ホリエモンも絶賛!『サピエンス全史』に学ぶ「虚構」の重要性とは?

『サピエンス全史』を読みはじめました

 

こんにちは、
作文アドバイザーの
藤本研一です。

 

いま、
こんな本を読んでいます。

 

『サピエンス全史』。

 

あのホリエモンも
絶賛している本です。

いちおう、私は
「歴史教員」でもあるので
こういった本、大好きです。

 

読んでいて
グイグイ引き込まれる、というか・・・。

 

シャレド・ダイヤモンドの
『銃・病原菌・鉄』
が好きな人なら、きっとハマるはずです。

 

(シャレド・ダイヤモンド時代も
本書を評価しています)

 

ホモ・サピエンスと「その他の人類」は同時に生きていた!

 

この『サピエンス全史』。
一体、どんな本なのでしょう?

 

 

一言で言うと、

・ホモ・サピエンスがなぜ

現在の文明を築けたか。

・ホモ・サピエンスは今後
どうなるか。 

について述べた本です。

 

 

われわれ人類は
みんな
ホモ・サピエンスという種です。

 

歴史の教科書にあった
「ネアンデルタール人」や
「ピテカントロプス」
はとうの昔に絶滅しています。

 

 

「人間」「人類」というグループ内で
いまも生き残っているのは
われわれホモ・サピエンスのみ
なのです。

 

でも、
過去には
われわれホモ・サピエンス以外の
「人類」も、同時に生きていた時代があったのです。

 

じつは、約100万年前から1万年前ごろまで、
この世界にはいくつかの人類種が同時に存在していたのだ。

だが、これは格別驚くことではない。

今日でも、キツネやクマ、ブタには
多くの種がある。

10万年前の地球には、
少なくとも6つの
異なるヒトの種が暮らしていた。

複数の種が存在した過去ではなく、
私たちしかいない現在が特異なのであり、
ことによると、私たちが犯した
罪の証なのかもしれない。(20ページ)

 

最後の部分が印象深いです。

 

なぜ、かつ6つは同時に存在した
人類の種のうち、

ホモ・サピエンスのみが
生き残っているか?

 

・・・ホモ・サピエンスによる
虐殺なり、生存競争なりがあったのでしょう。

 

実はこの「6つ」の種なども、
別に野蛮な集まりではないのです。

原始人のイメージ通り、
石器を使っていましたし、
言語も話していました。

火を活用したり、
死者を埋葬したりもしていました。

 

動物園のサルなどとは
明確に違うのです。

 

ホモ・サピエンスは「虚構」を手にした!

 

でも。

 

 

ホモ・サピエンスと
「それ以外」の種には
明確な差がありました。

 

 

『サピエンス全史』では
「虚構」の共有
と述べています。

 

「虚構」とは、
「実際には存在しないモノ」
のことです。

 

例えば、
神様を例にしましょう。

 

教会なり、神社なりには
「神様」をイメージさせる働きがあります。

 

でも、「神様」は
目に見えるでしょうか。

 

触れるでしょうか。

 

匂いがするでしょうか。

 

会話できるでしょうか。

 

 

・・・できないですよね。

 

「神様」というのは
ある意味の「虚構」なのです。

 

「神様」の存在を信じることは
できます。

 

でも、実際に「神様」に会った人は
(おそらく)ほとんどいないわけです。

 

 

実際に存在しないモノについて、
話ができる。

実際に存在しないモノについて、
認識することができる。

 

 

このことを「認知革命」と呼んでいます。

 

私たちの言語が持つ真に比類ない特徴は、
人間やライオンについての情報を
伝達する能力ではない。

むしろ、それは
まったく存在しないものについての
情報を伝達する能力だ。

見たことも、触れたことも、匂いをかいだこともない、
ありとあらゆる種類の存在について
話す能力があるのは、
私たちの知るかぎりではサピエンスだけだ。(39)

 

この結果、
伝説・神話・神々・宗教が
生まれます。

 

伝説を共有する人々の間で、
「協力し合う」
力が生まれました。

 

ネアンデルタール人たちがせいぜい
20〜30人くらいでしか
協力できなかったのに対し、

ホモ・サピエンスは
「神話」「宗教」を共有することで
より大きな範囲で協力が可能になりました。

 

虚構、すなわち架空の事物について語る
この能力こそが、サピエンスの
言語の特徴として異彩を放っている。(39ページ)

 

虚構を話す。

虚構を語る。

そのことで
ホモ・サピエンスは
他の人類を圧倒する力を得ました。

 

宗教が生まれ、
部族の一体感が生まれます。

 

 

吉本隆明『共同幻想論』を思い出す

 

