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トンネルってどうやって掘る?
突然ですが、あなたは「トンネル」ってどう掘っているかご存知でしょうか?

青函トンネルのような大規模なトンネルなど、世の中にはたくさんのトンネルがあります。

ちょうど現在 北海道新幹線延伸計画が遅れているニュースが出ています。
当初は2032年度末に完成予定でしたが、トンネル工事が難航し開通の予定が大幅に遅れる見込み(2038年度)となっています。
こういったトンネル工事ですが、掘る時は片方から掘るのではなく通常は両側から掘り進めていく工法が取られます。
片方から掘っていくと時間がかかるほかなにか問題が発生した際も対処がしにくいです。
両方から掘っていくからこそ工期も短くなりますし、問題の対処もしやすくなります。

(これ、実際に砂場などで実験してもよく分かると思います)
片方からではなく両方から掘っていく。
このアプローチ、実は修士論文をはじめとした論文執筆の際にも非常に重要な考え方です。
今回は論文執筆をトンネル工事に例えながら、研究を進める上での効果的な方法を解説します!
論文を「最初」から書くと100%挫折する!
論文を書く際、多くの人は「はじめに」から順番に書き進めようとします。
論文や市販の書籍は「はじめに」から順番に読むことが想定されているので「文章を書く時は最初から順番に書いていくべきだ」と考えている人が多いのです。
ですが、この方法、挫折するリスクが非常に高いです。
なぜなら、研究の方向性は進めるうちに変わることが多く、最初に書いた部分が途中で大きく修正される可能性があるからです。
研究の際に多いのは、途中まで書いた論文について指導教員や先輩から「その進め方は問題があるからもっと考えたほうがいい」「もっと先行研究を調べないとダメ」と言われ、そこから何も進まなくなってしまうというケースです。
「もっとちゃんと調査をしないと…」
そう考えあれこれ先行研究を調べたり新たな内容を追記したりするのですが、その方向性にもダメ出しがされ「どうやっていいかもうわからない…」と袋小路に陥ってしまう事が多いのです。
こうやって、時間だけが延々と過ぎていくことになってしまいます。

かくいう私も1回目の修士課程の際、この状況に何度も陥りました。
ダメ出しはありがたいことですが、そのせいで全く論文執筆が進まなくなってしまうことも往々にして起こってしまうのです。
トンネル掘削のように論文を書こう!
では、どうすればいいのでしょうか?
トンネル工事と同じように、論文執筆でも「両側から掘る」ことが重要です。
具体的には、「はじめに」の部分からだけではなく「参考文献」や「結論」「考察」など論文の後ろの部分も同時に書いてくことが必要です。
論文って実は「はじめに」からではなく「結論」など後ろの部分からも同時に書くのが一番進みやすくなります。
更にいいのはトンネルの本数を増やし、論文の途中など書きやすい部分から手を付けていくことです。
修士論文の目次や見出しを見て、書けそうなところから手を付けていきましょう!
例えば、修士論文ですと「研究方法」や「倫理規定」などの部分は比較的スムーズに書けると思います。
書き方がある程度決まっていますし、この箇所についてはダメ出しを受けることもそんなに少ないからです。
こうやって、「はじめに」だけではなく「結論」や「研究方法」など書けそうなところを書いていくとだんだんと修士論文の全体像が見えてきます。

全体像が見えてきたら、指導教員や先輩からのダメ出しもよりよいものに変化していきます。
(最初の部分しかできていない論文の場合、ダメ出ししようにも曖昧な内容になってしまったり、全体の内容にかかわらないダメ出しになってしまうこともあります)
修士論文を書く際はWordのアウトラインモード(わからない方はうちの塾でやり方をお伝えしています!)で見出しだけを表示して目次のようにしながら書けるところを書いていくのが一番スピーディーです。
完璧主義を捨てて、書けるところから書く!
研究を進める際、「すべてが完璧に整ってから進めよう」と考えると、結果的に何も進みません。
例えば、実際にこういうケースが良く起きています。
- インタビューを計画しても、指導教員や先輩からのダメ出しが気になって実施が遅れてしまう。(結局できないままになることも…)
- 理論を深めようとしているうちに時間が経ち、研究が進まない
こういった事態を避けるためには、完璧を求めずにできることから進める姿勢が大切です。
例えば、プレ調査として少人数のインタビューを実施してみたり、読んだ文献のうち使えそうな部分を引用としてとりあえず修士論文に打ち込んでみたりするなど毎日少しでいいから進めていくのがポイントです。
こうすることで、研究の停滞を防ぎ、全体の進捗を早めることができます。

私の修士論文執筆経験
私自身、今年の1月に修士論文(リサーチペーパー)を提出しました。
リサーチペーパーを作るにあたり、私が作成したのはまず「目次」づくり。
本当に最初に作ったのは大学院入学前で、そこからちょこちょこと追記・修正をしていきました。
本格的にリサーチペーパーを書き出した2024年10月からは書ける部分から書き進め、必要に応じて大幅に修正や削除を繰り返しました。
そこから日々目次を見ながら書けそうな部分にちょこちょこ追記していき、完成までこぎつけました。
もし、私は最初から順番に書き進める方法を取っていたら、途中で行き詰まり、完成までたどり着けなかった可能性が高いでしょう。
指導教員からのフィードバックを受けながら、最後の結論部分や中間部分から書き進めることで、全体の流れを作っていくことができました。
そして無事リサーチペーパーを完成・提出ができました!!
AIツールを活用して論文を効率化する
なお、現在では修士論文作成にもChatGPTのようなAIツールを活用することができます。
…といっても、全文をつくってもらうような活用方法はNGです。
そうではなく、例えば目次の内容を入力したうえで全体の構成についてコメントを貰ったり、途中で方向性に行き詰まった場合「この論文の内容を整理するとどういう主張になるか」を答えてもらったりする使い方がいいです。
実際、私も修士論文に加筆をしまくって「何を言いたい論文かよくわからない…」という状況に陥った際、ChatGPTの助けを借りました。
そうしたところ「そうか、この部分を切り捨てていけばいいんだ」と気付き、余計な部分をカットしたことで修士論文がスッキリしたのです。
ChatGPTに代筆してもらう使い方ではなく、途中まで書いて方向性がわからなくなった修士論文の方向性を教えてもらう使い方をするのがおすすめです!
まとめ!
修士論文執筆は、トンネル工事のようなものです。
「最初から順番に書く」のではなく、両側から掘る(最初の部分だけでなく最後の部分から書く)事が必要です。

更には複数の部分を並行して進めていく、手を付けやすい部分から書いていくというアプローチが重要です。
また、今の時代はChatGPTなどAIツールを活用しながら、目次を随時見直し柔軟に執筆を進めることで、よりスムーズに論文を仕上げることができます。
修士論文の進め方で悩んでいる方は、ぜひこの方法を試してみてください。
もしさらに具体的なアドバイスが必要な場合は、私の運営する塾にご相談いただければ幸いです!
実際、うちの塾には大学院受験生だけでなく、大学院に今在学している方の論文アドバイスも行っています。
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修士論文執筆はトンネルって片方から掘るのではなく両方から掘っています。だからこそスピーディーかつ問題対応を行いつつ完成させられます。修士論文も同様に「はじめに」など最初の部分からだけでなく「結論」など後ろの部分、可能ならば「研究方法」など途中の部分からも書いていくと速く楽に仕上げられますよ!