切だと思います。
正規生として入学しても、卒業できないケースもありますので、まずは科目等履修生として挑戦してみるのも一つの方法だと思います。
実際にやってみて、「こういうものか」と理解した上で正規生として受験すれば、卒業自体はそれほど難しくないと感じました。
なのでぜひ挑戦してみていただければと思います。
ーー:とても参考になります。
中野:最後になりますが、やはり大学院に入りたいと思ったきっかけの一つとして、藤本先生のご指導が大きかったと感じています。
研究計画書の書き方や、最初の出願書類の作成について非常に参考になりました。
また、途中で行き詰まったときにも、最初の考え方や雛形を示していただいたことがとても助かりました。
本当にありがとうございます。
ーー:いえいえ、過分なお言葉、ありがとうございます…!
本日は貴重なお話をありがとうございます。
そして改めまして、ご卒業おめでとうございます!
中野:ありがとうございます。

インタビューを終えて
中野さんから1対1大学院合格塾にご相談をいただいたのは
2022年のことになります。
たいへん熱心に学習を進められていたのが印象的でした。
見事一発で大学院に合格、
そしてきちんと単位を積み重ね今回卒業なさること、
本当に素晴らしいと思います。
中野さん、実は私にとってのロールモデルでもあります。
ご自分の会社を立ち上げ、その会社をM&Aで事業売却なさっている点で
経営者としての「お手本」だと思っていますし、
事業売却後にできた時間で学問に励まれているというお姿、
たいへん触発をいただいています。
中野さんの今後のご活躍も応援しています!
「社会人大学院生インタビュー」はこちら!


































74歳で札幌市立大学大学院を修了した中野さんのインタビュー後編。中野さんは大学院で「考え方」が大きく変わったと語ります。論理的に比較・検証する思考へと転換。大学院での丁寧な指導のもと考える力が鍛えられ、社会人経験と理論を結びつけた学びを実感なさったそうです。大学院進学は年齢に関係なく挑戦可能であり、まずは科目等履修生からの挑戦をおすすめなさっていました!