・・・ここまで読んで、
ある本を思い出しました。

 

 

吉本隆明の『共同幻想論』です。

 

 

吉本隆明は
国家の起こりを
「共同幻想」に定めます。

みんなが、
共通の「幻想」を共有する。

 

そのことで、
宗教が生まれます。

 

「同じ神を信じる集団」ということで
国家が生まれた、
と説明するのです。

 

『サピエンス全史』の
「認知革命」の説明は
まさに吉本隆明と同じ流れなのです。

 

 

『サピエンス全史』も
『共同幻想論』も、
この「虚構」「幻想」こそが
このあとの文明をもたらしたことが
述べられていきます。

 

いまのわれわれも「虚構」を共有している!

 

・・・実は、今のわれわれも、
「虚構」「幻想」にどっぷり使っています。

 

 

今日わたしは地下鉄に乗る時、
サピカ(スイカ)を使いました。

要は交通系電子マネーです。

 

数週間前に5,000円を
チャージしました。

 

サピカ本体を見ても、
5,000円が入っている事実は
目に見えません。

 

5,000円チャージしても
サピカの重さは変わりません。

 

でも、サピカをかざすと
地下鉄に乗れるのです。

 

・・・当たり前、と思うかもしれません。
「電子マネーのシステム」だから
当然だ、と思うわけです。

 

 

でも。

 

 

「電子マネーのシステム」というのは
各人が学んだからこそ
使えるようになったのです。

 

 

電子マネーというのは
不思議なものです。

 

だれも仕組みなんか、
知りません。

 

でも、平気でサピカに
お金をチャージして
使っているわけです。

 

 

これは電子マネーのシステムが
「目に見えないけれど存在している」
と信じている証拠でしょう。

 

サピカのカードの「向こう側」に、
複雑なコンピュータによる制御システムなり、
安全管理制度なりがあることを
信じているわけです。

 

 

ホモ・サピエンスの特徴そのままです。

ホモ・サピエンスではない
ネアンデルタール人は
「目に見えるもの」だけしか認識できません。

ネアンデルタール人に
サピカのカードを渡しても
何に使うかわからないでしょう。

 

説明しても、
理解できないのです。

 

そもそも、
「お金」という存在自体が
「虚構」「幻想」だからです。

 

 

例えば私が塾で授業をして
月謝として1万円札を受け取ったとします。

 

私の仕事に対して
1万円札が支給されたわけです。

 

でも、この1万円札、
作るのにかかる原価は
せいぜい20円
なのです。

 

私が一生懸命仕事しているのに、
10円玉2枚を手渡されているのと
(表面上は)同じなのです。

 

でも、私は喜んで
原価20円の1万円札をサイフに入れます。

 

そして買い物に出かけます。

 

なぜか?

それは原価20円の紙切れに、
「1万円相当の価値がある」と信じているからです。

 

 

私が1万円札を持って、
JRの特急券を買いに行きました。

 

みどりの窓口の人は
原価20円の紙切れと引き換えに
乗車切符を渡してくれます。

 

窓口の人も、
原価20円の紙切れに
1万円相当の価値があると
信じているから切符を渡してくれたのです。

 

 

そう。

 

お金というものは
「虚構」なのです。

 

でも、みんながその「虚構」を
信じ、共有しているからこそ、
社会が成立しているのです。

 

「虚構」の共有こそ、
ホモ・サピエンスの特徴なのです。

 

「虚構」はたくさんあります。

 

宗教以外にも
お金
国家(「日本人」という意識)
文化
芸術
学問
などなど、本当に様々です。

 

 

 

・・・この本、
まだまだ読み出したばかりです。

 

上巻だけでなく、
下巻もあります。

 

ちょっとしか読んでないにも関わらず、
衝撃がありました。

 

ぜひ最後まで読みたいと思います。

 

「虚構」のポイント

 

なお。

 

「虚構」「幻想」には
ポイントがあります。

 

「虚構」「幻想」は
言葉によってなされている、
というところです。

 

言葉がなければ
「虚構」「幻想」も
存在しないわけです。

 

普段使っている「言葉」。

そのありがたさ・価値を
考えていきたいと思います。

 

よく私はセミナーで、

「価値とは言葉で表すことが出来るものです」

と言っています。

 

言葉があるからこそ、
価値が生まれるのです。

 

ホモ・サピエンスと
「その他の人類」を分けたのは
「言葉の使い方」による違いでした。

 

作文や文章の書き方講座でも、
この「言葉の使い方」、
お伝えしていこうと思います。

 

今日は、ちょっと硬い内容でしたね。

 
動画もあるのでよろしければどうぞ↓!

 

ではまた!

 


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