作文の書き方㉝すぐ使える!分かりやすい文章を書くコツ〜発散と収束のワザ〜

 

(1)「分かりやすい文章」ってどんな文章?

 

帯広と札幌で続けている、「作文で未来は変わる!作文・小論文講座」。

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毎月開催し、小学生から一般人まで多様な方に来ていただいています。

先日の「作文で未来は変わる!作文・小論文講座」で、ある質問を頂きました。


「どうやれば、分かりやすい文章を書けますか?」

 

この質問、文章を書く仕事をしている人にとってすごく大切なものですね。

 

 

分かりやすい文章とはどんな文章でしょう?
それは「何を伝えたいかが明確な文章」でした。

この「何を伝えたいか」よくわかっていない文章はたくさんあります。

そんな文章のことをジコマン文章と呼びましょうか。
自分が書きたいから書いて、それだけ。
そんな自己中心的・自己満足の文章です。

ジコマン文章は相手に伝わりません。
何を伝えたいか、自分でもわかっていないからです。

ですが、意識をしないとどんな人もジコマン文章を書いてしまいます。

分かりやすい文章。
それはジコマン文章ではないもの、といえます。

ただ自分が書きたいから書くレベルを越え、「これを伝えたい!」ということがストレートに伝わる文章。
それこそ分かりやすい文章です。

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(2)分かりやすい文章を書くための3ステップ

 

こういう文章を書くには、実は2つのステップがあります。

それは・・・

 

 

 

 

発散と収束

 

 

 

 

です!

 




「え、発散と収束?」という声が聞こえてきそうです。

ここからはステップを踏んで解説しましょう。

まずは両者の関係を示しておきましょう。

発散と収束 図 作文

え、ますます分からない?
・・・では順に見ていきましょう!

2−1 発散のステップ

 

まずは「発散(はっさん)」のワザから。

「発散」とはアイデア出しのプロセスです。

「何を書きたいの?」
「何を伝えたいの?」
「どのネタを書くの?」
これらを考え、ひたすら書いていくプロセスです。

本ブログで書いた「書き始めると、書きたいことは見つかる」を参考に、ひたすら書き続けましょう!
友人と「ブレーン・ストーミング」をするのもアリです。

ブレーン・ストーミングは、下のルールで誰かと話し合うことで行います。
思った以上に、いいアイデアが見つかるものです。

●批判は一切しない(自由にものがいえる環境を確保する)
●自由奔放に発言する(他人が「ばかなこと」と思うこともいってよい)
●質より量を優先する(質を気にせず、どんどん発言する)
●結合改善(他人の意見に便乗してアイデアを発想する)
(株式会社日本能率協会コンサルティング, 2003,『チャートで考え、伝える技術』日本能率協会マネジメントセンター, 77頁)

注 「結合改善」、要は「パクってOK!」ということです。

「発散」はとにかくアイデアを出すのが目的です。

「ちょっと本題と違うな・・・」というものも、とにかく書いておきましょう!(パソコンなら言うまでもありません)

書き始めると、書きたいことは見つかる」のです。
「ああ、これが言いたかったんだ!」というものが見つかるまでとにかく書く!

そして見つかったあとも、「それ以外」のネタはとっておきます。
次にやる「収束」の際の味付けに使えます。

 

ストレス発散という言葉もありますが、「発散」をすると「ストレス発散」にもなります。
思いついたことをひたすら書いていると、なぜかしらスッキリするのです。

 

2−2 収束のステップ

 

では次のステップに行きましょう。
次のステップは「収束(収束)」。

収束のステップは、「発散」で出たアイデアをまとめること(=収束する)です。

「発散」でひたすら書いた文章を読み直し、
自分の「書きたいこと」「伝えたいこと」が何かを掴み直します。

この「書きたいこと」は「150文字」程度でまとめられます。
150文字でまとめたものを、さらに「一言」で示してしまいましょう。

だって、「1つの文章で、伝えたい事は1つ」だからです。
伝えたい事は「一言」でまとめられるはずです。

☆本質を一言でまとめるという点では『イシューからはじめよ』という本が参考になります。ぜひ見てみてくださいませ。

 

この「一言」、「五七五」でまとめるとちょっと楽しいです。

 

例を挙げましょう。
次の文章は私が2016年1月17日の「作文で未来は変わる!作文・小論文講座」で書いた文章です。

このときは「3分間」という時間制限をつけて書きました。

 私にとって分かりやすい文章とは、言いたいことがハッキリしている文章のことである。1つの文章で言いたいことが1つだけの文章のことだ。ムダを省き、言いたいことだけを書くと文章は読みやすい。そんな文を書くには、「誰に」書くかが明確である必要がある。Aさん・Bさんという具体的他者に伝える文章は結果的に分かりやすい文章になる。(159文字)

これを「一言」でまとめると、次のようになります。

誰に向け 書いているの?と 問いかけよう

さて、「収束」もようやく完了です。

「私が書きたかった文章はこれだ!」とわかって来る頃です。

 

2−3 発散・収束のステップのあとは、「書きたいこと」をもとにネタを整理する!

 

あとは簡単です。

「収束」した一文(と、150文字程度の文章)を適切に伝えられるよう、「発散」で出したネタを調理していくのです。

料理と同じです。

「ツカミとして、このネタを書くといい導入になるな・・・」
「ここで数字データを入れるか・・・」
「自分の体験談をここにいれようか・・・」

「理由は3つ」法を使ってもいいですし、

「発散」のネタが足りなくなれば、再び「発散」を行うのです。
そして、再び「何を書きたいか」考え、「収束」していきます。

そう、わかりやすい文章を書くには「発散」と「収束」の繰り返しが必要なのです!

発散と収束 図 作文

 

この図の意味、伝わってきましたね!

 

なかなか、作文技法の本では「ネタを出す」という「発散」と、「まとめる・整理する」という「収束」の両方を扱ったものは少ないのです。

分かりやすい文章を書くのは料理と同じです。

ネタを用意し、自分が何を作りたいか(言いたいか)を考える「発散」。
そして実際に調理する「収束」。
素材の味を活かすと言っても、思いつきで書いてしまっただけの「発散」文章を読んでも、すごくわかりにくいのです。




(3)書き終えたあとは・・・、必ず読みなおす!

 

さて、ようやく書き終えました。
そのタイミングで使うのは「「必ず」読みなおす!」というコツです。

印刷して確認もしましょう(「原稿はプリントアウトして読みなおす!」)。
時間があれば音読もするといいでしょう(「試験に出す文章は必ず音読!」)。

読みなおすと、さらに「収束」できます。
オーバーな表現、くどい表現、作者が笑っている表現に気づくからです。

 

 

 

では、作文作成、やってみてくださいね!!!

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